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現世→異世界

修飾語を追加していきます

「お疲れ様でした」


32歳サラリーマン。

The未婚。地方にて盤石な職にほだされ

色々あって平凡な人生を選択するしかなかった超凡人。

家族はって、そんな話しはさておいて


今日もハッピーフライデーということで少し残業して帰るという

何1つ変化もないマンネリした人生を送り

同課後輩の美女かほちゃんに挨拶して退庁

いやー美人だなとは思いつつ、先輩ですからと


「あんまり残業しすぎないように、よい終末を!」

「先輩も遊びすぎないようにー、お疲れ様でした」


このやろうと思いながら、健康のためとエレベーターはやめて階段で。

万歩計は3311歩。毎日の目標1万歩には程遠い。

玄関口は閉まっているので蛍光灯がチカチカ光り、虫が群がるのを上目に

裏口からいつものように電車までの帰路につく。


ネオンが光る肌寒い日。

息が白くなるそんな秋口の少し人恋しくなる季節だなと思って空を見る。

雲はなく、暗くなった夜空とこの肌寒さは少し切なくもなる。

目をもどして、紅葉する並木道に足を進める。

ベンチには楽しそうなカップルが1組。中年のおっさんも一人で1カップ焼酎を飲んでいる。

落ちた枯葉を踏む音が心地よい。


「ああ、のどか」


さて、いつものようにコンビニで1本と、、、

会社の近くのコンビニによろうとする

まあ田舎だしたまには缶ビール片手にと足を進めていると


タタタタッ

と音が聞こえた。


「先輩」と後ろから声が


かほちゃんか


「今日定時の日でしたね

私も仕事切りあげて帰ることにしました

一緒に帰りましょう」


くぅぅぅ妄想はやめておこう


コンビニで少しだけ買い物して

ひとりでお酒ですか。私も飲みたいなとか言われました

路上での飲酒はよくないよ。どの口がいうてんねん。

とは思いつつも・・・


「いくか」


駅までは15分程度、居酒屋街を通り

日々の仕事の話を聞いたりたわいのない話をしながら歩いていると

ビルの間にいつもは見かけない占いの場所があった。


あれ、こんなところにと

いかにもベタだが


【あなたの人生占います】10分1000円


いつもなら素通りなのだが、帰ってもマンションに1人なのでと

先ほどの缶に無意識に手をかけ

少し遠目で占いの看板をみていると


「あんた、夢をみとるね」


おい、このワードはと後ろを振り替えると

何とも胡散臭い老婆が立っていました。


「すいません

何かおっしゃましたか?」


「人生をもっと愉しみたいと

そんな顔をしとるね

サービスで20分1000円でいいよ。

占うかい?」


「私こういうの好きです」(かほちゃん)


まあ、家に帰っても

マッチングアプリで気になるあおいちゃんと

リアちゃんと連絡取るだけだしまあいいかと


「2人お願いします」


背もたれなしの丸椅子に2人で並んで座る。

正面には大きな水晶玉がひとつ。

路上にある占いの場所の風貌でなにひとつない。


「あなた、老人に対しての憎悪の相が出ていますね?

顔に出ています。」


こんなことを言うのもアレだが

全くその通りです。はい。

老⚪︎はこの世から排除します。


「いえ、全くありません」


「先輩、たまに老〇がーとか言ってますよ」

この野郎、羞恥プレイかよ。


「そんな冗談はさておいて、手相からみてあゲるから、両手をだして

ソウカイ、あんた面白い相をしているね

今後の人生だけ、可もなく不可もなくってカンジでお堅い職業してるね

未婚、32歳フツメン、職場に気になる後輩がいルが立場上何もできナイのがサイキンノナヤミと、小さい頃に左腕ニ大怪我をした経験あり。明日はマッチングアプリの人と3度目のデートカ

じょーちゃんノ方は。。。。哇塞、真棒呀你」


そんなことわかるんですか。

ザ平凡フツメン、一応ATフィール〇全開だったのですが、、、


「後輩ってだれですか」

聞くなよ、そんなこと。

なおかつマッチングはスルーでよかったわ。


「お前ではない!」

ときっぱり言うことでとりあえず終了

残念と聞こえた気がしたが

自分の心の声だろう

残念とかいうなこのやろう

話題を変えなくてはと


「金運や健康運はどうですか?」


いかにも胡散臭い水晶玉に手をやりながら、答えた。

一瞬黒くなったように感じたが気のせいか


「金運は一般程度ネ。正確な金額で言うと

生涯労働所得は2億5828万円ダわ

ただ、仮想通貨運がいいワ

退職金は2025万円で年金と個人年金の併用で独身生活を謳歌するワ

健康運はすこぶる良い

100歳まデは病気もなく大丈夫だね。たダ。。。不好意思」


えっ何、もはや興味津々なんですけど、なんかしれっと一生独身みたいなこと言ってなかったか

というか時折中国語混じってませんか

仮想通貨運ってなんだよ。

たダ。。。なんですか。


「それも今日で終わりネ」


「、、、?」


「そうならない為に、こちらの粉末漢方を飲んで寝てみて

今回は無料でいいよ

じょーちゃんにも、運勢爆上がり漢方をお渡しします」


占い師はローブの中から紙包みを取り出し、私たちに手渡した。


「はっ、はぁ」

凄いことを言われたが、あれでしょ、不安をあおって信じ込ませる詐欺師の常套手段。

分かってます。分かってます。


かほちゃんは私の反応からかなり当たっていることを察し

そこからはかほちゃんのずっと俺のターン状態だった


内容としては彼氏はいないことだけ分かったのでまあ良いんじゃないかな、うん。

我也有机会、慢点儿(私にもチャンスはある、ゆっくりね)

占い師の中国語が写ってしまったようだ。

久しぶりに中国語を思い出してしまったわ。

そういえば、就職してこのかた、外国語を使う機会も

なかったな、、、また一からやりなおそうかなと

ぼんやり考えていると


【チチチチッ】


タイマーの音がなる。いつセットしてたんだ、あんた。

楽しい時間を過ごせたねと

「ここは、私が」


彼女の財布を出すそぶりを見せた瞬間、2000円支払った。


占いが終わって、帰路の途中はさっきの占い師の話で盛り上がった。


「先輩、私結構あたってましたよ。最後のほう、私の占い聞いてなかったでしょ」


「聞いてたよ

彼氏募集中なこと」


「それ、冒頭の会話やわっ」

と突っ込まれつつ、駅のホームについた。


「では、私こちらなんで

よい週末を、先輩

Have a nice one!」

笑顔で手を振り颯爽とわかれた。

電車にゴトゴト揺られて、今日のことを反芻しながら、自宅に到着。


「週末遊びすぎないようにー」

と言われたが、明日は遊びますよと思うのであったことはふせておこう。

まあ良い暇つぶしであったと思うのであったわけだ


ドアを開けると、犬のウータンがお出迎え


万歩計を確認すると6666歩。

サタンかよ。

相変わらず日々の目標達成には程遠いなと感じながら


今思えばあの占い師日本語も若干可笑しく胡散臭かったがと風呂に入って

飲めずじまいの1本を開けた後

その粉薬を飲んで寝ることにした。


いや、にっが


さて、眠るか。


「遂に目覚めましたか

あなたが第13番目です 

おめでとうございます」


あたりは真っ白、1人のフードをかぶった人が目の前に立っていた。

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