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第三章5 魔女の村 中

 カズトが敵に向かって剣を振る。

かわされた所をアリスの蹴りが飛ぶ。

数が多ければナナの魔法が飛び、ケガをしたらレイラが回復する。

実にいいコンビネーションであったのだが戦闘の後、アリスはぷくーっと頬を膨らます。

「まだすねているのか?」

「別に」

最初の提案、アリス中衛に納得していないアリス。

「さっきの事を忘れたのか?」

「あ、あれは・・忘れなさい!!」

アリスが顔を赤くしてカズトから顔をそらす。


 アリスがどうしても前衛がいいというので、仕方なくアリスを前衛にしたフォーメーションを組んだのだったが・・アリスが暴走した。

「敵・・しかもアレ・・は!?スーパースライムじゃない!!!」

スーパースライムを見たアリスは、目を光らせ「もらったぁぁぁぁあ」と叫びながらスーパースライムに突進していく。

「待てアリス!!そいつは物理攻撃が効きにくい相手だ!」

カズトは剣を構えながらアリスを呼びとめる。

ぷよぷよした緑色のモンスター、スーパースライム。

このモンスターは物理攻撃が効きにくいが、物理攻撃で倒した場合のみ、スーパースライムソーダの素材、スーパースライムの涙を落とす。

高く売れる為、カズトはゲーム中に何度も対戦経験がありよく覚えている。

だがカズトの忠告も虚しく、アリスの蹴りが飛ぶ。

「スーパースライムソーダぁぁぁぁ」

ダイナミックな飛び蹴りを繰り出すアリスだったのだが、スーパースライムにあたると同時に右足が飲み込まれてしまう。

その光景にカズトは頭を抱える。

「待てっていただろう」

「だ、だって、えっ・・何?み、右足がヌルヌルする!カ、カズト助けなさい」

助けてもらう時も偉そうなアリス。

カズトがアリスを救出し、ナナが魔法で倒す。

その時、レイラはゴン太と遊んでいた。


 その後はカズトを前衛としたフォーメーションを組んでいた。

「ナナもそんなに落ち込むな・・な?」

「うぅぅすいません・・」

ナナは肩を落として、落ち込んでいる。

(アレは仕方がないよな・・)

ナナが落ち込んでしまったのは、キノコ型のモンスター討伐のせいであった。

カズトはさきほどの戦闘を思い返す。


 カズト達の前に、けたけた笑うキノコモンスターが1体現れた。 

「なんだ・・アレは」

カズトが剣を構え、驚きながら3人にたずねる。

「アレはワライだけね」

アリスが両腕を組んで答える。

「キノコなら火が苦手のはずだわ。ナナ!炎系の呪文をだして」

アリスがナナに指示をだす。

アリスに急に呼ばれたナナは、ビクっとしながらも杖をかまえる。

「ハ、ハイ!ではうちます」

ナナが詠唱を始める。

「ワライだけ・・!?ナナ魔法をうつな」

嫌な予感がしてカズトがナナをとめにはいる。

「赤き漆黒の炎よ 我にその力を指し示せ」

しかしカズトの忠告は間に合わず詠唱が完成する。

「ダークフレイアハハハハ」

ナナが突如笑いだし、杖がアリスに向けられ、ナナの杖からダークフレイアが、アリスに向かって放たれた。

アリスは慌ててかわしたのだが、炎がアリスめがけて追ってくる。

「ちょ、ちょっと何やってんの」

「ごごごごめんなアハハハハ」

アリスが炎から逃げるのを、楽しんでいるナナみたいな構図ができあがってしまった。

ワライだけの性質は、攻撃を仕掛けた相手を笑わせるという性質をもったモンスターのようだ。

「ちっ、やっかいな敵だ。仕方ない、剣が効くかはわからないがいくぞ」

カズトがワライだけに向かって加速する。

「くらえ!はぁぁぁあアハハハハ」

剣を横に振ってワライだけを倒すカズト。

カズトはワライだけを倒すのだが、笑いながら剣をふる光景が、ワライだけを倒すのを楽しんでいるような、そんな構図ができあがってしまい、炎から逃げるアリスと笑うナナ、色んな意味でカオスであった。

