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54 わくわくの・・・ 1ページ目






みなさんこんにちは!最近は暑い日が続くようになって来ました。




3月も半分が過ぎて、雨の日よりも晴れている日が多くなって来ましたよ。


何より、最近はジワジワと日差しが強くなって来たので毎日がお洗濯日和です。この日差しは6月くらいまで続くので、日焼けに注意が必要となります。・・・ただ、前世で住んでいた所よりは涼しいと思うのですが、どうなのでしょう?今では、あの暑さに耐えられる気が全くと言って良いほどしません。



昨日、アスラさんに「長期休暇の日にちが決まりました」と教えて貰いました。



長期休暇は師団毎に1週ずつずらして取るようになったみたいです。


アスラさんは第3師団所属なので、4月の3週目がお休みなんだそうです。1週間もお休みがあるのに、その上で師団長さんから「結婚のお祝い」として5月の1週目までの計3週間分ものお休みを頂いてしまったのです。



こんなにお休みを頂いて大丈夫なのか心配になったので、お仕事に支障が出ないのかとアスラさんに聞いてみたのですが、帝国騎士団に所属している騎士の総数はおよそ800人なんだそうです。1つの師団にはおよそ100人の騎士が所属しているんだそうですよ。


人数的に少ない!って思ってしまいましたが、魔法の存在しているこの世界では普通なのでしょうか?



「今日明日で戦争が始まるのであれば師団毎の休みはそもそもが無理です。今は大きな争いもありませんし、4月に入ると貴族達も領地に帰ります。そうなると騎士は比較的する事が無くなるので、毎年この時期には長期休暇が割り当てられているのです。

フィーナが心配に思う事も分かりますが、帝国を守っているのは騎士団だけではありません。各都市や町には兵士団がありますし、帝都には魔術師の塔もあります。騎士団で師団毎に週替わりの休みを取るくらいなら、問題はありませんよ。」

それと、アスラさんの言葉に思わず頷いてしまいましたよ。


確かに、共和国と隣り合わせの辺境伯領には騎士団から騎士が派遣されていますし、神聖王国との間に連なっているアーバレスト山脈の山頂には昔の魔法使いさんによってヒトが通れない魔法が掛けてあるので、神聖王国からアーバレスト山脈を越えてくる事は出来ませんからね。神聖王国との国境の砦も騎士団から派遣された騎士さま達が駐留しているので、何かあった時には騎士団本部に連絡が来るようになっているのでしょう。


騎士団本部には誰かしら騎士さまがいるので、確かに問題は無さそうですね。



アスラさんの説明を聞いて「なるほど!」って思ってしまいました。

ソールさんはアスラさんの説明が難しかったのか、一生懸命ミルク寒天を食べていましたよ?暑い日の冷たいデザートは格別ですよね。




「それで、その休暇の時にフィーナの実家に行きませんか?」


私はアスラさんの言葉に一瞬付いて行けなかったのですが、ソールさんが嬉しそうに「いくでし!」と言っているのを聞いて「良いですね!」と言いました。



・・・アスラさん。まさか、私の「帰省計画」を察知したのですか?





「アスラさんもお出掛けする時があるならば言って下さいね?折角のお休みですから、どこか行ってみるのも良いのではないでしょうか?」

いつも、お休みの時には私のお買い物に付き合って貰っているので、たまにはのんびりと1人でのお出掛けも良いと思うのです。



「そうですね・・・。考えてみます。」

アスラさんもそう言ってこのお話は終わりました。





次の日に、お母さんに連絡したのですが、ニアちゃんに聞いていたのか「出発の日が決まったら教えてね」と言って家族の近況を教えてくれました。

お兄ちゃんもニアちゃんも変わらずにいるようで良かったです。ティアちゃんは学園の行事に積極的に参加をしているみたいで、スバルくんも最近はイロイロと落ち着いてきたみたいです。・・・スバル君からは、相変わらず手紙が定期的に来ているのです。なので、家族の中ではスバルくんに関しては良く分かるのです。その事については、嬉しいような悲しいような・・・、何とも言えない気持ちになります。それと、お父さんも相変わらず・・・。だそうです。でも、元気そうで良かったですよ。

お母さんとの通信は、お母さんの「それじゃあ、元気でね」の言葉で終了しました。最後の方は、何だか焦っていたみたいですが、何かあったのでしょうか?




その後、お義母さんにも伝えた方が良いのかな?と思って、お義母さんにもアスラさんのお休みの日にちの連絡をしました。



「まぁ!そうなのね。それなら、我が家の領地に来てみない?」

お義母さんの言葉にビックリしましたが、何とか声を出さずに続きを聞く事が出来ました。


「毎年、4月から7月の間に領地に帰っているのよ。

今年はギリアムとシルミアが学園を卒業する年だから、お祝いを兼ねてのお茶会を開こうと思っていたの。フィーナさんも参加しては如何かしら?


あっ!身内だけの小さなお茶会だから気にする事は何もありませんよ?


いえっ!お茶会には参加しなくても良いので、領地に遊びにだけでも来ませんか?


えぇっと・・・、ご実家からお帰りの際に顔を出すだけでも・・・。どうかしら?」


お義母さんのお話に最初は慄いてしまいましたが、どんどんとお話の規模が小さくなっていますよ?どうしたのでしょうか?



「えぇっと、アスラさんに聞いてからのお返事でも大丈夫でしょうか?

