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テンプレ勇者にあこがれて  作者: 昼神誠
第三次長州征伐編
255/263

長州藩にて(其の十陸)

 3人に続いてムジカとケンタウルスが前面から、シリウスが背面から銀兵衛に襲いかかる。


「とりゃ―――なの!」


「いっくよ―――♪」


「刀が折れていたって!」


「くくく、羽虫共がぁぁぁ! グループハラスメントまで犯すかぁぁぁぁ!」


 ブワッ!

 

 銀兵衛が放った衝撃波だけで陰陽術はかき消されムジカとケンタウルス、シリウスもその場から前へと進めずにいた。


「だから……意味が分かりませんって言っておりますのよ!」


「ん、黒水晶眼」


 続いてレグルスとコペルニクスが銀兵衛に向かって攻撃を行う。


 キュッ


「むっ?」


「まずは左腕ですわ!」


 ピンッ!

 ボトッ!

 

 レグルスの糸に巻かれ銀兵衛の左腕がいとも簡単に切り落ちる。


「ぐっ……」


 ドゴッ!


「がっ!? なんだとっ!?」


 それに間一髪入れずコペルニクスが上空から鉄パイプで銀兵衛の頭頂部を打撃させる。

 因みに鉄パイプはそこら辺に落ちている基地の残骸である。

 すぐに銀兵衛の側から離れレグルスの横に立つコペルニクス。


「くくく、イビルハラスメント再来か……春夏秋冬美心に続き人外者が2体も存在するとは……これは世界に対する圧倒的な理威狩違反!」


 銀兵衛の身体から発する衝撃波が更に強くなりムジカとケンタウルス、シリウスは吹き飛ばされてしまう。

 レグルスとコペルニクスだけは何とか堪え、その場に立つも糸を銀兵衛に向けて発しても届かない。

 その状況を基地内のモニターで見ている者がいた。


「あっ、これ……ちょっとまずいんちゃう?」


「おほほほ、銀兵衛だって馬鹿ではないざましょ? ここが洞窟内であることは理解できているはずざます」


「……気に入りませんね」


「舞香様?」


「折角、痛しの君に喜んでもらえるよう場を整えたというのにその場を荒らされては……」


「せやな、美心姉ちゃんのため準備した場やもんな」


「パープル、お願いできますか?」


「ええっ、あてくしが!? あんな女体ばかりのところに行ったら……全員、俺の雌豚にしても良いんだろうなぁ?」


「ふふ、構いません。痛しの君以外は興味がありませんので」


 ニチャァ……


 パープルこと金鶴がミストレスの傍から離れ去る。


「おいおい、四天王まで出して良いのか?」


「構いませんよ。あの場を荒らされるよりは……」


「低杉、美心姉ちゃんはまだかいな?」


「くくっ、先程連絡があった。今、秋芳洞の入口部分にいるようだ」


「何しとったんや? 美心姉ちゃんは……」


「大方、道に迷い道中でお腹が空き瓦そばでも食べていたのでしょう」


「あはっ、美心姉ちゃんなら有りそうやな」


「随分と春夏秋冬美心のことが詳しいのだな、ミストレスよ」


「生前からの付き合いですので……」


「生前って、ミストレスも冗談が上手いな」


「舞香様は嘘言わへんで!」


「しっ、痛しの君の気配を感じます。今から術を展開しましょう」


「くくく、これで春夏秋冬美心も終わりか! ヤツが消えれば国盗りなど造作もないこと!」


 クンッ!


「これでどうですの!」


「ん」


「くくくく……くわーはっはっは! 例えイビルだろうと俺の理威狩の前では些細なこと! これで終わりにしてや……」


「やめるざます、銀兵衛」


 コッコッコッ


 鍾乳洞の奥地から足音が聞こえる。

 皆がそちらに目を向けると1人の顔覚えのある者が現れた。

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[良い点] 突如現れた謎の声……一体誰なのか……
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