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73 ほうこくかい







「うん、美味しい!」

「本当に!」

アメリアさんとリンカーラさんは桃のゼリーを気に入ってくれたようです。


「良かったです!たくさん作ったので、どんどん食べて下さいね!」




皆さんこんにちは。ただいま「女子会」中のフィーネリオンです。



今日はソールさん達「精霊さん組」がお城に行く日です。ソールさんはアスラさんと、ステイさんはローラントさんと一緒にお城に行っているので、アメリアさんに「一緒にお茶会でもしませんか?」と声を掛けたのです。ですが、いつの間にかリンカーラさんも参加の女子会となっていました。リープさんはキールさんと一緒にお城に向かったようです。大丈夫なのでしょうか?ローラントさんとキールさんは帰りにこちらに寄るそうなので、今日はお客様がたくさん来る予定です。



「フィーネリオン嬢、コレは何て言う食べ物なんだい?冷たくて、とても美味しいよ。」

リンカーラさんの手には、さっきからゼリーが掴まれています。もうそろそろ全種類コンプリートでしょうか?


「不思議な口当たりだけれど、こっちもとても美味しい!」

アメリアさんはババロアを褒めてくれます。


この2つ、途中までは工程も一緒なので、たくさん作りました!もう1種類あるのですが、それは後から出しましょう。貯蔵していた瓶詰めも何個か使ったので、結構豪華に出来ていますよ!





今回、ここまで豪華なデザートを準備できたのには、理由があります!



何と、義両親と言うスポンサーが付いたのです!



先日ご領地に向かった義両親に、何気なくポロっと言ってしまったのです。

そうしたら、「これからフィーナさん達がお世話になる皆様方達ですもの、これくらいどうと言う事ありませんわ!・・・羨ましいですけれど。」とお義母さんが言って、隣でお義父さんも「本当に。」と言っていました。そんな義両親もそろそろご領地に到着した頃でしょうか?明後日にはこちらに向かって出発するお義父さんには、何か元気付けられそうな食べ物を準備しようと思います。



「フィーネリオン嬢、そろそろ落ち着いたらどうだい?このまま行くと、私達だけで食べきってしまうよ?」

リンカーラさんの言葉にアメリアさんも「えぇ、本当に。」と至極真面目そうなお顔で言っています。


「それは大変です!」

私も切り分けたロールケーキを持ってソファーに座ります。






「朝からこうしてここに居るけれど、とっても楽しい!

もう!どうしてローラントはアスライールさんの家の近くでは無い所にある家を選んだのかしら!」

赤ベリーアのババロアを手にアメリアさんがそう言って来ました。


「あぁ。私も時間を戻せるならば、この家の近くにある家を選んだのに・・・。」

オーレの実を使ったゼリー片手にリンカーラさんもそう言っています。


私は、私の為に作ったロールケーキを食べながら、そんなお2人を眺めています。



「そう言えば、リンカーラさんとアメリアさんも『婚姻』の届け出を出したのですね?」

私の言葉に、お2人が私を見ます。



「あぁ、そうだった。報告が遅れたね。」

「えぇ、そうなの。だって、私たち以外の2組が『婚姻』したって聞いて、ローラントが『どうする?』って聞いて来たんだもの・・・。」

お2人が「その方が良いと思った。」って言うので思わず笑ってしまいました。




・・・アスラさん、ほら、やっぱり皆さんも「婚姻」しましたよ!




私が笑ったので、お2人は不思議そうにしていましたが「これからもよろしくお願いします。」って言ったら「こちらこそ。」と返してもらえました。一気に「お姉ちゃん」が増えましたよ!


その後は3人でお話をしながら、たくさん作ったデザートを食べていました。一息付いて食べ終わった器を下げていたら、外から元気な声が聞こえて来ました。



「ただいまでし!そーるでしよ~~!」

外側から開いた扉から、ソールさんが飛び込んできます。


「うお~~!涼しい!おっ、フィーネリオン嬢、邪魔するぜ!」

「おじゃまします。」

ローラントさんがステイさんと一緒にお家に入って来ます。今の時期は、外から入ってきたらお家の中は涼しいですよね。


「おかあしゃま~~!りーぷ、がんばりましたのよ~~!」

「フィーネリオンさん、リンカーラがお世話になってます。それと、リープと一緒にお邪魔します。」

リンカーラさんに駆け寄って行くリープさんは、とても可愛らしいです。キールさんは相変わらず素敵ですね。ローラントさんはキールさんを見習って欲しいです!


