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71 だれもしらないおはなし 








ずっとずっと昔のお話しです。


多くの国を巻き込んだ大きな戦いがあって、どの国も疲れ果てて疲弊していました。

そんな中、「天よ!天に住む父なる神よ!我等をお助け下さい!」と小さな国の王様は国を憂い天に祈りを捧げます。




『私のいる「世界の果て」へ辿り着けたなら、願いを叶えよう。』と天の王は王様の祈りに応えます。




ですが、大陸中に蔓延している「不信感」は天の言葉を信じませんでした。

誰一人、王様の聞いた空に住まう父なる神の言葉を「戯言」と思ったのです。



そんな中「それなら、私が行ってこよう!」と小さな国の王子様は王様にこう言いました。




そうして、小さな国の王子様は父王と母王妃に見送られて自分の国を出発しました。

かつては緑豊かだった山々を越えて、かつては友好国だった国へと辿り着きます。




そこで再会したのは、かつて婚約者だった姫君の妹姫です。

王子様の婚約者だった姉姫は長い戦いの末に体を壊して、永い眠りにつきました。



「このように荒廃した国です。私は最後の王族としてこの国の未来を守りたいと思います。」



女王となった妹姫から王子様が渡されたのは「羅針儀」です。



「どうか、無事のお帰りをお待ちしています。」





王子様はたくさんの国々を見て回ります。


時には騙され、傷つけられる時もありました。それでも、同じだけ助けられ、笑い合う時もありました。





そんな王子様の周りには、たくさんのヒトが集まったのです。



かつては王子様と一緒に学んだ学友だった者もいます。

王子様と背中を合わせて危険を切り抜けた戦友も一緒です。

王子様に助けられ、恩義を感じて付いて来た者も居ます。


とてもたくさんのヒトが王子様と「世界の果て」を目指しました。




王子様たちは、長い道の果てに「世界の果て」と呼ばれる大陸の西に到着しました。




・・・しかし、そこには何もありませんでした。



「どうして!」

王子様はそう言って悲しみます。



一緒に来た者達も戸惑いを隠せませんでした。




そんな時に王子様の胸元から光が溢れます。




王子様が胸元から取り出したのは羅針儀。

女王となった幼馴染の妹姫から渡された羅針儀から溢れる光は、王子様達の居る場所からさらに西へと指し示しています。



驚いた王子様は決心しました。



「この海を越えて、さらに西へ進む!」



王子様の言葉に周りの皆が戸惑います。

それは、王子様と一緒にこの先の海の先に進んで行っても無事である保証がないからです。



あんなにたくさん居たヒト達は「俺は・・・、ちょっと・・・。」「私も・・・。」と言って、1人、また1人、と王子様から離れて行きます。



「私は付いて行きます!」

王子様に助けられ恩義を感じていた少年は、王子様に付いて行く事に躊躇いはありませんでした。


「私も付いて行く」

背中を合わせて戦いを切り抜けてきた戦友もそう言います。


「僕も付いて行こう。」

かつての学友も「君達だけだと不安だしね。」と言って王子様に同行の許可を取ります。




「ありがとう。」

王子様は嬉しさで泣いてしまいました。





次の日、4人は近くの港町で西へ向かう船を探します。



ですが、遠くまで行ける船はどこにもありませんでした。戦いの爪跡はこの遠く外れの地にも深く残っていたのです。



そこで王子様達は1度大きな港町まで戻って、そこで船を探す事にします。




ですが、その港町でも船を借りる事は出来ませんでした。

戦いによって、船は殆どが沈められてしまったのです。


どうしたら良いか、王子様達が考えていた所に見覚えのある女性が現れます。



「王子様達が船を探していると聞き、こちらに来ました。」

そう行った女性は、王子様が旅を始めたばかりの時に出会った女性です。



「はい、西の地に向かう為に船が必要なのです。」

王子様の言葉に、女性は「あぁ!良かった!」と言います。


「王子様、少し戻る事になりますが、我が国へお越し下さい。

そちらで船の準備が出来ました。」

女性の言葉に王子様達は驚きます。




「王子様、私が困っていた時に手を差し伸べてくれたのは、貴方様だけでした。貴方様のお陰で私は困難を乗り越え、家族と会う事が出来たのです。今度は、私が貴方様の助けになりましょう!」

