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シンカVS魔石精霊(仮) 26万291回目

 ふぅ、私、今度こそ名前を名前欄に入るぐらい短くするわよ! 目指せ! 千文字以内!


「おーい、シンカ聴こえているか? 耳でも遠くなったか?」


「耳は遠くからわよ!そんな歳じゃないんだし!」


あっ、いけない、つい突っ込んでしまった。


「コホン。お電話ありがとうござます。進化管理部部長、女神シンカが承ります」


「俺様の名前を申請したから見てくれ!」


「それでは、確認させていただきます」


 水晶から大量の文字が浮かび上がった。

私は前の名前申請の時の名前をメモした紙と照らし合わせ何が減ったのが確認した。


 えーと、あら、結構少なくなっているわね。チート行為を行った冒険者達の名前が無くなっているわね。ん? いや、まだ残っているわね。


「今回の名前ではチート行為を行った冒険者の名前を消したと言う事でしょうか?」


「あぁ、苦渋の決断だった。皆、俺様が考えつかないような行動で俺様のダンジョンをクリアした強者達、消したくなかったが、名前を通すためには仕方ない事だ。これで、はれて俺様の名前は」


 苦渋の決断って‥‥。まぁ、彼にしてはよく短くしたと思うわよ。それでもね、無理なのよね。やっぱり、私が名前考えてあげた方が早く終わるわね。


「まだ、名前欄に入りきれないのでもっと短くしてください」


「えっ、結構短くなった筈だが」


「えぇ、2万6千591文字まで減りましたね。ですが、名前欄には千文字以内と毎度話していますが、貴方、数を数える事が出来ないのですか?」


「俺様は賢い魔石精霊! 数など簡単に数えられる!」


「それでは、この数字読めますか?」


 私は魔石精霊(仮)に58742と数字を送って読ませることにした。


「いち、じゅう、ひゃく、なんだこの桁数!」


「百の位までは知っていたのですね。貴方がこの前に送ってきた名前の文字数です」


「ほぉ、俺様の名前はこれだけ長かったと言うことだな」


「もう、私の方で貴方の名前を決めさせてもらいます」


「なんでだ! 俺様が名前を決める権利がある以上、シンカが決めるのはおかしいだろ!」


「もう、何年間このやりとりをやっていると思っているのよ! もう、貴方の名前はウンで決定!」


「だから、なんで俺様の名前はウンなんだ! カッコ悪いだろ!」


「いいじゃない、素敵だと思うわよ。ウン君」


「やめろ! 俺様はその名前は嫌だ!」


「なら、名前欄に入る文字数で名前を決めなさいよ!」


「これでも、減らしたんだぞ、冒険者スリッパーは2層目で壁に走り続けたら急にダンジョンをクリアした強者、彼の後から2層目の壁に走り続ける冒険者が増えクリアした者達の名前も減らしたと言うのにこれ以上減らすことなんで出来ない」


「だから、入らないんだって」


「それなら、名前欄をもっと文字が入るようにすればいいじゃないか」


「あの面倒なステータス表示部に、名前が長い精霊がいるので名前欄を拡張お願いします。出来れば2万6千591文字にしてくださいだなんて言える訳ないじゃない!あんた、馬鹿なの!」


「馬鹿とは何だ、親友に向かってそれは言い過ぎだ」


「私はいつから貴方の親友になったのよ!」


「おい、忘れたのか、お前が女神達に虐められた時、俺様が慰めてあげたじゃないか」


「あれは、その、ありがとう。だけどね! 私は神なのよ!」


「それから、シンカは俺様に仕事の愚痴を話す仲になったじゃないか」


「あの時の私を恨みたくなってきたわ」


「で、そのステータス表示部にお願いすれば俺様の名前がこれで確定するんだな。シンカ、俺様の名前の為に頑張ってくれ!」


「嫌よ! 絶対に嫌! ねぇ、ウンって名前にしない?」


「その名前は嫌だってさっき言っただろ」


「はぁ! もう、こんな時間! 私今日生配信見たいからもう帰らなきゃ!」


「生配信? 何だそれは?」


「一月前から言ってたじゃない、神ドルグループ『アロンズ』の生歌配信! 太陽神アポロー様がかっこいいのよね」


「あー、この前見せてくれた金髪で背中から光を常に放っている派手な神か、あいつの何処がいいんだ?」


「顔よ!」


「顔だけなのか、他にはないのか?」


「顔よ!」


「おい、顔しかないのかその神は」


「顔なのよ」


「分かったから、それじゃあ、ステータス表示部に行って名前欄拡張よろしくな」


「私はやるって言ってないわよ。ねぇ、ウンにしない?」


「嫌だ、ステータス表示部にお願いしてきてくれ」


「えー、嫌よ」


「それなら、俺様の姉のアにお前が女神達に虐められた話をしようかな」


「何よ、脅すつもり」


 魔石精霊(仮)の姉であるアは私を信仰してくれている。そんな信者に他の女神に虐められて仕事辞めようとしていた事は知られたくなかった。こんな私を信仰してくれているのだもの、カッコいい姿しか見せたくないわ。


「分かったわよ! 今日は配信があるから無理だけど、明日お願いしてみるわ。それじゃあ、来週」


「生配信楽しんでこいよ」


 私は魔石精霊(仮)との連絡を終えた。今回も決められなかったわね。あいつが私の考えた名前を受け入れればいい話なのに、まぁ、いいか。評価なんて他にも上げる方法あるし、家に帰って生配信みよーと。

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― 新着の感想 ―
[良い点] ダメだったか~。 フレンドリーですね。それを使っての頼み込みというオドシ…迷コンビでは(笑) [気になる点] ていうか、名前を誰に読んでもらうのかな? 「長すぎて覚えきれない!」と彼女…
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