相談
私は小さい頃から幽霊がみえる。
幽霊やら魔物やら...一般的には理解が出来ないようなモノ達がみえてしまう。
その事が原因か私の性格に問題があるのか、私は他人との関わりを捨てた。
まだ、17歳の私は本当だったら友達と遊んだり、恋をしたり楽しい日々を過ごしている事が普通。
私は普通ではない、だから普通なんて求めない。
そんな私に最近、纏わり付いてくる男がいる。
同じ学校に通う白澤佑。
男の割に色白で誰にでも優しく男女共に人気がある。
私なんかに構わないてお仲間と楽しく過ごしていればいいのに
「横谷さん!おはよー」
今日も元気よく私に挨拶をしてくる。
低血圧の私には鬱陶しいとしか思えない。
かと言って無視をするのも気が引ける。
「おはよう」
挨拶を返し私は足早に教室へと向かった。
学校は学ぶ場所。人付き合いはめんどう。
ただでさえ、纏わり付いてくるモノ達がいるのに
生きてる人間の相手までしていられないわ。
「横谷さん!待って!」
「何?」
白澤君は私を呼び止め驚く事を告げた。
「俺に何か憑いてないかな!?」
この男は何を言っているの?私が神社の娘だから?
「あっ、急にごめん。」
彼は少し気まずそうに目を伏せ私の反応を見ているようだ。
「何で私にそんな事を聞くの?神社の娘だから?」
「うん...それに俺見たんだ。横谷さんが一人で何かに話しかけてるのを」
いつ見られていたのだろう。
校内で他のモノに話しかける事はしないし、登下校中だって人がいないかには気をつけている。
「いつ?どこでそれを見たの?」
「一週間前、直ぐそこの公園で横谷さんがベンチに座っている時に見たんだ。」
公園...あぁ、女の子の霊が彷徨っていた時か
あの時は女の子が一人で泣いててあまりに可哀想に思ってつい話しかけたんだったわ。
「そう?それで、どうして取り憑かれてるとおもったの?」
もう、バレてしまった事を隠す必要はないし
何より早く済ませてしまいたかった。
「あの、大丈夫だったら放課後に話せないかな?」
「...わかったわ。」
あまりに真剣な表情だったから断れなくなってしまった。
彼はキラキラとした笑顔でありがとうと言うと教室へと入っていった。
好かれる意味がわかった。
彼の笑顔は偽りがないんだ。