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39 おまつりは・・・ 1ページ目








皆さんこんにちは!お祭りの屋台が私を誘惑してきます。



新緑祭も8日目となりました。





先程、義両親に刺繍したハンカチを渡して来ました!



「まあ、まあ、まあ!本当に素敵!大切にするわ!」

お義母さんはそう言って嬉しそうに微笑みます。


「これは素晴らしいな!」

お義父さんも刺繍を褒めてくれました。


・・・ただ、バラの模様が使えるのは今月いっぱいの様なので、本格的に使うのは来年になりそうです。

義両親には来年は違う物が揃えられると思うので、私の刺繍した物は日の目を見る事が出来るのか分かりませんが、喜んで頂けたので私も嬉しいです。




「私達にまで良かったのかい?」

一緒にコルネリウス義兄さん達にも準備した物を渡したのです。こちらに居る皆さんにはどうせこれからお世話になるので、昨日せっせと5枚刺繍したのです。


私が1度もお会いしなかったコルネリウスさんの奥さんであるイレイズさんは、ヴァレンタ家のお屋敷に来る前にご実家に帰ってしまった様なのですが、私がお会いできる機会はあるのでしょうか・・・。

コルネリウスさん達がお屋敷に到着した日も、私は刺繍をしていたと言う事でサロンに呼ばれなかったみたいです。なので、お義母さんも到着した息子さん家族との団欒を楽しんでいたと聞きました。初めは聞いていて違和感がありましたが、貴族では普通なのでしょうか?自由で良いですね。


お義兄さん達には本当に急いでの刺繍だったで家紋のワンポイントの刺繍です。ギリアムさんとシルミアさんは学生さんなので周りに誤解の出ない様に、学園の制服の色と合わせた臙脂のリボンに白い糸での刺繍です。リボンは髪に結んでも良いですし、制服のリボンタイとしても使えるように刺繍しました。



「おぉ・・・!」

何だかゼーセス義兄さんが感動しています。どうしたのでしょう?


「素敵!」

「うん。」

シルミアさんとギリアムさんにも喜んで貰えたみたいで良かったです。



それと、ソールさんとゼーセスさんが不思議な意気投合をしました。これにはアスラさんの家族の皆さんが驚いていました。


コルネリウスさんは「優しい」お兄さん、ゼーセスさんは「面倒見の良い」お兄さんっていう感じなので、ソールさんも安心したのでしょう。ギリアムさんとシルミアさんは前にお会いしていたので、ソールさんはニコニコしながら突撃していました。

お義父さんとお義母さんが「納得がいかない!」とアスラさんに言っていましたが、思い返してみたら「ソールさんは人見知り」ってアスラさんが言っていた気がします。アスラさんも「あれ?」みたいな感じでソールさんを見ているので、間違いはないみたいなのですが・・・。


実際、私が見た感じでは、ソールさんは楽しそうにしています。


「何か、心境の変化があったのかも知れませんよ?」

そう私が言ったら、義両親とアスラさんはソールさんを見て「そうなら良いのだけれど・・・。」と言いますが、それ以外に何があるのでしょうか?





「新緑祭を見に行こうと思っているのです。」

お昼前にお義母さんに言ったら「まぁ!それならば、そろそろ出た方が良いのではないかしら?」と言われてヴァレンタ家を後にしました。









「帝都の新緑祭は、見る所がたくさんですね!」

商業都市での新緑祭は「パレードを見る」くらいしか見るものがないので、露店や興行が開かれている帝都は賑やかに感じます。大通り入口でヒトの波に流されそうになった私とソールさんですが、ソールさんは「抱っこ」私は「手を繋ぐ」といった感じでアスラさんから「はぐれない」様に大通りを歩いています。



「今年の新緑祭は陛下の御子様の誕生も一緒に祝おうと、城下で企画されていたようです。」

アスラさんがそう説明してくれますが、周りの賑やかな様子にソールさんは大はしゃぎです。大通りは馬車が迂回して通るように指示されているので大通りはたくさんのヒトで溢れています。