「ただいま戻りました。フィーナ、ありがとうございます。」

最後は扉を開けていたアスラさんです。ソールさんは1番最初に飛び込んで来て、それからずっと私のスカートにしがみ付いていましたよ。ソールさんは「めっ!」って言っていますが、スカートがしわになるので、ギュッとは握らないで欲しいです。


「お帰りなさい。ソールさん、アスラさんも。皆さんもいらっしゃいませ。」

私はそう言って、外から来た皆さんに飲み物を出します。



リープさんやステイさんがいるので、プリンや赤ベリーアのムースを出しました。

ローラントさんは甘さを抑えたチーズケーキが気に入ったようです。キールさんはリンカーラさんに勧められたゼリーを食べていました。ほとんど「デザートバイキング」みたいな感じになってしまいましたが、私の作ったデザートは皆さんに好評でした。良かった!



「そう言えば、アスライールの所はいつ休みなんだい?」

リンカーラさんがアスラさんにそう聞きます。


「今月の第3週目から休みです。」

「そうか。・・・ちなみに、何か用事があったりは・・・。だよね・・・。」

リンカーラさんの言葉にアスラさんが「えぇ。」と答えるとリンカーラさんは「困ったなぁ・・・。」と行ってキールさんを見ます。


「何かあるのですか?」

アメリアさんがリンカーラさんに聞きます。


「いや・・・。「おしきがあるのです!」・・・リープ。」

言葉を濁すリンカーラさんを余所に、リープさんが元気な声で言葉を出しました。



おしき・・・。


お式・・・?




結婚式・・・。披露宴ですね!



「「うわぁ!おめでとうございます!」」

アメリアさんの言葉と私の言葉が重なりました。

ソールさん達は「?」と首を傾げていますが、ローラントさんも「めでたいな!」と言ってキースさんを見ます。


「いや、私もこの歳だから、あまりヒトは呼ばないようにしようと思ったのだが・・・。

私が個人的に付き合いのあるヒトと言ったら、ここにいる皆かと思って言ってみたのだが、用事があるのであれば仕方が無い。」

リンカーラさんは、キールさんと頷き合っています。


「あら?リンカーラさん。私達は誘わないのですか?」

「俺達は日にちさえ分かれば出席できるぞ。」

アメリアさんとローラントさんがそう言ってリンカーラさんを見ます。



「むぅ、何だかとても残念です。

ちなみに、5月の第1週目までアスラさんはお休みなんですよ?ドコで披露宴をするのですか?」

楽しそうにお話ししているアメリアさん達を見て、私もリンカーラさんにそう言います。


「「はぁ!?アスライール!どれだけの休みがあるんだ!?」」

リンカーラさんとローラントさんがアスラさんを問い詰めます。その剣幕が凄くて、ソールさん達が驚いていまいました。


そうですよね。騎士の方が「ほぼ1月」マルッとお休みだなんて、私は聞いた事がありません。

今回は「特例」と言う事もありますし、今まで「有給(有ったのですね)」を取っていなかったアスラさんの「強制的」な有休消化も兼ねているようです。なので今回のお休みの内訳は、1週間目は師団でのお休みで、追加の1週間が師団長さんから、その追加の1週間が有休消化だそうです。ルイスさんに聞いて驚きました。・・・アスラさん、キチンとお休みは取りましょうね!



リンカーラさんの伯父さんが宰相さんなので、披露宴は帝都で行うようです。リンカーラさんとキールさんのご家族の方の移動があるので、式自体は5月の頭に行うそうです。


それならば出席できそうですよ!

アスラさんも「出席できます。」と言ってくれたので、心置きなく披露宴を楽しみますよ!



リンカーラさんは「年齢が・・・。」とか言っていますが、クールビューティなリンカーラさんなので、そんな事は気にする所ではありませんよ!


気が付いたら結構良い時間になっていたので、お開きになりました。





今日はお土産にピアンパイを準備していたので、皆さんが帰る時に持って帰って貰いました。


・・・リンカーラさんの披露宴の時までに、何か贈り物の準備をしないといけませんね!











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