パーティー 準備中
私はこの洞窟に来て1年が経った。そう、やっと、クエストをクリアする事ができる。1年経って2個しかクリアできなかったってどう言う事って思うけど、まぁ、仕方ないわよね。
本当にこの1年間で私は成長したわ。なんせ、虫に触れるようになって、虫達と野球したり、鬼ごっこしたり、パーティーもやったわね。うん、私よくやったわ。そして、現在、虫達が1年間お疲れ様、これからもよろしくパーティーの準備をしてくれるみたいなのだけど、王様が座りそうな立派な椅子を作って欲しいと言われて作ってみたら、そこに座ってと言われて、私は庭に似合わない椅子に座っているのだけど、少し恥ずかしいわね。私も手伝うわよって言ったら主人様は主役だからそこに座っていてくださいと言われちゃって、準備も手伝えなくて、こう言うパーティーって準備している時が楽しいと思わない? 私も準備手伝いたんだけどなぁー。
「花茶! 花の準備をできましたか?」
「お兄ちゃん準備オッケー! 花茶いつでもお花出せるよ! お花を出す魔法なんて凄いね!」
「私は攻撃魔法以外ならなんでも知っていますからね! ですが、教えた筈の魔法とは少し違うような?」
「藍介〜、この〜、飾りは何処につけるの〜?」
紫水は紙で作られた飾りを水を使って持ち上げていた。水で掴んでいるのに紙が濡れない仕組み、どんな仕組みなんだろう。
「その飾りは屋根に飾ってください」
「こう〜?」
「えぇ、それで大丈夫です」
『藍介様! 宝石を取りに向かった黄結姫さんチームが黄結姫様が転んでしまったみたいで、予定時刻より遅れてくるそうです。今さっき、紅姫様が救出に向かいました』
「急に思念が混雑していたかと思ったら、そんな事が起こっていたのですね」
「母さん〜、こんな大事な日に何やってるんだよ〜。俺が助けに行ったほうがいい〜?」
「いえ、紫水には庭の飾り付けを手伝って欲しいですね」
紫水の様子からして黄結姫に何かあったみたいね。暇だから助けに行ってあげようかな。
「藍介、紫水、どうかしたの? 何か手伝おうか?」
「いえ! 主人様はここに座って待っていてください」
「だって、座ってるだけじゃ暇なんだもん」
「はぁ、本当に準備不足で申し訳ございません。本来なら昨日の段階で飾り付けやプレゼントも用意を終えていた筈だったのに」
「まぁ、意見の食い違いで喧嘩するのも仕方ないことよ」
私は落ち込んでいる藍介の頭を撫でてあげて励ました。
「主人様。ありがとうございます! 絶対に素敵なパーティーにしてみせます!」
「ねぇ、暇だから黄結姫の所行ってきてもいい?」
「主人様それはいけません。お座りください」
「そうだよ〜、主人様は座って準備終わるの待っててね〜」
紫水は私の背中を押して椅子に座らせた。
だから、暇なんだって!
「暇ー!!! 暇すぎるぅぅぅぅう!!!」
私は2時間椅子に座っていた。
「主人様! 準備が整いました! さぁ! 皆さん! パーティーを楽しみましょう!」
「皆さん本当にごめんなさい」
黄結姫は頭を地面に下げ助けてくれた人達に謝っていた。
「いつもの事ですから大丈夫ですわ。それで、宝石は藍介さんに渡しましたか?」
『俺が藍介様に渡しましたよ』
「藍介すごいよね〜、30分足らずで〜、宝石加工するんだもん〜」
「よし! お花をたくさん出すぞぉぉぉ!!! 百花奏乱」
花茶の周りに彩り取りの花が咲き誇り、その花から音が流れ始めた。まるで、音楽が流れているようであった。
「ふぇっ! 何で音が出るの!?」
音楽が流れて花茶は驚いていた。もちろん、魔法を教えた藍介も一緒に驚いた。
「えっ! 私が教えた魔法じゃありませんよ!」
「何この音! 素敵な音ね。何だろう、心が癒されるって感じがするわ」
「あれ? おかしいですわね? DJ、曲流すのはパーティーの後半って話しでしたわよね?」
『はい! 紅姫様のおっしゃる通りです!』
「これって花茶ちゃんの魔法の効果ってこと〜?」
「綺麗なお花さんがたくさん。お庭がさっきよりも、華やかになったわね」
「心が落ち着きますね」
黒く長い付け髭をつけた緑癒が家の方から歩いてきた。
『緑癒様! 付け髭は変顔大会の時に付けると言っていたじゃないですか! 付けるの早すぎます! 俺だって付け髭付けたいのに我慢しているのですから!』
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