大通りの両側にたくさんの出店が並び、それぞれのお店では、売り子さん達が声を上げて呼び込んでいます。お昼時という事もあって、飲食店の店員さんでしょうか?色々な所から声が聞こえます。




「ふぉ~~。しゅごい!」

ソールさんは空から降り注ぐように落ちてくるお花の幻視魔法に興味津々の様です。


幻視魔法は高位魔術です。本物と見間違えるほど良く出来たこちらの魔法は、帝都に住むヒト達に皇家からの「贈り物」だそうです。



さすが皇家、やる事のスケールが違います。



そんな事を思いながらアスラさんと通りを歩いて行きます。アスラさんも「新緑祭をこうして回るのは随分と久し振りです。」って言っていましたから、ゆっくりと見て回れれば良いかな?って思います。


通りに沿って露店が開かれて、串焼きや蒸しパンの様な食べ物や革製品なんかを扱っているお店もあります。

ソールさんはビーエの蜜が使われたお団子が気に入ったようです。私はビーエの蜜が練り込まれたお菓子とドライフルーツのお菓子を買って食べています。ソールさんを抱きかかえ、荷物を持ってるので両手の塞がっているアスラさんにもお裾分けでドライフルーツの焼き菓子を僭越ながら私が食べさせます。

お昼の時間という事もあって、ヒトがたくさんのこの状態で「アスラさんから離れない」様に手が空いている時はアスラさんの腕に摑まります。



食器や小物、日用品などたくさんの商品があるので、露店や屋台は見応えがあってとても楽しいです。



ソールさんも初めて見る物がたくさんで、見る物全てが新鮮なのでしょう。色々な物に興味を引かれているようです。今見ている物も私の実家にはありますが、こちらのお家やお屋敷には無い「木の食器」です。

高さが低めのこちらの露店は、ソールさんが立って見るのに丁度良い高さです。「ふぉ~~。」と言いながらソールさんは木の器を見ています。

・・・確かにお家で使っている食器はとても良いものなのですが、ソールさんには少し重そうに見えたり使い難そうにしている時があります。買っても良いと思うのだけれど・・・。


私はアスラさんを見ます。



アスラさんも私を見ていたので少し驚きました。



「フィーナが良いと思うなら買おうと思うのですが、どうでしょう?」

アスラさんからこう言われた時は少し驚きましたが、反対する理由が無いので「買っても良いと思います。」と返事しました。


ソールさんの手が陶器の器や金属の食器を使うには「小さい」事をアスラさんも気付いていたようです。お屋敷では食事をしやすいように料理に工夫されていたり子供用の食器が使われたりしていましたが、素材は同じ陶器だったり金属です。私もご飯を出す時になるべく食べやすい様にと料理は工夫できますが、食器類はどうしようもありません。ここで初めてプラスチックのお皿がとても懐かしく思いました。




木の器とスプーンを3人分お揃いで買ったら、ソールさんが嬉しそうに「ありがと!」ってアスラさんに言っていました。そんなソールさんの様子にお店の人も気を良くしたのか「おまけ」と言って小さい木彫りのカリャンをソールさんに渡してきました。アスラさんが驚いていましたが、ソールさんが嬉しそうに「ねこ!」と嬉しそうに言っていたので「ありがとうございます。」とお店の人に言って私達はお店から離れました。





通りの中心を踊り子さん達が踊りながら行進しています。




ふと目に付いたお店で可愛いノートを見つけました。そう言えば、二アちゃんが「お菓子の作り方を教えて欲しい」って手紙で書いて来ていた事を思い出しました。

丁度、日記に使っているノートも残りが少なくなってきましたし・・・。

私の見ている先をアスラさんが「入ってみますか?」と言ってくれますが、お店はとてもファンシーな感じです。アスラさんが入るには勇気が居る場所となっていますし、お祭りの時に買わなくても良い物です。


「いつも利用している商店街にもノートを置いている所は有りますから、今は大丈夫です。」

私がそう言うとアスラさんは「そうですか。」と言ってソールさんを抱き上げます。えぇ、チョロチョロと動くソールさんはアッと言う間にヒトの波に消えてしまいますからね、私も驚きました。「ぴぇ~~っ!」と言う声で「あそこか!」と判断できますが、ソールさんも焦って動くので周りの皆さんが面白そうに私達を見ます。



