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56 わくわくの・・・ 3ページ目








みなさんこんにちは!


今日はアスラさんがお休みなので、帝都の観光(?)に行きますよ!





「ネコさん、お留守番お願いしますね?」

「にゃう!」

帝都内のお出掛けなので、モフモフのその毛並みを一撫でしてネコさんにお留守番をお願いします。



いつもの商店街を抜けて右に曲がると大通りに向かう道となります。


帝都は、中央の大通りを挟んで左右に分かれて都市が成り立っています。お城は少し小高い丘の上にあるので坂道を上らないと行けません。そして、お城を囲むように丘の外側に騎士団本部の建物が建っています。凄いのは、騎士団本部が丘の下にあるので、その騎士団本部の3階部分がお城の1階部分に渡り廊下で繋がっているのです。

騎士団本部の後ろ側には師団毎の建物があって、そちらからもお城に向かえるみたいなのですが、一般の方は使えないみたいです。・・・あれ?私、前に使ったような気がしますよ・・・?


お城に向かう通りの両側が高級住宅地となっていて、貴族の皆さんがお屋敷を構えているみたいです。

古くから皇家に仕えている貴族なんかは本当に凄い豪邸なんですよ?ヴァレンタ家のお屋敷も素敵なのですが、お義父さんのお兄さんであるスターリング侯爵家の帝都にあるお屋敷は本当に素晴らしいお屋敷でした。

今はスターリング侯爵夫人と令嬢であるラヴィアーネさまが住んでいらっしゃるのですが、私には考えられないような贅沢が至る所に詰まっていました。・・・多分、これから先、1人では行かない場所です。



お城から延びる道が緩やかに下がって来ると、そこに中央広場が現れます。


中央広場からお城寄りに貴族さまが住む地区となっていているのですが、後から帝都にお屋敷を建てた貴族のお屋敷は郊外に建っているそうです。

平民もお家を建てる事が出来るのですが、一戸建てのお家を建てる時には役所に行って必要な手続きをしないといけないので、帝都に住んでいるヒトはお店とかを経営している場合を除いて、一戸建てに住んでいるヒトよりも集合住宅に住んでいるヒトの方が多いみたいです。


手続き、面倒ですよね~。




私達は大通りを真っ直ぐ南側の外門に向かって歩きます。



「港湾都市に続く南地区は、大陸から運ばれてくる物を扱っている所もありますから見ていて楽しいと思います。」

私達が目を離すと直ぐに消えてしまうソールさんに気を付けながら、アスラさんは通りを案内してくれます。ソールさんも最初は私と手を繋いでいたのですが、見る物殆どに興味を持ったようでピヨピヨとお店に近付いたり離れたりを繰り返しています。


そして、私がアスラさんと手を繋いでいるのですが、どうしてなのでしょう?



「ぴかぴかしてる!」

ソールさんの気になった物は反射板の付いたランタンの様です。

アスラさんの説明を聞いて、ソールさんは楽しそうにランタンを見ています。



「フィーナは知っていたのですね。」

「はい。お店でも扱っていましたし、実際に使っていました。」


アスラさんにはそう言いましたが、私の実家で使っていた物はもっとシンプルな物で、このランタンの様な装飾はされていませんでしたよ。



ランタンは形こそ前世でも馴染みのある形をしていますが、中には蝋燭では無く「光石」という魔石を中に入れて使います。

この光石がとても便利で、光の当たる所に置いておくと暗くなった時に光を発するようになるのです。私たちが住んでいるお家でも使っているので、ソールさんがそこまで珍しがるとは思わなかったので少し驚きましたが「どうやら、ランタン本体の方が気になるみたいですね。」と言ったアスラさんの言葉に納得しました。


ランタンを下から覗く形となっているソールさんは「ぴかぴか~」と言っては「まぶし!」と目を覆っているので、お店のヒトも微笑ましそうにソールさんを見ています。



強いて言うなら、私達はまだ目的地である南地区にたどり着いていません。


ナゼならば、私とソールさんがこんな風に脇道に逸れているからです。

こんな状態でもアスラさんは私達に付き合ってのんびりと進んでくれます。



「ソールさん、そろそろ先に進みませんか?」

私の言葉にソールさんも「あい。」と言ってお店のヒトに手を振って先に進みます。


南地区の中心地に近付くにつれて通りにいるヒトが多くなってきました。こうなってくると、ソールさんを1人で歩かせるのはキケンです。ソールさんもヒト混みに飲み込まれるのは新緑祭の時に体験しているので、アスラさんのシャツの裾をしっかりと掴みます。



