表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
83/163

80 しゅっぱつの・・・ 5ページ目








テントの中からおはようございます。まだ少し眠たいフィーネリオンです。




外がやけに騒がしくて目が覚めてしまったのですが、お腹の上の絶妙な位置に何かが乗っていて起き上がることが出来ません。ですが「ぷうぷう」と可愛らしい寝息(?)が聞こえているので、ソールさんはまだ夢の中にいるのでしょう。




今日は風が強いのか、テントが物凄く揺れています。昨日は快晴だったので、少し残念です。


外からは「配置につけ!」なんて聞こえていますが、一体ナニが起きているのでしょう?朝の訓練にしては、まだ早いと思うのですが・・・?そうでも無いのでしょうか?


私的には「起きて外の確認」をしたいのですが、絶妙な重さの「何か」が私に乗っているので起き上がれないのです。




時折、雛さんが「みゅ~~!」と鳴いていて、ネコさんの「にゃっ!にゃっ!」と言う鳴き声も聞こえてきます。仲良く遊んでいるのでしょうか?・・・いえ、もしかしたら朝御飯の時間なのかもしれません。そっと自分の耳を塞ごうとしたのですが、ネコさん達の(ワイルドな)食事の音をソールさんに聞かせるのは問題ですよね。


ソールさんを探すためにお腹に力を入れて起き上がろうとします。




「フィーナ、大丈夫ですか!」



とてもよいタイミングでアスラさんがテントに入ってきました。



・・・あれ?アスラさん、もう起きていたのですね。



もしかして、結構良い時間になっているのでしょうか!?慌てて起きようとしますが、本当にこの絶妙な物体は何なのでしょう。なかなか起き上がれません。



「おはようございます。アスラさん。すみません。お腹の上に乗っている・・・」

「ソール!」

私の言葉を遮ったアスラさんが、驚いたようにして私の上に乗っていた「何か」を持ち上げます。





どうやら、私のお腹の上に乗っていたのはソールさんだったようです。クルリと掛布に包まれたソールさんは、アスラさんに抱え上げられても目が覚める気配がありません。






持っていた掛布は人数分あって、それぞれが1枚ずつ掛けていました。昨日の夜、テントに入って眠るまではソールさんを間にして両脇に私とアスラさんで「川」の字だったのです。

今もまだ可愛らしく「ぷうぷう」と寝息が聞こえていますが、その姿は苦しくないですか?どうやってソールさんは蓑虫状態になったのでしょう?そして、蓑虫状態のソールさんは、どうして私のお腹の上に乗っていたのでしょう?ちょっと教えて欲しいです。




「フィーナ、おはようございます。大丈夫でしたか?」


「アスラさん、おはようございます。ビックリしましたが、大丈夫です。それにしても、ソールさんはどうやってこの状態になったのでしょう?」

私の言葉にアスラさんは気まずそうにしています。



「すみません、フィーナ。

ソールですが、夜に動き回っていたので冷えないようにと掛布で包んでみたら大人しくなったのでそのままにしてしまいました。気付くのが遅くなりすみませんでした。」

アスラさんの言葉に驚きましたが、続いた「フィーナも疲れていたのでしょう、深く眠っているようでしたから・・・。」とアスラさんに言われて、私が熟睡していた事はバレバレでした。


「うぅ・・・。お手数をおかけしました・・・。」

恥ずかしい!恥ずかしすぎです!


蓑虫状態のソールさんを抱えたままのアスラさんは、そのままソールさんを抱えてテントを出ます。私も着替えてテントから出ると、もう外は明るくなっていました。





・・・あれ?目の前に大きなお山が出来ていますよ?



