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テンプレ勇者にあこがれて  作者: 昼神誠
第三次長州征伐編
253/263

長州藩にて(其の十肆)

 シリウス達は十字架にかけられているレグルス達を解放する前に会敵してしまった。

 戦闘が始まると戦う力を持たないフォーマルハウトと重症人のプロキオンだけが十字架に向かい拘束具を解こうとする。


「くっ、何やら複雑な陰陽術がかけられているでござる」


「まずはレグルスとデネボラを解放するッス!」


「ええ、お願いしますわ」


「うちなら後方から回復陰陽術をかけることができるし。せめて印が組めるよう手だけでも解いてくれれば良いよ」


「分かったッス!」


 必死に拘束具を解こうと集中している間、シリウスらは……。


「くくく、弱し! 弱し弱し弱し弱し……弱ぁぁぁし!」


「な、なんて強さなの……」


「この一瞬で僕達4人にダメージを与えるなんて……」


「痛い……痛いよぉ……」


「一撃が凄く重いネ。3人とも吾輩がヤツにデバフをかけるネ。それまで援護をお願いするヨ」


「ええ、分かった!」


「ふふっ、まったく無茶を言ってくれる!」


「んもぉぉぉ!」


 シリウスが俊足で銀兵衛に接近し居合い斬り。

 リゲルは弓でシリウスの攻撃に合わせて銀兵衛の頭部を狙った。

 ベガは銀兵衛の側面から右ストレートを脇腹に食らわせようと走り向かう。


「ほぅ、ソードハラスメントにボウハラスメント……更にガントレットハラスメントか? そんなハラスメントなど俺には効かんわ!」


 キンッ

 キンッ

 キンッ


 シリウスの居合い斬りが直撃するものの銀兵衛の身体に傷一つ付かない。

 それはリゲルの弓も同じようで額に当たるものの刺さること無く地面に落ちてしまった。

 

「うわぁぁぁぁ!」


 ベガに限っては殴りつけた衝撃が自身の拳にすべて反射し右手の骨を粉々にしてしまった。


「ベガ!?」


「くぅ、なんて硬さだ!」


「うおりゃぁぁぁ! ソフトクロス!」


 3人の攻撃に続いてミモザが投げたブーメランが銀兵衛の近くを通り手元に戻る。

 ソフトクロスは相手を軟化させる効果がある。


「3人共もう一回ネ!」


「でぇぇぇぇい!」


「これで効いてくれ!」


「右手が使えなくなったって!」


 再びシリウスは銀兵衛に向かって逆袈裟斬りを繰り出し、リゲルは武器を持ち替えスリングショットで銀兵衛の心臓部を狙う。

 ベガは大きくジャンプし銀兵衛の後頭部めがけライダーキックをした。


 ザンッ!


「むっ?」


 ドスッ!

 ドゴッ!

 ヒュゥゥゥ……ズガァァァン!


 シリウスの刃が通り銀兵衛の上半身に大きく傷を付ける。

 続いてリゲルが放った球も心臓付近の肉を貫き、ベガのキックで吹き飛ばされる銀兵衛。


「効いた!」


「ふふっ、ムジカのデバフのおかげだね」


「殺ったの?」


「まだにゃ! あいつはその程度で死んだりしないにゃ!」


 後ろで十字架に張り付けられているカノープスは第6感で銀兵衛の恐ろしい殺気を肌で感じていた。


 ガラッ

 ガラガラッ


 崩れた瓦礫の中からゆっくりと起き上がる銀兵衛。

 血は既に止まっており傷も急速に回復していることが肉眼で確認できた。


「何なの……あいつは?」


「人……間だよな?」


「くくく、やるねぇ。まさか軟化とは……くくく、デバフハラスメントにウードハラスメント。この理威狩りぃがるは如何ほどになるだろうねぇ?」


「あいつはさっきから何を言っているんだ!?」


「意味なんか理解できませんわ。ただ、これだけは確実ですわ。ヤツも本気を出してシリウス達に襲いかかると……」


 ヒュン


「まずは一匹! 理威狩!」


「ミモザ!」


 グシャッ


 ミモザの頭部を掴むとそのまま地面に向かってその手を振り下ろす。

 まるで地面が柔らかいのかと錯覚するほどミモザの頭部は地面に埋まり身動きしなかった。


「貴様ぁぁぁ!」


 銀兵衛に向かってシリウスが斬りかかる。

 それを見てリゲルとベガもすぐに攻撃を行う。


「くくく、二匹目! 理威狩!」


 バキッドゴッ!

 ヒュゥゥゥ……ズガァァァン!


「がはっ!」


 シリウスが振り下ろした日本刀をいとも簡単に左拳で破壊し、右拳で彼女を殴りつけ大きく吹き飛ばした。

 シリウスは意識を失い、その場から動くことがなかった。

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― 新着の感想 ―
[良い点] まさかの展開になるなんて……心配になりました……
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