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テンプレ勇者にあこがれて  作者: 昼神誠
第三次長州征伐編
242/263

長州藩にて(其の肆)

 鈴城を倒したコペルニクスのもとに駆け寄るレグルス達。


「やりましたわね」


「ん、こっちの眼を使わずに倒せてよかった」


「確か黒水晶の眼って……」


「リギル、ネタバレは駄目だにゃ。ここは敵の本陣。何処に耳があるか分からにゃいにゃ」


「それよりケンタウルスとの通信はどうッスか?」


「駄目、声が届かない。何かあったのかも」


「引き返す?」


 皆が互の目を見て考えが一致していることを確認する。


「今は比奈乃様を助けることが先決」


「ええ」


 天守に向け先に進むレグルスらチームアルファのメンバー。

 見張りの藩士の姿はなく、もぬけの殻となっている城内が不気味だ。


「おりますわね……」


「比奈乃様が?」


「違うにゃ。敵にゃ」


 天守へと上がるとそこに立っている1人の男。


「くふふ、血濡を倒しここまで来ましたか」


「あいつは!」


「初めてお目にかかる隊員もいるようですね。朕はチャーシュー民主主義人民共和国独立先行部隊隊長、瀬取幻十郎清治せどりげんじゅうろうきよはると申します。二つ名はエレメンタリスト清治……」


「エレメンタリスト?」


「お義母様が書かれた叡智の書で見たことがあるわ。エレメンタル……属性を示す言葉よ」


「くふっ、始めに言っておきましょう。朕は血濡だけでなく灰斗、凶事、右京の師でもあります。ですので決して舐めてかからないようしてください」


「なるほど全属性が使えるということッスね。みんな、注意するッス!」


 戦闘態勢を取り武器を構えるレグルス達。

 フォーマルハウトはその場に座りエンチャントを皆の武器にかける。


「付与術式、硬化、重撃!」


 皆の武器が淡く輝きを発した直後、瀬取に急接近する。


「一気に終わらせますわ!」


「ん、最初で最後にする」


「にゃぁぁぁ!」


「第4領域光陰陽術、閃光!」


 一斉に清治に向かって攻撃をするレグルス達。

 だが、誰一人として瀬取に当てることはできない。


「早い!」


「まるで流水のような動きで先が読めにゃいにゃ」


「ん、あたしの未来視で見ているはずなのに……」


「くふっ、先読みなど対処法はいくらでもあります。そして、罠を張ろうとも無駄ですよレグルス」


 スルッ


 レグルスが張った鋼糸鉄線のトラップを難なく抜ける瀬取。


「どうして!? 妾の糸をすり抜けるだなんて!?」


 ドゴッ


「が……はっ!」


 コペルニクスの腹部に金剛石で纏った瀬取の拳が直撃した。


「コペルニクス!」


「ん、なんとか……ごほっごほっ」


「くふふ、リギルよそ見はいけませんね」


「えっ?」


 ドプン


 大造寺の技、水牢により水塊の中に入れられるリギル。

 

「リギル!」


 ドゴッ……バキン!


 氷陰陽術で水牢を凍らせコペルニクスの鉄パイプで破壊することで脱出することができた。


「ん、大丈夫?」


「ごほっ……ごほっ……ええ、でもまさか大造寺の技も使えるなんてね」


「朕は先程言いましたよ。灰斗の師でもあると」


「にゃあああ!」


 瀬取の死角からカノープスの引っ掻き攻撃。

 両手の爪にはフォーマルハウト特製の付け爪により少ない力で相手を切り裂くことができる。


「くふっ、なかなかいいですよカノープス。ですが、相手が死角であっても見えていないとは限りません」


 ドゴッ


「にゃっ!?」


 カノープスの頭上から巨大な氷塊が現れ彼女の頭部に直撃する。


「カノープス!」


「にゃぁぁぁふぅぅぅ、頭がくらくらするにゃ」


「単なる脳震盪ですよ」


(まずいッス! 瀬取は4人がかりでも勝てそうにないッス。撤退? ここに比奈乃様は居ないようだし……でも、何処へ行けば? 自分達はこの地についてあまりにも無知ッス)


 フォーマルハウトは考えるが中々決断することができない。

 その間にもレグルス達の体力が減らされていく。

 

「くっ、仕方がないッス。みんな、ここから撤退……」


「むふぅ、逃げるのですか?」


 フォーマルハウトの背後に新たな敵の気配。


「!!! なんてことッス!」

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