南地区は他の地区と違って色彩豊かな建物が目に付きます。



「凄いですねぇ、何だかワクワクしてきます。」

私がそう言ってアスラさんを見ます。アスラさんも「えぇ。」と言ってソールさんを抱き抱えます。それにソールさんは驚いたようにしてアスラさんを見ますが、視点が高くなったので遠くが見える事にはしゃいでいます。


相変わらず私の手はアスラさんと繋がれていますが、このヒト混みではぐれたら危ないのでこのままでいさせて下さい。




帝都では珍しい色付きのガラスに目が止まりました。

私達の居る大陸では色の付いているガラスは「超」高級品です。私の目の前に並べてあるグラス1つで少し良いお値段のお宿に1泊出来ますからね。書いてある数字に驚きます。



アスラさんとソールさんが私を見ていたので「先に進みましょう!」と歩きだします。



そうして、本来の目的地である大陸からの輸入品を扱うお店にやって来ました!





入口の扉を開けたら店員さんが「いらっしゃいませ。」と迎えてくれます。




白い壁の3階建てのお店の扉をくぐると、一気に別世界です。

壁や設置されている棚には見た事の無い変わった置物が並べられています。貴金属なんかは上の階に置いているみたいです。前世的にはデパートの様な感じでしょうか?何だか楽しくなって来ました!



「ここからは自由行動ですね!」

「えっ!」

私の言葉にアスラさんが驚いたようにしていますが、そうですよね、ソールさんが1人で歩いていたら危ないですよね。


「ソールさんは、私と一緒に店内を見ますか?それとも、アスラさんと一緒の方が良いですか?」

「みゅっ!?」

私の言葉に、アスラさんの腕に抱えられているソールさんは驚いたようにアスラさんと私を見ます。



「おとしゃんは?」

ソールさんの言葉にアスラさんが同意していますが、一緒に見て回るのはいつも通りです。



「このお店に居る間は別行動です!」

私がそう言うと、アスラさんが困ったように私に聞いてきます。



「フィーナ。どうしてなのか、聞いても良いですか?」

「秘密です!

・・・と言いたい所なのですが、種明かしです。今日はいつも頑張っているアスラさんにプレ・・贈り物をしたいので、その贈り物を選ぶ為に別行動なのです!」

「成程・・・。」

私の答えにアスラさんが考え込みます。そうそう、「プレゼント」と言う言葉は通じないのでした。



「そーるも!」

アスラさんの腕の中でソールさんがシッカリと両手をあげて「アスラさんへの贈り物作戦」への参戦を表明します。


「それならば、私と「いえ、ソールは私と一緒に店内を回ります。フィーナ、決して1人で店から出ないようにして下さい。何かあったら、連絡を下さい。」

ソールさんは驚いたようにアスラさんを見ていますが、アスラさんの言葉に嬉しそうに「でしっ!」と頷いてウンウンと頷いています。ソールさんに伸ばした私の手は、アスラさんの言葉によって行き場を失ってしまいました。

・・・やっぱり「男の子」なソールさんは「お父さん」と一緒の方が安心するのでしょうか?



「では、お買い物が終わったら・・・、この場所に集合。でどうでしょう?」

「えぇ、分かりました。」

「あいっ!」

ソールさんの元気なお返事を少しだけ寂しく思いますが、私の言葉で私とアスラさんが2手に分かれました。




・・・ところで、アスラさんへの贈り物は何にしましょう?


綺麗な装飾の付いた物や、シンプルで使いやすそうな物。どちらも贈り物には最適ですよね?見ているだけで楽しくなって来ます。




・・・もちろん、ソールさんの分も忘れていませんよ?



お2人にお揃いでの贈り物も良いかもしれません。選ぶ選択が増えるので迷ってしまいますが、どうして贈り物を選ぶ時って楽しいのでしょう?


置物はぬいぐるみがたくさんあるので止めておきましょう。



私は2階へ続く階段を上りました。









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