「し、しつこい炎ね」

「す、すすすすいまアハハハハ」

その時レイラは、ゴン太と戯れていた。


 カズトはナナを再度はげましたのだが、あまり長引かせるのはよくないと考えた。

(これ以上は話しを蒸し返す事になる。それに・・)

チラっとレイラを見る。

カズトの視線に気づいたレイラが、素早くカズトの前にやってくる。

「・・テトなんでしょう?」

可愛らしい表情を浮かべ、右目だけ紫色に変えて首をかしげるレイラ。

「いや、レイラ。もう少し手加減をだな・・」

カズトは頬から血を流して、レイラに話す。

「あのモンスターはテトを傷つけました」

そう言ってそっぽを向く。

今カズト達は、ほこらを見つけて休憩している。

否、休憩せざるを得ないが正しい。

回復ができない以上、戦闘はできない。

万が一大怪我を、してしまったら大変だからだ。

カズトはさっきの戦闘を、思い返していた。


 ほこらの近くについたカズトの前に、アリ兵隊が1匹現れた。

その姿を見たカズトはアリス、ナナに指示をとばす。

「あれは・・アリ兵隊!アリス、ナナ!いいか!あいつは一撃でしとめるんだ」

剣を構えながら、アリスとナナに指示をだしたのだが、アリスがすでに攻撃を仕掛けていた。

「私に出会った事を後悔しながら死になさい」

アリ兵隊に向かって加速したアリスは、力をためる。

右拳に力をためたアリスは、一気に加速してアリ兵隊へと向かっていく。

「ヘルズアタック」

黒い煙に包まれた右拳を、アリ兵隊の頭に命中させると、アリ兵隊の頭が地面にめり込んだ。

「ア、アリス!とどめをさせ!」

カズトが再度指示をだす。

「と、とどめってアンタは悪魔なの」

悪魔に悪魔呼ばわりされたカズトは、早口で指示をだす。

「理由は後だ!早くし・・」

早くしろと言いたかったのだが、アリ兵隊を見て言葉がでてこなかった。

アリ兵隊はお尻をふりふりさせている。

その姿を見たカズトは、ナナに指示をだす。

「ナナ!一定エリアに魔法を放てる準備だ」

カズトに急に呼ばれたナナはビクっとする。

「す、すすすいません。魔力がたりないです」

ペコペコしながらナナが答える。

カズトが顔を青くしながら、アリ兵隊に目を向ける。

(くっ・・遅かったか)

カズトの視線の先に、見えるアリ兵隊の動きがとまっていた。

「く、くるぞ!!アリ団体だ!!」

ぞろぞろと、アリ兵隊の周りに、アリ団体が5匹やってきた。

アリ兵隊より少し大きめのアリ団体が、カズト達を取り囲む。

「ちっ、いいか!アリ軍隊が来る前に、なんとしてもくいとめるんだ!」

このモンスターは冒険者泣かせで有名なモンスターである。

アリ兵隊がアリ団体に。

アリ団体がアリ軍隊に。

アリ軍隊がアリ騎士に。

アリ騎士以上もあるのだが、まだ出会った事がない。

アリ兵隊は死ぬ間際に仲間を呼ぶモンスターである。


 アリスが敵を蹴散らし、カズトとナナがとどめをさす。

さすがにレイラも戦線復帰し、回復魔法に専念していた。

「ベルズクラッシュ」

「ダークフレイア」

アリスとナナ同時に唱え、カズトがとどめをさそうとしたのだが間に合わず、アリ軍隊のおでましになった。

その数30匹。

「うじゃうじゃして気持ち悪いわ」

うげーっとアリスが嫌な顔をする。

「うううう気持ち悪いです」

ナナはぐったりしていた。

「バ、バカ!目をそらすな」

カズトが注意するのだが、アリ兵隊に周りを囲まれてしまう。

「このままではまずい・・」

1匹の敵を剣で弾き飛ばし、2匹目を蹴り飛ばす。

しかし3匹目4匹目と間に合わず、カズトが吹き飛ばされてしまう。

・・・・。

体勢を立て直し、アリスと3匹目4匹目を倒す。

しかしあまりの数にアリスとカズトは吹き飛ばされてしまう。

・・・・!?

