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過保護に育てられた姫は、僕に攫ってほしいと言う。

作者: 七瀬
掲載日:2021/09/01








僕は貧しい村で育ち、貧しい生活を強いられている。

僕のおじいちゃんおばあちゃんの時から、ずっと貧しい。

この村には、これといって収入減になるモノがない。

ずっと貧しい生活から抜けさせずにいた。

だから、僕のお父さんやお母さんは僕に学校に行かせて

勉強をさせ将来の事を考えてくれていた。

でも? 学校に行く為には、学費が高くそのお金を稼ぐ為に

必死で両親が働いて払ってくれていた。



『・・・お父さん、今日も晩ごはん食べないの?』

『いいんだ、お父さんはお腹が空いてないから! お前が食べなさい』

『お母さんも、食べないの?』

『いいのよ、貴方がお腹いっぱい食べたらいいわ』

『・・・・・・』




僕の為に、食べる物まで全部我慢して働いてくれる両親に僕は毎日

寝る前に泣かずにはいられなかった。

両親に分からないように、布団の中で僕は何度も泣いた。

だから、きっと僕が大人になったらお父さんやお母さんに楽させて

あげるんだと僕は僕自身に誓ったんだ。

僕の将来の夢は、【医者】だ!

医者になって、たくさんの人達の病気も治して両親にも好きなだけ

食べたい物をたくさん食べさせてあげるんだと思い勉強に励んだ。






 *





・・・ここから数年後。

僕は無事に大学を卒業したが、両親は朝から晩まで毎日働き続けて

僕が大学を卒業する10日前に“過労死”で二人は亡くなってしまう。

僕は悲しみに暮れ、大学に卒業して医者への夢も叶いつつあった

にもかかわらず、家に籠ってしまう。

大切な僕の両親に、何もしてあげられなかった事に後悔の気持ちで

いっぱいになったからだ。

僕は夢だった医師にはならず、街を毎日フラフラする生活が続く。

そんな時、一人の女の子と僕は出会った。



『貴方はここで何してるの?』

『別に何もしてないよ』

『じゃあーお願いがあるんだけど? その願いを叶えてくれる?』

『・・・“お願い?”』

『貴方に私を攫ってほしいの!』

『えぇ!?』

『私はあそこのお城の姫よ、お父様は私にとっても過保護でね

私を自由にさせてくれないの。』

『・・・どうして、僕が?』

『貴方の目が寂しそうだったから』

『・・・えぇ!?』

『私が貴方の傍に居たくなったのよ』

『そんなの、あの城の姫が僕みたいな貧乏の家に来ても好きなだけ

食べたい物を食べられないよ』

『別にいいわ』

『召使いも居ないし、執事もいないよ』

『それでもいいわ』

『雨が降ったら、雨漏りもするよ』

『楽しいじゃない!』

『ボロボロの服を着ないといけないし!』

『着てみたーい!』

『・・・どうして?』

『私も皆のように同じ生活がしたいだけよ』

『君は変わり者なんだな!』

『そうね!』







僕も彼女と話していると? なんだか元気になってきた。

彼女は常に前向きで、どんなこんな困難も乗り越えていくと言う。

僕に彼女を攫えるものなのか?

直ぐに、王様が彼女を探しに来て、僕は捕まるだろう!

でも、僕には怖いモノなんか一つもない。

僕には大切なモノが、もうないから...。

別に捕まって、僕がどうなってもいいと思った。

僕は彼女を攫う事に承諾した。

この日から、僕はお城の姫と一緒に暮らす事にした。

彼女はキレイな服を脱ぎ捨てボロボロの服を纏った。

料理も毎日、お城で豪華な料理を食べていたのが毎日パンとミルク

だけの生活に変わる。

その代り彼女は、【自由】を手に入れた。

彼女は毎日、笑顔で僕と楽しく過ごしてくれた。







・・・でもある日。

お城の人間が、僕の家を訪ねてくる。

その時、ドアを開けて出たのは、お城の姫である彼女だった。



『姫! こんなところで何をされてるのですか?』

『私はここに居るわ!』

『ダメです! 貴女様はお城の姫なのですよ、こんなところで

こんな格好で居るお方じゃないのです!』

『・・・でも、』

『姫を攫った男を捕まえます!』

『やめて! 彼は何も悪くないの!』

『何故? 姫がそんな男を守るのですか?』

『彼は私にとって大切な人なのよ!』

『取り合えず、お城に帰りますよ姫、男の事は後で考えます』

『・・・わ、分かったわ』






・・・僕が家に帰ると? 彼女は居なかった。

その代り、テーブルに置手紙が置いてあった。


【姫はお城に連れ帰る、お前は城に一人で来い!】




どうやら? 彼女はお城に連れて行かれたのだと置手紙の内容で

直ぐに分かった。

僕は、一人でお城に彼女を取り返しに向かった。



『王様! 姫を攫った男が一人で来ました。』

『よかろう、中に入れろ!』

『はい!』




僕は城に入り、王様と彼女がいる場所まで案内される。



『お前か! ウチの娘をたぶらかす者は?』

『お父様、そんな言い方やめてください!』

『いいんだ姫、王様! 今日は彼女を僕の家に連れ戻しに来ました。』

『な、何を言うんだ! ウチの姫をどうする気だ!?』

『うちの家に来てくれた大切な姫です。彼女は既に僕の家族なのです。』

『そうよ、“私は既に彼の家族だわ”』

『・・・ひ、姫よ、』

『どうか王様、お分かりになってください』

『黙れ!』

『お父様、私からもお願いです! 彼を受け入れてください』

『姫、』






 *





僕はその後、お城の中にある牢屋に入れられる。

もう、僕は死ぬのか?

お父さんお母さんの所に僕も直ぐに行くよ。








・・・そう思っていたが、姫が僕を連れて僕と一緒にボロボロの

家に帰ってくれた。

そう、彼女は僕を牢屋から出して一緒に逃げたのだ。

また、僕と彼女は二人だけの生活をはじめる。

王様はこっそりと遠くから僕たちの事を見ていた。

笑顔の娘を見て僕と二人での生活を許したのだ。



『あんなに娘が笑顔でいれるなら、ワタシは娘を自由にするしかない』

『そうね』






僕は両親以外で、はじめて“大切な人を見つけた”

まさか!? この国のお城の姫とは...。









最後までお読みいただきありがとうございます。

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