女性はそう言うと、王子様に手を差し出します。


こちらの女性は戦いの最中に誘拐された令嬢で、自力で誘拐した者達から逃げ出したのだけれど、右も左も分からない土地で衰弱していた所を王子様に助けられていたのです。

その後、王子さまは女性が回復するのを待ち、女性をご実家のある国まで送り届けたのです。



女性の準備した馬車で王子様達は道を戻ります。

ようやくたどり着いた女性の国で子様達の為に準備されていた船は、とても立派な物でした。



「このように素晴らしい船を頂いて、大丈夫なのですか?」

王子様も仲間の3人も驚きます。


「私の実家で使っていた物なので・・・、急いで修理をしたので至らない所もあるかも知れません。

ですが、皆さんを『世界の果て』に連れていけるような船は、もうあまり残っていなかったのです。

航海士と船員、船大工も一緒にお連れ下さい。食料も積めるだけ積みました。

私も、私の家族も、貴方様には返しきれないのです!

この命を救って貰った事への恩を!だから、絶対に無事に帰って来て下さい!」

女性はこの国で1番の貴族の娘でした。

行方が分からなくなったと聞いたこの国の王様と両親は、混乱している自分の国からヒトを割いて女性を探しに行けなかった事を悔やんでいました。だから女性を助けてくれた王子様に感謝したのです。




王子様の行動の結果が、この船なのです。



「これで先に進めますね!」

学友だった青年の言葉に皆が頷きます。



「お気を付けて!」

王妃となった女性に見送られて、王子様達は西へと進みます。





西へは船員たちの手助けもあって順調に進みます。



初めての船旅に学友の青年と王子様は立ち上がれなくなってしまいました。


そんな2人の様子に戦士の青年が「やれやれ・・・。」と言いながら甲斐甲斐しく世話を焼きます。

付いて来た少年も身の回りの事を手伝ってくれていたので、2日目には何とか立ち上がれるようになったのです。



「もう大丈夫なのかい?」

航海士や船員たちに心配している様に聞かれるが、ニヤニヤしているのでからかっている事の方が大きいと言う事は戦士の青年には分かり切っていたのだが、王子様は「心配をかけて申し訳ない。」と至極真面目に答えているので、後々まで船員たちの話のネタになったそうです。