ナナが魔法を放つが、かわされてしまい、ナナが吹き飛ばされてしまう。

吹き飛ばされてしまった場所へ、レイラが行って治療する。

5匹目6匹目にカズトが吹き飛ばされた瞬間、あたりを風が吹き荒れる。

「・・まさか?」

カズトがレイラの方を向くと薄い紫色の瞳と目が合った。

カズトの頬から、血が流れているのを見たレイラの瞳が紫色に変化する。

「うぉおおぉぉぉぉお」

レイラが叫ぶと同時に地面が揺れる。

「バーサーカーレイラ・・」

カズトがレイラを見て確信する。

「テトを傷つけるなぁぁぁぁ」

レイラは地を蹴り、アリ軍隊に向かって疾走する。

レイラの姿が消えた瞬間、次々と宙にアリ軍隊が舞っていく。

25匹目が舞ったところでレイラの姿が見えた。

レイラの姿が見えた場所はアリ団体の頭上であり、アリ団体に向けて右手を向けている。

「ルミナスレイン」

光の雨がアリ団体目掛けて降り注ぐ。

土煙が舞い、もの凄い音が辺り一面に、響き渡る。

その光景にポカンと3人は固まってしまう。

自分達はあんなに苦労したのに・・少し落ち込む3人であった。


 煙がはれてきたのだが、ある事にカズトは気づいていた。

「やややや、やったんですか?」

びっくりしすぎててんぱっているナナ。

「いや・・・くるぞ!!」

カズト達に向かって近づいてくる足音。

4人の前にさっそうと現れたのは、アリ騎士であった。

「でかい・・」

「なななレイラさんでも倒せなかったんですか」

(バーサーカーレイラになってもレイラは殺せない・・)

カズトは心の中で呟きながら、相手を見る。

(3mはあるだろうか・・)

2本足で立ち、残りの足4本にそれぞれ剣を握っている。

特徴的なのは、それぞれ違う剣だという事で、サーベル、レイピア、短剣、大刀である。

アリ騎士がレイラに襲いかかろうと、攻撃を仕掛けてきた。

レイラに突進したアリ騎士だったが、アリ団体と同じく宙に舞う。

レイラの姿が消える。

消えた場所、レイラが駆け抜けた所から火があがる。

アリ騎士を、宙に吹き飛ばしたレイラの姿が見えた場所は、アリ騎士の頭上であった。

「ルミナスブレイク」

右足に炎をまとい、かかと落としで敵を地面に蹴り落とす。

地面が割れ、隕石が衝突したのかと思わせるような、でかい穴があいた。

金髪のツインテールを揺らしたゴスロリ服のレイラ。

その光景にナナは「これが魔王サタンを倒した人達の力・・」と呟いていた。


 一撃で敵を倒したからか、アリ騎士以上は姿を見せなかった。

レイラの活躍もあり、大幅な経験値とお金が手に入ったカズトであったのだが、クーレターみたいになっている地面を見て、敵に同情してしまったのだ。

「傷つけたって・・」

そういいかけたが、レイラのおかげで窮地を脱したのだから、せめるのも可笑しいかと言うのをやめた。

レイラのバーサーカーモードが切れるまで、ほこらで休憩しようと考えていたカズトに声がかけられる。

「・・・皆さん」

声をかけたのはナナであった。

真剣な眼差しでカズト達を見るナナ。


「魔女の村を救って頂けませんか」

そう言って頭をさげるのであった。


次回第三章5 魔女の村 下


※ここまでお読みくださり、ありがとうございます。

モンスターの特徴、性質やカズト達の戦闘シーン等、文章にするのは難しいですね。

頭の中ではアニメ化されているので、アニメ化されれば伝わるのに・・笑

次回は下になります。

引き続きお楽しみくだい。






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