表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/51

第一章5 カズトの部屋

2018/09/10に改稿しています

【7】


 ここは紛れもなく、自分の部屋だ。


 カズトは見慣れた光景にそう確信をしたいのだが、この光景に見慣れない二人の少女。


「ここがカズトの部屋なのね」


 アリスは不思議そうにしながら、色々触っている。


「・・ダンじぃ様」


 レイラは先ほど起きた事が信じられないと、落ち込んでいる。レイラの事も心配だが、それよりもアリスだ・・アリス?でいいんだよな?

 カズトはアリスを見てそんな事を考えていた。

 長かった髪はセミロングになっており、身長も少し縮んでるように見える。


「アリス?だよな」


 そう呼ばれたアリスは、触ってた手を止めてカズトを見る。レイラもアリスの姿に驚いている。


「そうだけど・・?あぁこの姿ね。クリフのせいで今は8歳ぐらいかしら」


 クリフがブラッククリスタルを使った為、アリスは力を奪われてしまったと説明する。


「そんな・・」


 アリスの説明を受け、レイラは更に落ち込んだ。


(無理もない・・パーティーがほぼ壊滅してしまい、その仲間の一人がああなったのだから)


 カズトは、落ち込むレイラを励まそうとしたのだが、アリスに話しかけられた。


「それより喉が渇いたわ。カズト!飲み物でも出しなさいよ」


 アリスは気がきかないんだからぁと、言いたげな態度であった。もしかしたら、こいつなりにレイラに気を使っているのかと思い、それならばと、飲み物を取りに立つカズト。


「それなら私が・・」


 カズトが立ち上がったのを見て、レイラが動く。


「いや。レイラは冷蔵庫とか知らないだろ?俺が取りにいくよ」


 カズトにそう言われ、冷蔵庫?と、レイラは首を傾げた。


「なんなら一緒にやるか?」


 気分転換にもなるだろうと、カズトが考え提案すると、レイラの身体がピクッと反応する。


(・・テトと一緒に)


 是非!っと嬉しそうなレイラを連れて、部屋を出ようとするカズトであったが、アリスに呼び止められた。


「あ~私スライムソーダね」


 振り向くカズトに対し、右手を左右に振りながら、アリスが注文してきた。

 そんな物はないとだけ告げ、レイラと部屋を出るカズト。本当はレイラに対し、気など使っていないんじゃないか?と考えるカズトであった。


「これが冷蔵庫・・冷たい・・」


 冷蔵庫を触ったり、嗅いだり、眺めているレイラ。


「マヨネーズってなんですか?」


「ああ。それは調味料っていって・・?読めるのか?」


 文字が読める事に驚いたカズトであったが、ある事に気付く。


(日本で作られたゲームなら当然日本語か・・)


 きょとんとしているレイラに何でもないと告げ、アリスが騒ぐから早く戻ろうと提案し、二人でカズトの部屋に戻る。

 カズトとレイラが部屋に戻ると、アリスが満面の笑顔を見せながら、カズトの元へと近づいて来た。


「カズト!カズト!これ買ってきて頂戴」


 ポスターみたいなのを手渡してきたアリス。そのポスターを見たカズトは、買えないと断るのだが、アリスは納得せず、なんでよ!っと怒り出した。買って・買ってだの、ゴン・ゴンだの、床に寝転がって駄々をこね始めるアリスを見て、カズトは頭を抱える。買えない物は買えない。

 何故ならそのポスターには、伝説のFWが写っていたのであった。


 しばらくして落ち着いてきたのかこれは?とアリスが聞いてきたので、TVのリモコンだと教えるが、二人はきょとんとしている。

 電源ボタンを押してTVをつけてやると、丁度ニュースをやっている所で、二人共TVに興味津々みたいだ。


「お、おぃ。箱の中に人間がいるぞ」


「いぇそれよりこの人・・上半身しかないのでは?」


 アリスとレイラは、TV画面をジロジロ眺めながら、そんな会話をしている。カズトの耳にもそんな会話が聞こえてきた。しばらくこれでおとなしくなるだろうと考えたカズトは、部屋を出ようとしたのだが、TVのニュースを聞いて、カズトは二人を押しのけた。


「深夜に何者かによって、ここ東京タワーが爆破されたようです。当時近くには誰もおらず・・」


(ば・爆破?昨日まで普通にたっていたし、あんな大きな物が壊れて被害状況0だと・・)


 窓を開け、バルコニーに出るカズト。アリスとレイラも何事かとついてきた。


「あっちの方で魔力の痕跡を感じるわ」


 アリスが告げ、指を向ける。

 その方角は東京タワーがあった場所であった。


「魔力の痕跡って言ったよな?」


 部屋の中に戻り、先ほどのアリスの言葉を確認する。


「えぇ。私のや部下のリザードマン・・それにクリフの魔力の痕跡も感じられるわね」


 一体何がどうなっているのか全くわからん・・。


「と、とにかくこれからの事を整理しよう」


 そう言ったカズトに対し、アリスは決まっているじゃない!っと言って、カズトとレイラを交互に見ながら、これからの方針を告げる。


「クリフを捕まえるわよ」


 その言葉にレイラもカズトも、深くうなずくのであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