とソールさんのお腹から「きゅるる~~。」と可愛らしい音が聞こえてきます。


いつものソールさんならば「お腹が空いた」と主張してくるのですが、今日は見る物が楽しくて「食べる」事が忘れられているみたいです。露店で売っている物を買って口に入れてはいますが、動いてもいるのでソールさんには物足りなかったのかもしれません。


アスラさんもずっとソールさんを抱えていますし、荷物も持っているので何処か休める所に入った方が良いのかな?と周囲を見ます。


「アスラさん、何処か休める所に入って食事にしませんか?お昼の時間も大分過ぎていますし、飲食店は空いていると思うのです。ソールさんも興奮気味ですし、一度落ち着いた方が良いと思うのです。」

私がそう言うと、アスラさんも頷いて通りの端の方に誘導してくれました。



「ソールさん、何か食べたい物はありますか?」

私がそう聞くと、ソールさんはようやく「自分がお腹が空いている」と気付いたみたいです。


「んとね!そーるね、さっきの『あまいの』がいい!」

1番最初に食べた物ですね、ソールさんは「お団子」が気に入ったみたいです。


「お団子は、後でもう一度買いに行きましょう?少し遅くなりましたが、お昼ご飯を食べましょう。」

私がそう言うと「ごはん?」とソールさんは言います。私は「ご飯」と「おやつ」は違う物だと教えていますからね、ココでどういった返事が来るか・・・。


「ごはん!・・・そーるね、『たまご』がいい!」

・・・さすがです、ソールさん!100点満点の答えですよ!



私はアスラさんと視線を合わせます。アスラさんが頷いて、私も頷き返します。



「そうですね。卵料理の食べれる所を探しましょう。」

アスラさんはそう言って周囲を見回しますが、私からはヒトの波しか見えません。




「!そーるね、『あれ』がたべたい!」

アスラさんに抱えられているソールさんの指差す先が私には見えませんが、その指先は屋台の方を指差しています。


「・・・あれは・・・。」

アスラさんがその指差す方を見て、ソールさんを見ます。


「むむむ~~っ!」

私はアスラさんの腕に摑まってつま先立ち状態ですが、ヒトの波のその先は見えません。アスラさんはそんな私の状態を見て「すみません」と言いながら笑っています。ソールさんもそんなアスラさんを見て、私のマネをして「むむむ~。」何て言っていますが、私の必死さがありませんのでそれは「可愛い」だけですからね!



・・・自力で見るのは諦めました。



「それで、ソールさんの気を引いた食べ物は何ですか?」

アスラさんに抱えられているので、逃げ場の無いソールさんのほっぺをムニムニしながらアスラさんに聞きます。


「・・・、アレは何でしょう?」

悩んだ後、アスラさんはとても真面目なお顔で私に聞いてきました。



ハッと気付いた事があります。



「アスラさん、露店とかで食べる物を買ったりした事はありますか?」

私はソールさんのほっぺから手を離してアスラさんに聞きます。


「あります。・・・ただ、こういった場所で買うのは本当に久し振りなので・・・。」

アスラさんも私の言いたい事が分かったのか「今の職に就いてから、こういった場所に来るのは初めてなのです・・・。」


つまり、アスラさんは「学園卒業以来」14年間くらい「お祭りに参加していない」のですね・・・。

・・・って言うか、貴族さまだったアスラさんは、お祭り屋台の食べ物を口にした事があるのでしょうか?




「とりあえず、屋台に向かいましょう。そして、たくさん食べましょう!」

アスラさんの腕を引っ張って屋台に向かいます。アスラさんが焦ったように引っ張られていますが、お祭りの楽しみは「屋台の食べ物」ですよ!この楽しみを知らないなんて、せっかく「屋台のあるお祭り」に参加しているのにアスラさんは損をしています!




お祭りで屋台の食べ物を買う時は、(お腹の)リミット解除です!


ダイエット?・・・また明日からがんばりますよ?

















お祭りって良いですよね。



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