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第三章5 魔女の村 下

 カズト達は魔女の森付近で、ナナという少女に出会った。

彼女と一緒にモンスター討伐をしていたカズト達は、ほこらの中で休憩していた。

そんな中、ナナはカズト達に魔女の村を救ってほしいと頭を下げるのだった。


 深々と頭を下げるナナ。

「と、とりあえず顔をあげてくれ」

カズトがそう言うと、「はい」とナナは顔をあげる。

「救ってほしいって言ったが、魔女の村で何かあったのか?」

「はい。現在、私達魔女の村では、困った事になっていまして力を貸していただきたいのです」

「困った事って何だ?」

アリスがナナにたずねると、ナナはうつむいてしまう。

答えづらい内容なのだろうか?

しかし内容が解らないことには、助けようがない。

人にはできる事と、できない事があるのだから。

「それは・・・」

ナナは口ごもってしまう。

「ナナ。俺達はできれば助けになりたいと思っている。しかし内容が解らないことには、助けになれるのか判断ができない」

カズトはナナの目を見て、真剣な表情で語る。

「・・ごめんなさい。忘れてください」

ナナは深々と頭をさげる。

カズトはアリスとレイラを見る。

2人は首を横にふるのであった。


 しばらくほこらで休憩した後、再びモンスター討伐に行こうかと考えていたのだが、ナナが落ち込んでしまっている。

この状態では危険だと考えたカズトは、このへんできりあげる事を提案した。

「マップ」

それぞれのステータスを確認する。

カズトはLv10に、アリスはLv14にあがっていた。

レイラが、アリ騎士まで倒してくれた事もあり一気にLVがあがったようだ。

ナナはLv6に、レイラはLv88にあがっている。

「ナナ。本当に助けになれることなら、助けになる。話してくれないか?」

カズトは再度ナナに確認する。

「・・いぇ。本当にごめんなさい。道案内はしますので、気にしないでください」

ナナは首を横にふり、笑顔で答える。

ナナの笑顔は無理してつくっていると、カズト達は気づいていた。

しかし無理に聞きだす事はできない。

話してくれるまで、待っている事しか今のカズト達にはできなかった。


 ナナに魔女の森を案内してもらうカズト達。

「こっちです。」

ナナを先頭に、カズト、アリス、レイラの順に続く。

これは、戦闘になった場合にそなえてのフォーメーションである。

敵が前方から来た場合はナナをレイラの位置まで下げ、カズトとアリスが迎え撃つ。

後方から来た場合は、レイラをナナの位置まで下げて、アリスとカズトが迎え撃つ。

後方から来た場合、敵の奇襲になるが、誰よりも強いレイラなら問題ない。

魔女の森に入る前にカズトはこの事を3人に説明し、3人共納得してくれた。


 森の中を進んで行くと、ナナから指示がとぶ。

「ぜぜぜぜ、前方から敵です!」

ナナが指をさして合図する。

「あれは・・コウモリバットか!アリス頼む」

カズトが指示をだす。

「言われなくても!」

アリスがコウモリバットに向けて右拳を撃ち抜く。

「ヘルズアタック」

しかしコウモリバットは攻撃をかわし、アリスの頭上へと逃げる。

すかさずカズトが攻撃をくりだす。

「くらえ!」

カズトがコウモリバット目掛けて剣を斜めに切る。

なんとか倒したカズト達は再度ナナの指示で先を進む。

「・・テト!敵です」

レイラから指示を受ける。

「よし、レイラは後退。アリス!」

カズトが再度指示をだす。

「今度こそ・・くらいなさい!」

アリスがコウモリバット目掛けて右拳を振るうのだが、またしてもかわされる。

「火炎切り」

カズトが魔法を発動させ、コウモリバットを倒す。

「よし。先を急ごう・・ん?アリス?」

カズトが指示をだそうとして3人を見ると、アリスがプルプル震えていた。

「・・だぁぁぁぁもう!カズト!横取りしないで!」

アリスがカズトに指をさして抗議する。

「・・横取りって言われても」

カズトは困惑する。

「テトのせいにしないで。アリスが悪いです」

「な、何ですってぇ!」

「2人共やめろ・・全く」

睨みあう2人をとめに入るカズト。

「よし。今度は俺が先に攻撃しにいく。これで文句ないだろう?」

アリスにそう言って、再度魔女の森を走り出す4人。


 幾度かの戦闘の後、先頭のナナに指示をだす。

「ナナ!少し休憩しよう!」

だいぶ走り、戦闘もあったりした為カズトは休憩を提案する。

「・・・・」

しかしナナから返事がない。

(聞こえなかったのか?)

「ナナ!休憩しよう!」

さっきより少し大きめの声で、呼びかけるが止まる気配がない。

むしろさっきより速度があがっている。

カズトはアリスとレイラを見る。

2人もナナの様子がおかしい事に気付いた。

カズトはナナの隣に行き、再度声をかけた。

「ナナ!休・・け・・い?」

カズトはナナの顔を見て、途中で言葉を失った。

(なぜ・・?)

「・・・・・・」

ボソボソっとナナからつぶやかれた言葉は、カズト達には聞こえなかった。

「何言って・・!?」

カズトに向けられる杖。

「ダークフレイ」

「・・ぐ」

「カズト!!」「・・・テト!!」

カズトは吹っ飛び、カズトをアリスが支え、ナナの魔法をレイラが蹴り飛ばす。

ナナがカズトに向けて魔法を放ったのだ。


 カズトは倒れ、アリスがカズトを呼ぶ。

レイラはナナと対峙していた。

「カズト!しっかりしなさい!」

「・・・うぅ」

しかし至近距離で魔法をくらってしまい、カズトのダメージは大きい。

「ナナ!どういうつもりよ!!」

カズトを支えながらアリスがナナを睨みつける。

「・・・・」

ナナは無言でうつむいている。

「ちっ・・レイラ!回復よ・・レイラ!」

ナナは無視して、カズトの治療を先にと考えたアリスだったが、レイラから返事がない。

「・・・レイラ?・・・あんたまさか」

振り返るレイラ。

振り返ったレイラの右の瞳が紫色に変化していた。

「・・テト・・テトを・・テトを傷つけるなぁぁ!!」

レイラの周りを風が吹き荒れる。

ナナが方向を変えて逃げ出した。

追うレイラ。

「馬鹿レイラ!戻りなさい!!」

しかし疾風の如き速さで駆け抜けていくレイラには聞こえなかったのであった。


次回 第三章6 魔女 上


※ここまで読んで頂きありがとうございます。

いかがだったでしょうか?

ようやく物語が進んでいっているという感じですが、もう少し皆様に解かりやすく、面白く書けないかと反省するばかりです。

最後までお付き合い頂けたら幸いです。

では引き続きお楽しみください。







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