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84 ひさしぶりの・・・ 2ページ目








「そーるでしよ~~~!」

「まぁ!お帰りなさい!あら、私に?ありがとう。」

ソールさんはお母さんに(私手製の)ゼリービーンズを渡しながらあいさつをします。

一昨日のゼリービーンズ、まだ残っていたのですね。




日も充分に昇って来たので、私の実家に来ました!どうやら今の時間帯は、丁度お客さんが途切れているみたいです。懐かしいスタッフに「お帰りなさい。」と出迎えて貰いましたよ!





「・・・ソール。・・・すみません。」

アスラさんは一生懸命ソールさんに「あいさつ」して貰おうとしていますが、ソールさんは「我関せず」の姿勢を貫いてお店のスタッフに(私手製の)ゼリービーンズを1粒ずつ渡しています。




「・・・あれ?ファニーはお休みですか?」

1番私と歳の近かったスタッフであるファニーの姿が見当たりません。


「ファニーは、婚約が決まって先月辞めたのよ。」

お母さんがそう言います。


「そうだったのですね。・・・でも、随分と急に辞めてしまったのですね?」

ファニーはニアちゃんと同い年で、学園では同じクラスだったこともあります。実家もここと同じ東区にあって、農家向けの商品を扱っている卸問屋だったと記憶しています。お姉さんがお婿さんを迎えているので、ファニーは嫁いで行ってしまうのでしょうか?何だか寂しいですね。



「フィーナ、お帰り。」

「あ、おにい「りゅーーい~~~!」

お兄ちゃんの登場にソールさんは目を輝かせて一目散に駆け寄ります。


「・・・ソール・・・。」

アスラさんの背中に少しだけ哀愁が漂っていますが大丈夫でしょうか・・・。



「ソール君も久し振りだね。元気そうで良かった。」

お兄ちゃんはそう言って抱っこをせがむソールさんを抱き上げます。


「あいっ。そーる、げんきでし!」

そう言ったソールさんはお兄ちゃんの口元にゼリービーンズをグイグイと押し付けています。



「アスライールさんもお久し振りです。フィーナがお世話になっています。」

「いえ、リューイ殿、こちらこそお久し振りです。私の方がフィーナにお世話になっているので、本当に助かっています。・・・後、ソールがすみません。」

お兄ちゃんとアスラさんがお話しをいている間、ソールさんは満足そうにお兄ちゃんに抱き付いています。ソールさんは本当にお兄ちゃんが大好きですね・・・。



見た目爽やか系のイケメンであるお兄ちゃんとクール系のアスラさん、将来有望な可愛いソールさん。


お母さんと一緒にこの光景を見ていますが、見方によってはとても目の保養になる光景ではありませんか?





「そうだわ、フィーナ。ラルフに挨拶に行くのでしょう?」

お母さんとの会話で現実に戻ってきましたが、そうでした、お父さんにビックリドッキリ作戦を仕掛けるのです。



「そうですね。ビックリさ「何だい?今日はにぎや・・・!」


パタン。



私が店舗とお家を繋ぐ扉を開けようとしたら、その扉が自動で開いて、・・・閉じました。

・・・・扉が開いた時に扉の向こうにいたヒトと目が合いましたが、そのヒトはお父さんでしたよ。





一気にお店の中が静かになりました。





「あらあら。閉めてしまうなんて、せっかく顔を見せに来たアスライールさんとフィーナに失礼よ?」

扉を開けようとした私を制して、お母さんが扉を開けてお父さんに言います。



「えっ!?ネリアどうしよう?私は夢を見ているのかな!?フィーナがいたよ?ネリアも見たかい!?フィーナがいたんだ!?可愛いフィーナが!本当だよ!?夢じゃ無いんだ!」

大混乱のお父さんはお母さんにこう言いながらお店の方に顔を出します。・・・一気に帰りたい気分になってしまったのですが、どう言う事なのでしょう?



「父さん、落ち着いて。皆が見ているから・・・。」

お兄ちゃんがソールさんを抱えたままそう言います。


「ぶりでし!そーるよ!」

「お久し振りです。」

ソールさんはお兄ちゃんの腕の中からキリリっとしたお顔でお父さんに挨拶をしています。アスラさんも会釈をしながらお父さんに挨拶をします。


「・・・えっ・・・?」

お父さんは「訳が分からない」とばかりにお2人を見ます。



「お父さん。ただいま!」

私の言葉にお父さんがゆっくりと私の方を見ます。



「え・・・。ふぃーな?」




「お父さん!ビックリドッキリ作戦は大・成・功!ですね!」



私の言葉に、お母さんが頷いてくれます。お兄ちゃんは「父さん、ゴメンね?」と言っていましたが、状況が掴めてきたお父さんが「お帰り。」と言ってくれたので良かったです。













お店のスタッフさんに「ゆっくりして下さい。」と、私達はお家の方に送り出されました。




「家に帰ってくるならもっと早くに教えてくれれば、色々と準備して置いたのに。」

「あら、準備万端で迎えていますよ?」

お父さんの言葉にお母さんが「何を言っているの?」と言葉を返しています。


「・・・え?」

お父さんがお母さんを見て戸惑っています。



「お父さん、今回の計画は先月中に出ていたのですよ?」

「実は、商業都市には昨日着いていまして・・・。」

私の言葉の後に、アスラさんがさり気なくフォローを入れています。


「えぇ!?」

お父さんはアスラさんの言葉に驚いていますが、お母さんとお兄ちゃん、ニアちゃんとニリアさん一家は知っていましたよ?



