俺がライトノベル主人公になりたいと思ったわけ
突然だが、『ラノベ主人公』という存在を知っているだろうか。
【『俺』の理想をそのまま再現してる者】
それを俺はラノベ主人公と勝手に呼んでいる。
ラノベ主人公というのはライトノベルの主人公という言葉の略称でもあるが俺は2次元を謳歌している奴を指す言葉でもあると思う。ちなみに3次元を謳歌せし者の憎たらしいは“リア充”と言う。
そして『 人生においてありえない出来事』がやまほど起こる。それが、2次元だ。
俺はラノベ主人公という存在に憧れた
ラノベ主人公こそ、俺に相応しい役だと思っていた。
……俺は………………。
…………ラノベ主人公になりたい……!!!!!
そんな叶うはずもない馬鹿げた夢を持った…。
*◇*◆*◇*◆*◇*◆*◇*◆*◇*◆*
「あの…!俺、前から君のことが好きでした!もしよかったらなんだけどさ…………俺と付き合ってください……!!!」
俺は勇気をだして告白をした。
結果はOKだった。とても意外だった。いや、ものすごく意外だった。聞けば、俺の事は前から知っていたらしい。そして少し気になっている相手でもあったらしい。俺は喜びと驚きと感動と疑いで頭の中がニワトリになった。こんな俺を好きになってくれるとは思ってもいなかった。
俺は初めて出来た彼女に胸を踊らせた。初デートでは欲しいものとかを沢山買い、付き合い記念と言って彼女が前から欲しいと言っていたペンをプレゼントした。少し気を遣ってくれてるのかと思い、少し高くても大丈夫だよと言ったが彼女はこれがいいと言っていた。他にも祭りや花火大会にも行き、とても楽しい充実した毎日を送っていた。予定が合わなくて遊べない日はすごく悲しんだ。LINEが来た時なんかはその日の会話を見返しながら一日が過ぎていたこともあった。そんな、どこにでもいる恋人同士だった。そう、いつの間にか俺は3次元を謳歌せし者“リア充”へと変化していった。
しかし、そう長くは続かなかった。俺はそんな楽しい生活を、幸せを、彼女を自分の手で壊した。壊したんだ。
あれは確か彼女と付き合い始めてから1ヶ月がたった頃だった。1人の後輩から告白された。俺にはすでに彼女がいたためその子と付き合うことは出来ない。無論断ろうと考えていた。だが、この子は勇気をだして今日ここで告白をしに来た。“俺がこの子を振れば悲しませてしまうのではないだろうか“俺はひとまず考えると言った。
そして、時間が経って忘れてくれてればそらでいいと。忘れてくれてるだろうと思って、その事に関しては放っといていた。
その時の俺は、それが優しさなのだと勘違いをしていた。その選択は間違っていたんだろう。俺は一体、どうすれば良かったのだろうか。何故俺は、時間に任せるという最低の行為をしたのだろうか……。