74 じゅんびじゅんび!
みなさんこんにちは!フィーネリオンです。
今日は朝からパタパタしていますが、来週に迫った家族旅行(?)に向けて順調に商業都市滞在用の荷物をトランクに詰めていますよ!
「おかしゃん!そーる、これももっていくでし!」
そう言ってソールさんがトランクに詰めようとしているのは、ソールさんが眠るのにとても大切な「抱き枕」です。ソールさんはグイグイと愛用の抱き枕をトランクに入れようとしていますが、物理的な問題で入りません。
それでも一生懸命トランクに入れようとする姿は、とても可愛らしいです。
「ソールさん、今、その抱き枕をトランクに入れてしまったら、今日の夜から抱き枕さんとはお別れですよ?大丈夫ですか?」
「ぴっ!」
私の言葉に、ソールさんは「そうだった!」と言わんばかりの反応を返してくれます。可愛い。
「もうすこしまつでし!」
ソールさんは、イソイソと抱き枕をトランクから出しながらそう言います。
・・・明日には荷物を出すので、その抱き枕を持って行く事は出来ませんよ?
私の分の荷物は、そこまで時間も掛からないで纏め終わったのですが、持って行きたい物がたくさんのソールさんはとても「迷走中」です。さっきは大量のぬいぐるみを持ってきましたからね。
アスラさんには「帰ってきたら準備しましょう。」と伝えているので、大丈夫でしょう。
このお家も、私達が出ている間はヴァレンタ家の方からヒトが来て手入れをして貰えるそうです。私の植えたキュウリは今でも収穫が出来るので、お世話をして貰えるのはとても助かります。
そうそう、ソールさんの鉢植えですが、ぐんぐん成長して立派なお花が咲きましたよ!
咲いたお花は「ヒマワリ」でした。
ヴァレンタ家のお庭には咲いている所を見た事が無いので、もしかしたら最初からこのお家のお庭に植える予定だったのでしょうか?
ぐんぐん育っていくヒマワリをソールさんは一生懸命お世話をしていました。お花の蕾が出来た時は「いつさくでしか?」「まだでしか?」と話し掛けながらお水をあげていました。
一般的なヒマワリよりも背丈の小さなヒマワリはそれでもソールさんよりも大きかったので、ソールさんはアスラさんに抱き抱えられて咲いたお花を見ていました。ソールさんは、お花が咲いた時にはそのお花の大きさに驚いていましたが、椅子に座ってグリグリとスケッチしている姿にアスラさんと笑い合ってしまいました。
ただ、私達がお家に帰ってくる頃にはお花の時期は終わってしまいます。
ソールさんにその事を伝えたら、寂しそうに「もうみれないでしか?」と聞いてきました。その様子に「来年、またソールさんがお世話をしたら、元気に咲いてくれますよ。」と言ったら、ソールさんは「そーる、おせわするでし!」と言ってくれました。
ソールさんはやる気に満ちあふれているので、来年は鉢植えでは無くて直植えにしても良いかも知れませんね。たくさん咲くヒマワリは「夏!」って言う感じがしますよね!
今週は冷蔵庫に入っている食品の「消化週間」となっているので、お買い物にはあまり行かないようにします。足りない食材が必要な時には、その都度買いに行こうと思います。
帝都を2週間留守にするので、いつもお買い物に行くお店にはその事を伝えていますし、ご近所さんにも「今月末まで留守」とも伝えています。皆さんが「実家に帰るのかい?」と聞いてくるので「顔を見せに行って来ます。」と言ったら「楽しんでおいで。」と言ってくれました。
今日のお昼は「お芋の冷製スープ」と「フレンチトースト」です。
お芋は日持ちするので残しておいても良いかな?と思ったのですが、私達が留守の2週間でどんな変化が起きるのか分からないので使ってしまう事にしました。
細かく切ったお芋とタマネギを茹でます。別に黄色のジラも茹でますよ。
昨日、日持ちするようにと少し堅めのパンを焼いたので、切り分けて卵液に浸します。
しっかりと卵液が染み込んだら、後でバターで焼いていきますよ。
お芋は細かく切って茹でたので時間も掛からないで茹で上がりました。
後はお芋とタマネギをすり鉢でゴリゴリとすり潰します。途中でミルクを少し入れて滑らかにして行きますが、ある程度滑らかになったらお鍋に裏ごし器をセットしてそこに流し入れます。
・・・こういった作業をする時に「ミキサー」や「フードプロセッサ」が懐かしく思います。本当に、どこかの技術者さんが「技術革命」を起こしてくれないかと心の奥底で願っています。
私は記憶から「文明の利器の作り方」を引き出して、原理も素材も(何となく)分かるのです。でも、鉄やガラスはあるのですが、プラスチックなんでこの世界にはありませんからね。それらを作る部品と技術が無いのです。誰か、本気を出して下さい!