「・・・私は何も聞いていないんだけど・・・?」

お父さんが私を見てこう言ってきますが、私は言いましたよね?「お父さんビックリドッキリ作戦」と。


「うん。お父さんをビックリドッキリさせようと思って、密かに進行していた作戦ですからね!お母さんとお兄ちゃんとニアちゃん、アスラさんと、後、ニリアさん達の協力で大成功に収まりましたよ?」

私の言葉に、お父さんは今回の協力者のお顔をグルリと見て「・・・本当に、全然気が付かなかったよ。」と少し切なそうに言っていました。



「でも、私達もフィーナ達が『騎獣で来る』って聞いた時はドキドキしたのよ。」

「うん。最悪『アスライールさんの家族の方が来たんじゃないかな?』って言わないといけないかなぁ。って相談していたんだ。」

お母さんとお兄ちゃんの言葉に、私とアスラさんは顔を見合わせて首を傾げます。



「だって、毎日配達される新聞には、騎獣での商業都市入場者名が書いてあるのよ?馬車だったらそんな事はないのだけれど・・・、それでラルフに見つかったら帰ってきたのがバレてしまうじゃないの。」

「だから、今日は母さんとジスリニアの3人で早く起きて新聞を確認したんだ。」

お母さんとお兄ちゃんはとても真面目なお顔で言ってきます。お母さん達の行動に涙が出てきそうです。



・・・私、初めて知りましたよ?そんな記事がある事。もしかして、今日は早起きしていたのですか?



「でも、どうしても名前が見つからなかったんだ。」

「ジスリニアは『帰ってきているから絶対に名前があるはず!お父さんに見つからないようにしないと!』って言ってずっと探していたのよ。」

お兄ちゃんはリビングの棚から新聞を出してきます。結局名前が見つからなかったから、今朝の新聞の一部を抜き取っていたみたいです。お父さんはニアちゃんの言葉にショックを受けているみたいだけど、ニアちゃんには申し訳ない事をしてしまいました。



「・・・だから、今日の新聞は一部が無かったんだね・・・。」

お父さんがポツリと言葉をこぼしています。



「実は、アスラさんのお名前が変わったので、アスラさんにはそちらのお名前で申請して貰ったのです!」

「すみません。『フロウズ』と申請してあります。」


「はっ!?」

アスラさんの言葉に真っ先に反応したのはお父さんでした。



「連絡が遅れてすみません。フィーナとの結婚で少し名前が変わりました。『ヴァレンタ』でも大丈夫なのですが、今は『フロウズ』と名乗っています。」

アスラさんの言葉に、お父さんは「そうか、今は子爵家なんだね・・・。」と静かに言います。お父さん、貴族の世界に詳しいのですね!尊敬しちゃいますよ!







「ねえねえ!そーるね、あっちのおへやみたいの!」

私達のお話がとてもつまらなかったのでしょう。ソールさんはお父さんに(とても)可愛くおねだりしています。




・・・ソールさんは悪魔の部屋の事を忘れてはいなかったのですね・・・!




「ん?あぁ、そうかい?じゃあ、おじいちゃんと見に行こうか。」

「???」


お父さんの言葉にソールさんがキョトンとしています。私とアスラさんもキョトンですよ。



「あら?そうね。そうなると、私は『おばあちゃん』になるのかしら?ふふふ。どうしましょう?」




私の両親の切り替えの早さにビックリです。




私の隣りに座っているアスラさんも「えっ?」っと言って戸惑っていますし、お母さんの隣りに座っているお兄ちゃんは「その感じでいくと、オレは伯父になるんだけど・・・?」って言っています。




「らるふ!」

ソールさんはお父さんにそう言います。ソールさん、ヒトを指さしてはいけませんよ?


「うん。私はラルフだけど、フィーナのお父さんだから、ソール君のおじいちゃんだ。」

ソールさんを抱き上げてお父さんはそう言います。


「むぅ?」

ソールさんは首を傾げながら一生懸命考えています。



「じゃあ、少しの間ソール君を借りるね。」

お父さんはソールさんを連れて、まっすぐ「悪魔のお部屋」に入っていきました。お母さんも「お店の方を見てくるわね。」と言って立ち上がります。




・・・ソールさん、どうしてそのお部屋を気に入ってしまったのですか!!










「・・・すみませんリューイ殿、私は今の話の流れに付いていけませんでした。」

「うん、オレも驚いています。今の流れについて行けたヒトは凄いと思いますよ。

あと、父さん達の感覚で行くと、アスライールさんはオレの『義弟』になるのですが、大丈夫ですか?」


「えぇっと・・・?はい、リューイ殿はフィーナの兄上ですからそうなりますよね?」

「・・・よろしくお願いします。『義弟』さん?」

「・・・こちらこそよろしくお願いします。『義兄上』殿?」


「・・・。」

「・・・。」


アスラさんとお兄ちゃんは何とも言えないお顔でテーブルを挟んで座っていますが、どうしたのでしょう?




・・・私、する事が無いからお昼ご飯作りましょうか?
















商業都市の新聞は、「日本」の新聞と基本的には一緒です。でも、騎獣は「害獣」と同じ生き物なので、ヒトによっては騎獣を嫌がるヒトもいます。何かあったときの為に「騎獣」を周知させています。

商業都市に住んでいるヒトの騎獣入場については何の記述も無いのですが(個人で登録してあるので)、商業都市以外からのヒトが騎獣で来た場合に限っては「ダレ」が「どの種類」の騎獣で来たのかを、新聞で知らせています。

ルシェ以外の騎獣はとても珍しいです。アスライールの騎獣「ネコ」は「調教師」の調教を受けていないカリャン型の騎獣なので、新聞では上の方に記載されていました。(まず、個人が魔獣を調教する事は「ありえない」ので、ネコはとても慎重に扱われます。)


ソールのゼリービーンズが残っていたのは、元々の量が多かった事と、ネコに乗っていたのが楽しかったので、食べていなかったからです。


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