表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
旅する少女と祠の呪い  作者: kokohuku
18/62

幕間

――いらっしゃい。


おや、あんたか。


どうしたね、もう読み終わったのか。


違う……?


ほう、何となく足が向いた、か。


店を構えた人間としてありがたい言葉だが、さては、趣味に合わなかったか。


……ふん、そんなに慌てることはないだろう。

小説というものはどんなものでも娯楽のためにある。

楽しめないなら違うものに手を出すなんて当り前だろう。


って、おいおい。冗談だ。鞄から本を取り出して見せつけなくていい。

しおりが挟まっているのもちゃんと見えている。


まあ、気まぐれにでも店に来たんだ、ゆっくりしていくと良い。


もし飲むなら珈琲を入れてやろう。必要なら椅子も用意する。


なに、めったに客もこない小さな店だ。コーヒーを飲みながら呆けるには最適だよ。

毎日を呆けて過ごしている店の人間が言うのだから、間違いなんてあるはずがない。


どうするね、少し休んでいくかい?


そうかい。


なら、まずは椅子を用意しよう。それから珈琲だ。


ほら、あの窓の前。小さなスペースが開いているだろう?

あそこで待ってな。陽の出た今日みたいな日は、ちょうどよく手元を照らしてくれる最高の場所だ。


しかし――あんたも珍しいな。こんな小さくて特段綺麗でもない店に顔を出すなんて。


それともあんた……いや、思い過ごしか。


じゃあ、少しばかり待ってな。すぐに用意する。


ああ、味なんて期待しないでくれよ。


俺は、バリスタじゃあないんでね。


次回 第二章 一話 「 小さくなあれ☆アウアウヒー! 」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