そんな事を思いながらも作業は続きますよ!
鍋に追加のミルクと生クリームを入れて、塩とコショウで味を調えます。
氷を浮かべた盥にお鍋を入れてスープを冷やします。今日は急に冷やすのでこの方法ですが、本来ならば粗熱を取って冷蔵庫で冷やして食べます。スープが分離しないようにある程度落ち着くまでかき混ぜて、スープが落ち着いてきたらそのまま放置して置きましょう。
そうして、少し多めのバターでフレンチトーストを焼いたら昼食の完成です。
昼食の準備中、ソールさんはゴロ寝スペースにて「トランクに入れる」ぬいぐるみをじっくりと選んでいました。ソールさんには「今日選んだぬいぐるみさんは1週間傍には無くて、今日トランクに入れなかったぬいぐるみさんは2週間お家でお留守番ですよ。」と伝えたら、いつになく真剣に選んでいます。
むいっと1つぬいぐるみを手に取って、ウンウンと頷いて元の位置に戻します。そして、また1つむいっとぬいぐるみを手に取って同じようにしているのですが、決めるのはまだまだ時間が掛かりそうです。ただ、ネコさんのぬいぐるみはお膝の上に乗ったままでした。「1つだけ」と言った持ち運びのぬいぐるみはネコさんで決定ですかね?
ソールさんはぬいぐるみを選ぶ事に疲れたのか、昼食後はぬいぐるみに囲まれて(埋もれて)お昼寝をしていました。「クッションにしがみついて寝る」という相変わらず凄い体勢でしたが、絶妙なバランスでクッションから落ちる事はありません。ソッとブランケットを掛けてその様子をしみじみと見てしまいます。
私は夕食用に黄色のジラを使って「コーンポタージュもどき」を作っていたので、いつの間にか起きていたソールさんが「アスラさん用に」と準備していたのトランクにぬいぐるみを詰めていた事に気付きませんでした。
夕方に帰ってきたアスラさんが、準備していたトランクでは無く違うトランクに荷物を詰めていて発覚したのです。
思わず笑ってしまいましたが、ソールさんはとても真剣に「みんないっしょ!」と言ってきたので、このままニリアさんのお宿に送る事にします。
そうそう、商業都市に滞在中はニリアさんのお宿にお世話になる事になりました。私の実家にも空いているお部屋が1つあって、一応客室として使っていたのですが、私達3人で使うには少し狭いのでニリアさんが経営しているお宿にお世話になる事になりました。
お宿はお母さんが予約を入れてくれたみたいで、荷物も生活ギルド経由で商業都市向けの配達と一緒に運んで貰う事になりました。
お母さんが「ラルフには内緒よ?」と言っていたので、もしかしたらお父さんには「私達が商業都市に帰る事」を伝えていないのかも知れません。そういう事なら仕方がありません。アスラさんにも協力をして貰って、商業都市の門を騎獣でくぐる時の申請者名を「フロウズ」と家名での申請をして貰いました。私達が「ヴァレンタ」の家名を名乗っていると思っている家族には、この家名は「初耳」のハズなのです。
アスラさんは「大丈夫でしょうか?」と言っていましたが、全く問題はありません。
商業都市に到着した時はまっすぐニリアさんの所に向かうのですが、表通りでは無く裏道を通ります。
そこから獣舎に入れるので手引きしてくれる従兄の手腕に全てが掛かっているのですよ!
そろそろ、アスラさんは私のお父さんの「扱われ方」を理解したと思うのです。
私のお父さんに対してはそんな事を思いますが、さすがにお義父さんにはそんな事は出来ません。昨日、領地から帰ってきたお義父さんには、リンカーラさん達に好評だった「ゼリー」をアスラさんの出勤がてらに運んで貰いました。お義母さんが領地に帰ってしまったので、お義父さんも寂しいだろうとソールさんが選んだガガルのぬいぐるみを添えての差し入れだったので、少しでも元気になって貰えたら・・・。と思います。
ガガルはタヌキみたいな動物です。見た目は可愛らしいのですが、収穫前の作物を荒らす事で有名みたいです。その素早さに「捕獲依頼」が出るくらいなんだそうですよ?私は見た事無いのですが、アメリアさんがそう言っていました。
後は、移動中の荷物ですね。明日は、外套の陰干しをしましょう。
なお、お義父さんからお義母さんへの連絡で「ゼリー」の存在は連絡済みです。
帝都に残るお義父さんを心配するお義母さんによって、ゼーセスという名の「特使」が領地と帝都の間を往復するようになります。そんなゼーセスは、結構家族に愛されています。




