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「うっ…ここは、何処だ?」


強い光に包まれ思わず目を瞑ってしまったが、目を開けた先には…

木、木、木…


「森なのか…?」


耳をすませてみれば、穏やかな風に吹かれ、木々が揺れる音、鳥の鳴き声や虫の声が聞こえてくる。


「…綺麗な所だな」


俺の実家の様に、ドが付くほどの田舎に家が無ければ、こんな風に木々に囲まれる機会は余り無いんじゃないだろうか?

転生して早々に実家が恋しくなったな…。


「…まぁ、メニューでも使ってみるか。どれどれ?」


[メニュー]

・ステータス

・インベントリ

・マップ

・パーティー


なるほど?シンプルだな

パーティー…は今は使えないのか。

マップは…自分が通った所が航空写真の様に表示されている。…なんて言うか、マイ○ラみたいだ。

インベントリは…え?ゲーム内のアイテム持ち越しか?嬉しすぎるぞ!何か集めたはいいけど、使うのが勿体無くて溜め込んでるポーションだとか素材だとか結構あるし、俺の装備作るのに、わざわざギルドのメンバーも手伝ってくれたしな…

ステータスは…


[ユーリィ ] lv1048


[称号]・WORLDNo.7・限界知らず・魔王・etc…


[ステータス] ・陦ィ遉コ蜃コ譚・縺セ縺帙s


[スキル] ・メニュー・陦ィ遉コ蜃コ譚・縺セ縺帙s


これは…あれか?ゲームとは違うからステータスとかがうまく見れないって事か?レベルは結構高いから、弱いって事は無いだろうけど、この世界の基準が分からんからな…称号はただのやり込み要素だったし…


「まぁアイテム持ち越しだから、餓死するなんて事は無いかな。よく狩ってたドラゴンの肉とか、薬草とかなら食えるだろ」


食える…よな?


「少し食ってぐか?」


串代わりの投げナイフと、胸焼けしない程度の肉をインベントリから取り出し、ナイフの先に突き刺す。


「何の魔法がいいだろ?一番弱い着火か?」


前世には魔力だの魔法だの全くなかったが、この身体になってから、何となく魔力や魔法の使い方が分かるのだ。


「着火」「ゴォォォォォ」


…もうちょっと弱くならないかな。家にあるガスバーナーの何十倍の火力だよ、これ。着火って名前合ってないだろ。指から熱線出てるよ。


「もうちょい弱く…もうちょい弱く…」


ガスバーナー程の火力になったところで、肉を焼き始める。

匂い的には美味しそうではある。


「さて、焼きながら街っぽいもの探すかな。方角とか分かんないけど…日が暮れ始めてるし…」


ちなみ俺は、肉類はしっかり火を通したい人なので、表面だけでは無く中までじっくり焼いていく。胡椒とか持ってたっけ?

代わり映えしない森の中、肉を焼きながら歩いていく。


「そろそろいいかな」


食欲をそそられ少し齧ってみる。


「これは…普通に美味いな」


例えるなら、ステーキ屋さんとかの少しお高いお肉、と言った所だろうか?

在庫がアホ程あるんだが…


「いや、美味いなーコレ」


一人、肉を齧っているとき、ふと背後から視線を感じたため、振り返って見る。


「………」


「グルゥゥゥゥ」


ユーリィ は真っ黒なクマに遭遇した!

何馬鹿な事考えてんだ。ここは森、多分だか人が余り入って来ない、そして何より肉を焼いていた。匂いに釣られて動物だかモンスターだかが寄ってくるだろ?気付けよ!


「ユーリィ」は数多の化け物を屠ってきた化け物だが、「柴咲 悠」は生き物なんてほぼ殺した事が無い、ただの一般人だ。ゲームとリアルでは訳が違う。


無意識に手足が震え始め、脳内はパニック気味だ。


「グラァァァァッ!!」


体長5〜6mだろうか?異常に牙や爪が長く、15m程あった距離を一瞬で詰めてくる。流石異世界の熊と言った所だろう。


既に目の前で爪を振りかざした熊に対し


「うらァァ!!」


魔法名も何もない、大量の魔力の塊を咄嗟に撃ち出し、数百mもの距離をバキボキと言う木々の折れる音と共に、地面を抉りながら熊を吹っ飛ばしていく。


「はぁ、はぁ、はぁ…怖かった…」


脅威が目の前から消えた事により、一旦冷静になる。


「咄嗟とはいえ、力みすぎたかな…」


(もう少し力を抑えることを早めに覚えたほうが良さげだな…

何より…ごめんなさい、異世界の熊…)


目の前の、もはや大惨事状態の森を見て、そう呟いた。

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