カペラ⑮
「カ・ペ・ラ・さ・ま♡」
!!!
息が……息が……!
リゲルの生暖かい息が耳に当たって……聖剣が今にも暴発しそうです。
いけません!
ここで暴発してしまうとリゲルとベガが巻き添えを食らってしまいます。
「カペラ、いっくよぉぉぉ!」
ベガ、拙に近付いては駄目です!
あ、ああ……暴発……する!
………………。
カァカァカァ
……う……あれ?
拙はまた意識を失っていたようです。
既に日が暮れかけて森の中が薄暗くなってきています。
そうだ、拙の聖剣……!
また小さくなっていました。
どうやら暴発は免れたようです。
「むにゃむにゃ……」
「すぴぃ」
!!!
拙の両腕を掴んで眠るリゲルとベガ。
例に漏れず何故か全裸です。
そして、拙も全裸……まるで森で眠る3匹の子豚のよう。
「ふふっ……そういうことでありんすか」
拙は理解しました。
リゲルが朝の特訓に付いて来たのは3匹目の子豚としてベガを採用するため……。
これで役者は揃ったというわけなのでしょう。
となると、後は狼役が誰なのかが心配です。
シリウスで無いことを祈るばかりですがプロキオンが相手でも怖そうです。
「くしゅん!」
こんなところに全裸でいたら風邪を引いてしまいます。
そもそも、なぜ全裸になっていたのか?
しかも、日が暮れるまで3人とも意識を失っていた……。
何だか嫌な予感がします。
昨日から拙は意識を失い目を覚ますと決まって全裸……。
そして、傍に居るリゲルも全裸……。
リゲルの胸はまだまだ金床のようで核融合炉が成長しきっていないことは確実。
つまり、聖欲にかられ拙を襲うなど無いことは分かっています。
そして、今回はベガも全裸。
彼女は幼女体型です。
胸はリゲルより平らで……おっと、コンプライアンス的にベガの裸体をマジマジと見つめるのはあまり良くありません。
「2人共起きるでありんす」
「ん……カペラ様」
「カペラしゃまぁ」
寝ぼけているのでしょうか?
拙は意識を失っている間のことを訪ねました。
2人共、頬を赤くしこう言いました。
「凄く……良かったよ、カペラ様♡」
「わちも……良かった、カペラしゃま♡」
???
何が良いのでしょうか?
ああ、そうでした。
拙達は3匹の子豚ごっこをしている。
つまり、3人共凄く仲が良いということでしょう。
拙としたことがうっかりしていました。
日が暮れるにつれ森の中の暗闇も深くなっていきます。
この大木から牧場まで徒歩で40分ほど……走れば日が落ちる前に帰れそうです。
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