そうして、港を出発して1週間が過ぎた頃に「島が見えて来たぞ!」と航海士が言って来た時には王子様達は甲板を走れるようになっていた。




王子様が懐から羅針儀を取り出すと、光はまっすぐ島の中央に伸びて行きます。




「取り敢えず岸沿いに船を動かす、それでもその変な光が島の中を挿す様なら船を岸に付ける。良いか?」

航海士の言葉に王子様達は頷きました。



暫く船で沿岸に沿って動いた王子様達は「この大陸で間違いない」と船を下りようとしましたが、航海士や船員の勧めで日が明けるのを待って出発するようにしました。






次の日、日が海面に出たのを見計らって王子様達は出発します。



「ありがとうございました。」

王子様の言葉に航海士や船員たちは驚きます。


「コレが俺達の仕事だからな。王子様達が戻って来るのを待ってるぜ。」

航海士の言葉に王子様達は驚きます。


「船で1週間以上掛かる所に来たんだ、迎えに来るんなら待ってた方が良いに決まっているだろう?」

航海士は船員たちにそう言って豪快に笑います。



「まぁ、食料は魚を釣っても良いし日持ちする物がまだあるからな。だけど、あんまり遅くなるなよ!」

そう言って航海士と船員達は、王子様達を送りだしました。




王子様達は羅針儀を頼りに「世界の果て」を目指します。



剥き出しの大地は神々が住まう地とは思えませんでした。それでも、王子様達は羅針儀の指し示す方へ歩きます。






王子様達が羅針儀の光に沿って進んでいくと、何も無いかと思われたその土地に古いお城が現れました。



「どうしてこんな所に・・・。」

学友だった青年がそう言います。


「光はこの城の『中』に向かっているようですね。」

戦士の青年もそう言います。



ここに来るまで、魔獣との戦いで全員がボロボロになっていました。



「どうやったら扉が開くのだろう・・・?」

王子様も学友の青年も、戦士の青年も少年もお城の扉を開ける事が出来ませんでした。


「とりあえず、休める所を確保しよう。」

王子様がそう言って門扉の紋章に手をつけた時、その足元から光が溢れて行きます。





『よくぞ、ここ「最果ての地」までたどり着いた!』


辺り一帯が眩しく光って、王子様達は目を開ける事が出来ません。




『ヒトの子達よ、この地に辿り着いたそなた達の「願い」を我等は叶えよう。』


けれど、疲れていた王子様達は声が出せません。






「ヒトがヒトらしく生きられるような世界になって欲しい。」






そんな中、少年が声を上げます。



いえ、王子様達が少年だと思っていたヒトは少女だったのです。



少女は自分を偽らなければ、身を守れないくらい劣悪な環境で育ちました。

隣で生きていたヒトが次の日に死んでいる時もありました。


「戦争があるから、生きる事を選べない。」


そう言って死んでいったヒトを数多く見て来たのです。



少女は理不尽に殴られていた所を、王子様に助けられました。

王子様によって住んでいた所の環境が改善されたのです。

次の日の朝日を見る事に怯えなくても良くなったのです。



その日から、王子様は少女の「恩人」となったのです。




『合い分かった。勇敢なヒトの子達に、幸あれ!』



声が遠くなって行きます。




王子様達の目が覚めて、気が付いたらお城の中に居たようです。



『お待ちしていました。』

目の前の玉座に座るのは、光輝く髪を持つ女性です。


「貴女は?」

王子様がそう言います。


『そうですね・・・。私は皆さんの言葉で例えるなら「女神」と呼ばれています。』


「女神様!」

戸惑う王子様達に女神様は微笑みます。



『私達はずっと待っていたのです、この王国を任せられる者達を・・・。』

女神様は悲しげにそう言います。


「王国?王国があったのですか!?」

学友の青年が驚いた様に声を出します。戦士の青年も驚いているようです。



『遠い、遠い昔に、この地は穏やかなヒトの国があったのです。

今はこの通りですが、ようやくこの地を任せられる者達が現れたのです。」

女神様はそう言うと、少女に手を伸ばします。


「えっ!?」

驚いた少女は王子様の後ろに隠れます。


『怖がらないで、私達の愛し子。

貴女は、かつてはこの地で生きていた王国に住んでいた者の末裔なの。』

女神様の言葉に少女が驚きます。


「どうして・・・!」

少女の言葉に女神様は微笑みます。


『私には、かつてこの地にあった国の王との約束があります。

「この地に王国の子孫が訪れた時には、受け入れて欲しい。」と、「その者が望むのであれば、他国の者も受け入れて欲しい。」とも言っていました。

貴女にはその権利があります。だから、お願いします。

この地を受け入れて貰えませんか?』

女神様の言葉に少女も驚きます。


「考えさせて欲しいです。」

少女は戸惑いながら、漸く言葉を口にします。


『えぇ。貴女には、その権利があります。

大丈夫です。私たちには、時間はたくさんありますもの。貴女の選ぶ「未来」は1つではありませんわ。』

少女の言葉に女神様は微笑んで頷きます。



女神様が玉座から立ち上がると、その姿を王子様達が見る事は出来なくなってしまいました。




外は暗くなっていたので、王子様達はお城の中の1室に泊まる事にしました。




次の日、外に出ようとした王子様の目の前に、瑞々しい緑色の葉を湛えた一枝が現れます。

王子様は戸惑いましたが、その一枝を持って王子様達は「世界の果て」のお城から出ます。



すると、どうでした事でしょう!



