俺が死んだ日
2日から3日に一度更新します
皇歴3016年10月1日
俺、シェル・アルフィエンスは死ぬことだろう
なんでこんなあいまいな表現かというと、まだ死んではいないからである。
いや、もう死んでいるのかもしれない。
どう見てもおなかにカッポリと穴が開いているのだがまだぎりぎり記憶はある。
そういえば何で自分が俯瞰視点で見えているのだろうか。
(ああ、死んだんだな)
俺は、デビュート皇国生産ギルドのギルドマスターとして、ここ30年ほど頑張ってきた。
だが俺の後継者争いに俺自体が巻き込まれ、ついには死んだというわけだ。
どっちが殺したのか、視界外からの攻撃であったため誰がやったかは分からないが、おそらく、皇国親交派のやつが殺したのだろう。
俺は、ギルドは世界ギルド規定通り、何者にも拘束されず、何者にも指図されない自由な機関である、ということを忠実に守ってきた。
だが、そのスタンスが皇国側は気に食わなかったようで、俺の意見に近いもう一人のサブマスターと親交派のサブマスターが争っていたわけだ。
まあ、死んでもかまわないと思っていたし、いつか殺されるだろうとは思っていた。
でもやはり俺も人間。
これからどうかるのか考えると怖いし、一生ゾンビとして墓を徘徊するなんて嫌だなと思ってしまう。
生前は成るように成る!って言ってたんだけどな。
いやあ、俺にも人の血が流れててよかったぜ。
そう思いつつふと空を見上げた時、そこで俺の意識は途絶えた。
目が覚めた時、俺は、またもや俺であった。
いや、どういうことかわからないかとは思うが、俺の意識が俺の体に入っていたのである。
だが、周りの景色は異質であった。
一つの汚れも許さない純白、寸分の狂いのない正方形、その真ん中に置かれた椅子二つ。
なんとなく分かる。
死後の世界だ。
ああ、やっぱりな。あっけなかったな、と思いつつ、ゾンビになって徘徊してなくてよかったなと肩をなでおろす。
『結構悠長な方なのですね』
そういいつつ話しかけてきたのはザ・神という感じの生物であった。
その美貌は天下一、スタイルも抜群、おまけに性格もよさそうである。
いや、それはわからないか。だが、そう思わせるほど、ということである。
「まあ、もう死んだみたいですからね。諦めですよ、諦め」
『それは…ご愁傷さまでした』
「死んでからも直接ご愁傷様って言われるとは思っていなかったよ。
あんたみたいなきれいどころに言われると死に冥利に尽きるってもんだね」
そういって、神様の方を見てみると、くすりと笑ってくれていた。
ああ、きれいだ。
それしか出てこなかった。
それ以上出てこようものならそれは失礼というものである。
『おーい大丈夫ですかー?生きてますかー?あっもう死んでいるのでしたね。とりあえず座りませんか?』
おいおいその見た目でボケまでできるのかよ。
神様よ、いったいあなたは何物与えられてんだよ。
「っ失礼しました。俺としたことが…」
『まあ特に時間制限もないんでね。別にゆっくりしてもらっても大丈夫ですが。そろそろ本題のほう大丈夫ですか?』
そういわれると、俺は真面目な顔に戻した。
その速さは、職業病なのかすぐであった。
いったい何言われるんだろな。
出来れば良いことがいいな。
そうぼーっと思っていた。