アスラさんは私の視線が目の前のモフモフっとしたお山に釘付けになっている事に気付いて、困ったように笑ってます。



「朝方、迎えに来たみたいです。」

そう言ったアスラさんの目線は、じゃれ合っている雛さんとネコさんに移ります。



「どうやら、夜の間は私達の様子を見ていたようで、日が出てきた頃に降りて来たようです。」

アスラさんの言葉に驚きました。



・・・えぇ、お気づきかと思われますが、私はぐっすりと夢の中にいましたよ。そんな事が起きていたなんて、全然気付きませんでした。



「さすがにこの位置で戦闘が始まったら、フィーナを巻き込んでしまいますから、無事に収って本当に良かった。」

アスラさんがそう言って私を見ます。・・・うぅっ、私は確実に足手まといですからね。戦闘にならなくて本当に良かったです。




「きゅい~~~!」

「みゅ~~!」

感動の再会はだいぶ前に済ませていたらしく、雛さんはお迎えに来た親御さんと会話(?)をしています。



私からは「大きなお山」のように見えていたのは、雛さんの親御さん(?)だったのですね。



「どうやら、フィーナの事を待っていたようですね。」

「えぇ!?」

アスラさんの言葉に驚いてしまいました。



ですが、大きなお山さんは大きく動いて私の目線まで顔を下げてきました。


目の前のお顔があまりにも大きさかったので数歩後ろに引いてしまいましたが、雛さんの親御さんは気にした風は無くて『雛を助けてくれてありがとう。』と言ってきましたが、激しい頭痛がします。




・・・「言ってきた」は間違いで、そういう風に頭に響いて聞こえてきました。



コレに反応してきたのが、掛布に包まれていたソールさんです。




「めっ!だめなの!」

と大きな親御さんに言ったので驚いてしまいました。今日のお目覚めは、ご機嫌斜めですか?



雛さんの親御さんは、困ったように「きゅるる~~。」と私とアスラさんに向かって鳴いています。




・・・あれ?もしかして、話し掛けてきていますか?何を言っているのか、サッパリですよ?




「え、えーっと・・・」

雛さんの親御さんの鳴き声は、私には理解できないので、さっきの様にテレパシー的な会話が良いのですが・・・。



と・・・とりあえず、先程の会話に返事をしないと行けませんね。



「雛さんを助けたのは、アスラさんなのですが・・・、無事に雛さんを助けられて良かったです。

あと、すみません。何を伝えようとしているのかがサッパリなので、先程のように伝えて貰えると大変助かります。」

私の言葉に親御さんは安心したように『助かります。』と言ってきました。うぅ・・・、頭に雛さんの親御さんの声が響いて頭痛がします。


ソールさんが驚いたように私を見て「ぴっ!?」と言っていますが、ソールさん達精霊さまと魔獣さんの声帯は私たちと同じなのでしょうか?そう考えると、ソールさん達とは普通に会話が出来ているので本当に良かったです。

以前、アスラさんが言っていた「ソールさん達が言葉を話すようになった。」って言うのは、本当に画期的だったのですね!まだ見ぬ魔術師長さん、本当にグッジョブです!


ショックを受けているソールさんは少し放置しても大丈夫ですか?

場の空気を読めるようになったアスラさんがソールさんをネコさんの所に連れて行ってくれたので、この場所には私と雛さんの親御さんの二人(?)です。




『私の雛を助けてくれて、本当にありがとう。

この山の向こうでヒトに追われてはぐれてしまったのです。無事を確認できて本当に良かった!』

そう言った親御さんは、とても嬉しそうに目を細めます。



「いえ、私は本当に何もしていません。雛さんが無事なのは、アスラさん・・・、私の旦那様が助けてくれて、怪我の治療は騎士団の皆さんが行ってくれたのです。雛さんが無事なのは、皆さんが力を貸してくれたからですよ。」


『いいえ。ヒトの子と私達は相容れない存在でしたから、貴女がいなかったら、私の雛は助けて貰えなかったでしょう。』

親御さんの言葉に驚きましたが、騎士団の皆さんも今日には帝都に帰ってしまう予定だったみたいですし、アスラさんも積極的に雛さんを助けようとはしていませんでしたね。確かに思い返してみたら「あれ?」っと思ってしまいました。






その後、親御さんに『何かお礼を・・・。』と言われたので、フワッフワの綿毛に飛び込ませて貰いました。

親御さんは少し困惑していましたが、とても良いモフモフでしたよ。




その後、暫くしてからダグリジュの親子は飛び立っていったのですが、騎士団の皆さんは感動したようにその姿を見送っていました。皆さんもモフモフ好きでしたか?綿毛はとてもフカフカしていたので、飛び込めば良かったのに・・・。




その後、少し遅めの朝食を頂いて騎士団の皆さんと別れました。





「これから商業都市に向かうと、夕方頃には着けると思います。」

アスラさんの言葉を聞いて、お母さんに連絡を入れます。





さあ、商業都市へ出発です!


ソールさん、私の前に座るのは危ないですよ?アスラさんの前で無くて大丈夫ですか?











評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