昨日までと違って、荒廃した大地は緑に溢れ、遠くには清らかな水を湛える湖が見えます。




「王子様。」

外の景色に驚く王子様達に、少女が声を掛けます。


「王子様。私はこの地に残ります。」

少女の言葉に王子様達は驚きます。


「どうして?」

王子様は少女に問いかけます。



「私が、この王国の民だからです。」

少女の答えに王子様達が驚きます。



「この光景を見て、私は決めました。

天に住まう父なる神は、私達の願いを叶えてくるでしょう。それならば、私は天に住まう方達の願いを叶えようと思ったのです。

・・・実は、私の遠い先祖は『海の向こうから来た』と父が言っていました。それを教えてくれた父はもういません。ですが、もし、ここが私達のご先祖様達の住んでいた場所であるなら・・・、私は、私を受け入れてくれるというこの地で暮らそうと思うのです。」

少女の言葉に王子様達は驚きます。



「それなら、私も残ろう。」

そう言ったのは戦士の青年です。



「えっ?」

王子様も、学友の青年も、少女でさえも驚きます。


「君が1人で残るというのであれば、私と2人で残った方が悲しくは無いだろう?

君のひ弱な腕では薪を集める事は出来ても、食べる物を集める事は困難だろう?」

戦士の青年の言葉に、少女は驚きます。


「それでは王子様の「私なら大丈夫だよ。」

少女の言葉を遮って王子様は2人に向き合います。


「君達2人は私の大切な仲間なんだ!本当は一緒に帰りたかったけれど・・・。

・・・君は決めてしまったのだろう?」

王子様の言葉に少女が涙を流し頷きます。



「それなら、僕は大陸に戻ったらヒトを集めて戻ってこよう!」

学友の青年がそう言います。


「さすがに『2人だけ』の王国では心元が無いだろう?だから、僕はヒトを集めて戻ってくるよ!」

学友だった青年の言葉に王子様も頷きます。


「私も王国に帰る時に、たくさんのヒトに声を掛けるよ!だから、待っていてくれ!」

王子様の言葉に少女と戦士の青年が頷きます。



4人は船のある所まで、一緒に戻りました。



船に王子様と学友の青年だけが乗り込んだ事に航海士達は驚いたけれど、手を振る2人に王子様達と船員達は手を振り続けました。





大陸に戻った王子様は驚きます。


港には、たくさんのヒト達が王子様達の帰りを待っていたからです。



「無事にお戻り下さってありがとうございます!本当に良かったです。」

王妃となった女性が王様と一緒に出迎えます。


「君達が港を出港して2週間になる頃、空が輝き天からの声が響いた。

君達が『世界の果て』に辿り着き天の王に謁見したという事は、この大陸に知らない者は居ない。

本当に、よくやった!」


王様の言葉に王子様は驚きました。そして、天の王との会話を王様に伝えます。




そして、最後に王子様は王様に言いました。


「西の果てには、緑溢れる豊かな大地が広がっています。その地はヒトを受け入れるそうです。

私の仲間がその地で待っているので、大陸からの移住を希望する者に権利を与えて欲しいのです。」



王子様の言葉に王様は驚きます。


今は大きな戦の後です。どの国もヒトの手が必要なのです。


「緑溢れる地、なる程・・・。

それは移住を希望する者がいるかも知れないな。我が国としては国民に残って欲しいのだが・・・。

・・・よし!移住を希望する者の為に我が国から船を出そう。」

国王様は自身の国の復興が遅れる事になっても、国民が「幸せ」に暮らせる事を選びました。



王子様は国王様に感謝の言葉を伝えます。



その時、王子様が手に持つ「若葉の枝」が輝いて分かれ、その枝が国王様の手に渡ります。




「これは・・・?」

戸惑った国王様が王子様に聞きます。


「王国の中心、もしくは王国を見渡せる場所に植えて下さい。

そして、この枝が枯れないように成長を見守って欲しいのです。」


