VIPルームにて
豪華客船のVIP区画。
ここに悪魔教幹部達の私室がある。
ドンドンドン!
「ブラック開けるざます! 早く! 早く! ああ、またあの声がっ! このっ!」
バンッ!
「な、なんや!? げっ、パープル! 何、勝手に入ってきとんねん!」
扉を無理にこじ開けずんの部屋に押し入る金鶴。
ずんこと悪魔教四天王であるブラックはシャワーから上がったばかりで全裸だった。
悪魔教内でもミストレスに次ぐ美しさを持つと噂されるずんの裸体。
彼は胸の奥から襲い来る性欲のタガが外れてしまった。
「ブラックぅぅぅぅ! あてくしの竿でぶひぶひ鳴くざますぅぅぅ!」
性欲の権化と化した金鶴は力のままにずんに襲いかかる。
咄嗟に身体に巻いたバスタオルを剥ぎ取ろうとするその瞬間。
「ずん? どうしたのですか?」
へなへなへな……
シャワー室から聞こえる美しい声で彼の巨大な竿が突如として元気を失う。
おかげで我を取り戻す金鶴は咄嗟にずんから距離を取り頭を下げる。
「すまないざます、ブラック。あてくしはそんなつもりなど毛頭なく……」
「ずん?」
シャワー室から出てきたもう一人の女性。
舞香ことミストレス本人の姿に悪しき性欲が浄化されていく。
「ミストレス聞いてや! パープルが部屋に押し入ってうちに襲いかかってん!」
「ち、ちがっ……あてくしはミストレスの居所を訪ねたくて」
「私ならここに居ます。何か御用ですか?」
ドクン!
『最高の雌豚が2匹も! 早く早く早く! ぶひぶひ鳴かそうや俺ぇぇぇ!』
性欲は沈んでもカペラの声が何度も何度も性欲を湧きあげようと話しかけてくる。
金鶴は助けを乞うが如く舞香に今までの経緯を話す。
「なんやそれ? うちに襲いかかった言い訳ちゃうんか?」
「それは肉体の意思ですね。おそらく前の肉体の持ち主が魂の性と肉体の性に大きな溝があったのでしょう。本来なら魂と肉体は同じで肉体は魂に従うもの。ですが、溝があると肉体の意思が大きく魂に作用してしまうことがあるのです。その多くは本能に赴くがまま……災難でしたね、パープル」
「あ、ああ……ミストレス様……」
優しい微笑みに心が洗われる金鶴。
根本の原因の解決にどうすればよいのか尋ねる彼に舞香の返答は冷たかった。
「肉体の意思に従いなさい。今は貴方がその肉体の持ち主なのです。肉体の意思が満足するまで肉体が望むがまま腰を振り続けるのです」
「ま、満足するまで……そ、そんな……無理です! あてくしは……あてくしは女など抱きたくはないのに! 女より金銭ざます! 金銭にぶっかけたいざます!」
「あはっ、中身はやっぱりパープルのままやん。ほんま、その趣味きしょいわ」
「魂と肉体に溝がある内は一生治りませんよ、パープル」
「そ、そんな……」
金鶴は愕然とした。
頭の中に響くカペラの声と一生、関わっていくことに治療など存在しない。
金鶴は舞香の言葉に救いがないと徐々に考えるようになってきていた。
『早く早く! 眼の前の最高の雌豚2匹をよぉブヒブヒ鳴かそうぜ!』
(あてくしは……救われない? この鬱陶しい声に従い腰を振り続ける?)
金鶴の思考はカペラの声によって変化していく。
舞香の救いのない言葉に憎しみの意思さえ持ち始める。
『俺ぇぇぇ、最大級におっ立てろやぁぁぁ!』
全身の血液が竿に集中する。
同時に舞香へと襲いかかる金鶴。
「極上の雌豚ぁぁぁぁ!」
「こ、こいつ! 謀反起こしよった!? 舞香様!」
「い、いやぁぁぁ! 磨呂が襲われている!? そんな……最高のシチュエーションですぅぅぅ!」
「あっ……舞香様?」
舞香の目がハートになっていることに気付くずん。
そう、舞香は極度のドMである。
悪魔教教祖である彼女に誰も手を出せるはずもない中、初めての強姦。
自身の私室で淫らな姿を晒す舞香に溜め息しか出ないずんであった。
「パープル、お持ち帰りしてええから自分の部屋でせんかいな!」