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俺のヒャッハーでヒャッホーな生活  作者: ささみいんく
3/3

俺生まれたのだけど、何かがおかしいらしい

それはもう地獄と形容するほかなかった。

未来の考古学者もよく人類が生き残れたなと思う、と口をそろえて言うくらいにはすさまじいものであった。

天災に、人災、魔物の侵攻など、おおよそ人間が手に負えるような状況ではない。

それでも、何とか耐えられているのは、優秀なスキルを持った人たちが必死に活動しているためである。

自分をはるかに越える大きさを持った岩が落ちてきても傷一つ負わないもの、

あまたの魔法を打てる者、

切れぬものなど何もない精錬された剣士、

一瞬でどんな傷も治す回復術師、

これらのどれもこれもが人間という生き物を超越していた。

だが、昔から天災も、人災も、魔物の侵攻もあったものである。

決して、被害がなかったわけではなかったが、地獄と言われるほどではない。

それがここ数十年激化しているのは、魔物の王が変わったからであるらしい。

ある者は、強大な魔力を持つといい、ある者は、何者にも傷つけられぬ皮膚を持つという。

またある者は、目が合うだけで敵を殺せるという。

人間に魔王を見たことがあるものが少ないというか、ほとんどいないため、情報が錯綜するのは仕方のないことであるが、共通して言うことには、もうそれは人の域を超えているのだそうだ。



大戦歴105年、世界を大きく変えることとなる者が生まれた。

生まれた場所は、魔淵国中心都市デビュートであり、これは何の縁なのか前世で生まれた都市の名前と同じであった。


「おっぎゃああああ」


生まれたての赤ちゃんを柔和な笑みを浮かべた母親が抱き上げる。

その声を聴いたのであろうか、父親も部屋に突撃してきた。


「おお!生まれたのか!やったぞサリア!」


男の子ならヘクサ、女の子ならシェリルと決まっていたため、生まれた男の子の名前はヘクサということになった。

ヘクサの父親の名前はゲイル、母親の名前はサリアという。

父親であるゲイルは、国に仕える魔物の管理者であった。

「ごめんサリア。仕事に戻るわ。」


そう言って、家を飛び出していった。

決して、薄情な人なわけではないのだが、最近仕事が忙しいようである。

だが、ゲイル一家は国の中では比較的裕福な方であったため、使用人を雇っていた。


「ダメなパパでちゅねー」


サリアはヘクサにそう言うと、一人だけ雇っている使用人さんに後を任せた。

任せられた使用人さんは赤ちゃんを抱き上げた。


「ん?この手の甲の紋はなんなのでしょうか?…はっ!サリア様!!」


出産の疲れか、自室に戻ろうとしていたサリアを呼び戻す。


「ここ、この手の甲を見ていただけませんか?」


「これはまさか…まずいことになるかもしれませんね」


ヘクサは三角形が二つ重なってできた星型の紋を両手の甲にそれぞれ持っていた。


「これって、スキル紋ですよね。」


「はい。そうかと思われます。」


魔淵国など、魔物のテリトリーに住む高い知性を持っている二足歩行の生物を人間は魔族という。

魔族はさらに10種類の族に分かれており、人間のようなスキルこそないものの、種族ごとに得意なことが異なっていて、それが人間でいうところのスキルのようなものとなっていて、魔族は固有のスキルを持たない。

ヘクサもヘクサの両親も使用人さんもゴン族という魔力量に秀でており、手先が器用な族であった。

もちろんヘクサがおかしかったのは手の甲のスキル紋、本来人間しか持たない物であるものを持っていたためである。


「夜、家族会議を開くからその準備をしておいて」


これは厄介なことになったな、そう独り言をつぶやいたのはサリアであった。


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