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さーちゃんとぼく  作者: 伊達またむね
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負け犬編②

家に帰ると彼女がいるのが億劫で仕方なかった。



とにかく疲れていて、僕はなにもしたくないし黙って布団にくるまっていたかった。

ある日、虚血性大腸炎とかいう病気で気絶するほどの腹痛の後に血便が止まらなくなった。



上司に報告すると、ストレスで倒れてこそ一人前だと褒められた。



入社から10ヶ月、僕は彼女にフラれた。

そりゃそうだ。そうなって当然だ。

上司や先輩は面白がってぼくのケータイを覗いて彼女とのやりとりをからかった。プライバシーなんてあったものじゃない、彼女はそれをとてもいやがってたし、ぼくは仕事に必死でとても彼女を優先してあげられなかった。


彼女は他の男と遊びに行くことが増え

嘘が増えた


いつかこうなるのは目に見えていた



僕が上京した理由はいともたやすく消えた。




上司はいった


「女の事なんてさっさと忘れろ。よし、毎週休みに風俗呼べ。金がない?借金しろ。パーっと遊んで借金作って自分を追い込んで仕事しろ」


もうこの時には逆らうという意思を持つことが出来なかった。借金はあっという間に50万になった。先輩は面白がって賭けダーツにぼくをつれていき巻き上げられたせいでもある、ぼくの手元にはなにも残らなかった。



ある日、社長が言った。


「お前たちに20万貸してやる。それでオーダーメイドのスーツやブランド物を揃えなさい。今月中に契約が取れたら返済しなくていい。どうだ、やる気が出るだろう?」



借金が更に増えた



入社から1年、その日もぼくは上司に怒鳴られ蹴り飛ばされゴミと呼ばれた。


理由はスーツの上下で別のものを着てたから。

借金だらけで買い換える余裕がなかった。



あー、だめだ。もうだめだ


僕は財布とケータイだけ持って会社からすたすたと歩いて寮のあるマンションに帰った。


この頃になると、自分はなんてクズな存在なんだろう。こんなゴミは死んだ方がいいんじゃないかと真剣に考えるようになった。もともと悲観的な方でもなかったし自分がそういう考えをするなんて想像もしてなかったけど、「こんな役立たずは死ぬべき」どうしてもこの考えが常に頭をよぎっていた。


死ぬべきか、会社を辞めるべきか、ギリギリの所でぼくの思考は会社を辞める方向に傾いた。





夜中、上司と先輩が家にやってきた



「おい、会社辞めるのか」


やめます


「そうか、じゃ社長から借りた20万を今すぐ返せ。今財布にいくらある?口座にある分も今すぐコンビニにいって卸してこい」


はい



差し出せる全てのお金を上司に渡し、僕は実家に泣きついた。






僕は負け犬になった。

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