王子様が「若葉の枝」を手に取った時に聞いた言葉を国王様に伝えます。


「分かった。」

国王様はそう言って王妃様と一緒に王子様を見送ります。



帰る先々で懐かしい顔を見て、お互いに再会を喜びます。






そうして、王子様と学友の青年は女王となった幼なじみの妹姫を訪ねます。



「無事にお帰り下さって、ありがとうございます!」

王子様を迎えた女王様は、最後にあった時よりも美しく成長していました。




「預かった羅針儀をお返しします。

女王陛下にお借りしたこの羅針儀が、私の旅を勇気付けてくれました!本当にありがとうございます。」


「いいえ、本当だったら私も付いて行きたかった・・・。

でも、私はこの国を守ると決めたのです。私がお渡しした羅針儀がお義兄様のお役に立てたのであれば、それは本当に僥倖な事です。」



女王となった妹姫は、本来であれば女王となる筈だった姉姫と隣国の王子の結婚をとても楽しみにしていたのです。


戦が起き、姉姫が心を病んで永い眠りについた時、妹姫は戦いを心の底から憎みました。

だから戦が終わった時、自分が女王となって国に残った民達を「幸せにしよう!」と思ったのです。


隣国の王が天の王に祈りを捧げたと知った時、妹姫が王位を就いでいなかったなら王子様に付いて行ったでしょう。それが出来なかったから、王子様に女王様の想いである「羅針儀」を渡したのです。



もう何度目でしょう。

王子様の持つ「若葉の枝」が女王様の手に渡ります。




今までもたくさんこの光景を見てきました。

王子様の言葉を嬉しそうに聞いた女王様は、早速この枝を王国の中心であるお城の庭に植えました。




女王様に見送られて、王子様と学友の青年は懐かしい自国に帰ります。





「よくぞ戻った!」

出迎えてくれた両親はだいぶ歳をとっていました。



それもその筈です。



王子様がこの王国から出発して、既に7年が経っています。17歳だった王子様は24歳になっていました。



「そなたの働きは、私の誇りだ。そなたに王位を譲ろうと思う。」

父王は王子様にそう言いました。



「いいえ、父上。王位は、今までこの国の為に父上の傍に居た兄にこそ相応しい。

私にはやるべき事があるので、王位は辞退いたしまします。」

王子様の言葉に周りの臣下達、それと兄王子が驚きます。



「やはりか・・・。」

父王の言葉に周りが驚きます。


「だが、そなたが今日まで行って来た事は、王位に値する行動だ。

この先、そなたに困難が起きた時には今日までの事を心に浮かべると良い。」

父王の言葉に王子様は頷きます。


そうして、持ち帰った「若葉の一枝」を父王に手渡します。




小さな王国には、とても不思議な湖があります。

魔力を含むその湖は結晶を生む事で大陸に名が知れていました。目で見て湖が見えるのに、誰もその湖に入る事が出来ない不思議な湖なのです。



王様は王子様が国を出る前にその湖に「若葉の一枝」を植えました。

この場所であれば、この地に訪れるヒト達が苗木となった「若葉の一枝」を慈しむ事が出来ます。

そして、いつでも自分達の自慢の王子を思い出してくれると思ったからです。



そうして王子様と学友の青年は、大陸からたくさんのヒト達と共に大切な「仲間」の待つ「世界の果て」と呼ばれた「希望の地」へと旅立ったのです。









「おわり?」

ソールさんはそう言って私を見上げます。


「えぇ、この絵本ではココまでのようですね。」

絵本を閉じた私がそう言います。




先日見てきた演劇の絵本をギースさんが探してくれたので、ソールさんに読んで聞かせました。

私がお借りした本よりも内容は圧縮されていますが、大体こんなお話しでしたよ。














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