今日の夜にアスラさんにお話をしますので、明日にはお返事出来ると思います。」


私の実家ならばともかく、ヴァレンタ家の領地に遊びに行く事については、私1人では決められませんからね。アスラさんにお話をしないといけません。



「えぇ、大丈夫よ。是非、お茶会に参加して欲しいのだけれど・・・。いいえ、お茶会はいつでも出来ますもの、遊びに来てくれるだけで嬉しいわ!連絡、待っているわね!」


・・・お義母さんの中では、既に遊びに行く事が決定しているみたいなのですが、どういう事なのでしょう?

そうですよね。アスラさんのご実家に自然に顔を出せるのは、結婚した最初の年ですよね。次の年とかに何かがあって、顔を合せなくてはいけくなった時に「あの子誰かしら?」ってなったら大変です!

・・・アスラさんに要相談!ですね。




「おかしゃ~ん!おかしゃん、たいへんでし!」

お義母さんとの通信が終わった所に、ソールさんが飛び込んできました。


ソールさんの手には鉢植えがしっかりと抱えられています。


「なにかでてきたでし!」

ソールさんはグイグイと鉢植えを私に見せて来ます。



「あっ!芽が出て来たのですね!」

鉢植えの中では小さな芽が何個か出ていました。


先日、ヴァレンタ家にお呼ばれした時に、ちょうどお庭のお花の入れ替えをしていたのです。ソールさんとその様子を見学していたら庭師さんにお花の種を貰ったので、ソールさんが育てている所なのです。


「め?」

ソールさんはそう言いながら鉢植えを覗きこみます。


「そうですよ。この小さな芽が大きくなってお花が咲くのです。楽しみですね!」

私がそう言うと、ソールさんも嬉しそうに「あいっ!」とお返事を返してくれます。



そうそう、私が育てているキュウリですが、少し前までの雨の降っていた時にお花が咲いていたのですが、ここ最近のお天気でグングン成長しています。今朝確認したら、小さな実が出来ていたのです!

あまりの喜びに、思わず起きて来たばかりのアスラさんに報告してしまいました!アスラさんも「楽しみですね」と言ってくれましたよ。一緒に確認したソールさんも、楽しみにしているようです。



コツコツと冬に備えて備蓄をしているのですが、キュウリは保存出来るのでしょうか?

・・・真空パック出来るのであれば、保存も可能なのでしょうが・・・。後はピクルスくらいしか思い付きません。ピクルスの長期保存は、どうなのでしょう?








夕方、お仕事から帰って来たアスラさんにソールさんがお花の芽が出た事を報告していました。ソールさんの報告をアスラさんも嬉しそうに聞いています。



夕食の後、アスラさんにお義母さんからのお話を伝えたのですが、アスラさんは「どうしますか?」と逆に私に聞いてきました。どうやら、ヴァレンタ家の領地は商業都市から西北に1日くらいの所にあるそうです。


「・・・あれ?意外と近場ですね。」

私が素直にそう言うと、アスラさんは意外そうに私を見ます。


「地理関係はある程度分かるのですが、どなたが治めている領地かと言われると微妙な感じです。試験には出ませんから・・・。」

そう私が言うと、アスラさんも納得してくれました。


「・・・そうですね、帝都の学園ではある程度授業で習いますが、確かに平民には重要な事ではありませんでしたね。すみません。

学院でも貴族の授業と平民の授業はある程度同じにはしているようですが、やはり違いがありますし。

騎士学校でも地理関係に重点を置いているので、領地を治めている方はその次の扱いでした。」


・・・そうですよね。派遣先がどこであれ騎士には特権が与えられますから、領主よりも強い権限を持つ時がありますよね。アスラさんの説明に、ちょっぴり遠い目をしてしまいましたよ。



「それで、領地の方はどうしますか?無理に行かなくても良いで「いえ、せっかくお誘いして貰ったのですから、挨拶に寄っても良いと思うのです!」

アスラさんの言葉を遮ってしまいましたが、ここは言わないといけません!



私の実家にだけ顔を出して、アスラさんのご実家に顔を出さないなんて不公平ですからね!



「本当に良いのですか?」

アスラさんは私にそう聞いてきます。


「はい。大丈夫ですよ!」

私がそう言うと、アスラさんは少し嬉しそうに「ありがとうございます」と言います。


「領地にはお祖父様達も居ますが、挨拶しますか?」

と言ったアスラさんの言葉に私が「え?お祖父さま?」と返すと、アスラさんは困ったようなお顔のまま頷きます。


アスラさんのお祖父さま?


・・・まさか、先代スターリング候爵さまではありませんよね?



「一応言っておきますが、お祖父様はせんだ「ちょっと待って下さい!」・・・はい・・・?」

その言葉、最後まで言わせませんよ!


あぁっ!でも、確かにあり得るお話です。だって、商業都市内に住んでいる侯爵様ご家族は当代様ご一家のみでした。先代さまが帝都に住んでいらっしゃる気配がないのですから、他にあり得る場所と言ったら息子さんであるお義父さんのご領地くらいですよね?


「・・・いえ、行きます!大丈夫ですよ!」

偶に思い出しますが、女は度胸!です。「大丈夫です。大丈夫・・・」と自分に言い聞かせます。心配そうに私を見ているアスラさんには申し訳ないのですが、「何とかなる!」って言う感じで行かせて貰いますよ!



「お祖父様もお祖母様も厳しい方ではありませんから、大丈夫ですよ?」

アスラさんはこう言って来ますが、お2人にお会いした時にガラリと豹変したら私泣きますよ!その時は慰めて下さいね?



せっせと読んで欲しい絵本を探していたソールさんは、私を「???」と言ったお顔で見ながらアスラさんに絵本を渡します。



後1月後、私は無事でいれるのでしょうか!?










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