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24 おかしなおかしな  3ページ目









皆さんこんにちは!



時間が経つのは早いですね、アスラさんと共に帝都に到着してもうすぐ一ヶ月(40日)になります。

このお屋敷のメイドさん達による快適空間に慣れてしまいそうな私が居ます。そろそろ私達の住むお家を探さないといけません。




先日、アスラさんと一緒に(悪魔のような)令状を片手に帝都を出発していたアスラさんの「契約者仲間」である「リンカーラさま」が帝都に帰還されたと、アスラさんに伝えられていました。


それで、今日お勤めからお帰りになったアスラさんから「もう1人の契約者である『ローラント』も、本日帝都に到着したので2日後に宰相閣下とお会いするようになりました。」と言われたのです。



「いつか来る日」ではありましたが、告げられたらやっぱり緊張するものです。



私がなかなか返事をしなかったので「聞こえなかったのかな?」と、アスラさんがもう一度同じ事を告げてきましたからね。心配をお掛けしました。




その事をアスラさんが義両親に伝えたのが夕食の時でした。




「まぁ!それでは屋敷を出て行ってしまうの?」

お義母さん(と呼ぶように言われました)がアスラさんに言います。


「フィーナさんも屋敷での暮らしに慣れてきただろうから、このまま此方で生活すれば良いだろう?」

とお義父さん(こちらも同じように・・・)も続きます。




?私にはこのお話の意味が分からないので、アスラさんを見ます。



「私達『契約者』は、国に生活の保障をされています。なので、身分によるご成長の差が精霊様達に出ない様にと持ち家と毎月の生活費が支給されているのです。」

私の視線に気付いたアスラさんがそう教えてくれます。



そうでしたね。そんな「生活保障」が受けられるから、たくさんの方達が帝都に集合したのでしたね。




・・・?



つまり、アスラさんも「お家」があるのですよね?帝都に着いた時にどうしてそちらに向かわなかったのでしょうか?このお屋敷での「人を堕落させる環境」が素敵過ぎてビックリしますよ!




「・・・・いえ、フィーナと帝都に戻った時にアチラに案内「ダメよ!それは絶対にダメ!」


私の視線に気付いたアスラさんが何か説明しようとしたのですが、突然お義母さんからのダメ出しが出ました。

隣に座っているソールさんがビックリしています。



「アチラに案内させない様に迎えを出したのよ?アスライール、貴方分かっているの?」

お義母さんが扇子を握りしめアスラさんにそう言います。



???良く分かりませんが、アスラさんが怒られ始めました。



「貴方達が旅立って、帰ってくるのが貴方達だけだったならば私達も何処へ戻ろうと気にしません。

ですが、そこにもう1人・・・。貴方の『伴侶』となったフィーネリオン嬢が一緒だと言う手紙を貰って、どれだけ私達が急場凌ぎの迎えをしたとおもうの?

『貴方達2人だけを迎える事』と『フィーネリオン嬢が一緒の迎え』はね、受け入れ態勢が全然違うのよ!


折角、貴方と『奇跡』の婚姻をして下さった方なのに、アノ場所を見て『やっぱり無理です』ってなったらどうするつもりだったのかしら?

私達だって義兄様からのお手紙を読んで『婚姻』の文字が間違っていないか、何回も何回も読み直したのよ!?

それなのに貴方って子は、何て事をしようとしていたのかしら!」

お義母さんが怒涛の勢いで言葉を続けます。



えぇっと・・・。当日のアノお迎えは「急場凌ぎ」だったのですね。本気のお迎えってどうなるのでしょう?貴族さまコワイ!


って言うか、アスラさんの言われように涙が出そうです。




「まったく、今だってアチラに人を遣っているが、最初に『どうしたらこうなるのか分からない』と言われた時には私も頭を抱えたよ。もう、いっそこのまま此方に住んでしまったら良いのではないのか?」

お義父さんも続きます。



・・・・?



私にはこの会話の内容が良く分からないのですが、アスラさんとソールさんが住んでいるお家はどうなっているのでしょうか?



「アスラさん。私達の住む『お家』があるのでしたら、そちらに実家から私の荷物を送って貰おうと思うのですがどうしましょう?」

もう一月放置されていますし、ずっと実家に置いておくのも微妙ですから運べるならそうしたいなぁと思います。



「えぇ、今アチラの家の掃除と補修をしていて、そろそろ終わりそうですから送って頂いても大丈夫ですよ。」

アスラさんは、若干お疲れの様子で私にそう言います。




「明日にでも手紙を書こうと思うのですが、搬入は補修作業が終わってからの方が良いでしょうか?」

どれくらいの規模の補修なのでしょう?


「いえ、もう本当に終わりますからいつでも大丈夫ですよ。手紙を出すのであれば、書き終わったらギースに出して貰うと良いですよ。」


ギースさんには本当にお世話になります。驚いた事にギースさんはこちらのお屋敷、ヴァレンタ家の家宰でチョッとした事でも親切に教えてくれます。

ギースさんの息子さんが跡取りであるアスラさんのお兄さんの侍従をしているみたいです。いずれは息子さんがギースさんの後を継ぐのでしょうか?お会いした事はありませんが、乗り越える壁は高いですよ!



「そーるね、おなかがすいたの・・・。」

お腹から「きゅるる~」って切ない音を鳴らしたソールさんのこの言葉で、夕食がまだだった事に気が付いて食事の準備が始まりました。



「アスラさん。後でで良いので、お家の場所を後で教えてください。」

私は場所を知らないので、教えて貰わないと!


「ええ。分かりました。食事の後にお教えしますね。」

アスラさんがそう言ったので、このお話は終わりかと思ったのですが「その後で良いから貴方は私達の部屋に来なさい。」とお義母さんにアスラさんが言われていました。












「違うのです!私は、アスラさんがお家を持っていた事は先程初めて知ったのです。アスラさんとは『帝都に着いたら宿に宿泊しましょう。』とお話をしていたのです。本当です!」


食事が終わった後、アスラさんが義両親さまに呼ばれたので1人で行こうとした所を、私とソールさんが無理やり同行しました。そんな中、絶賛アスラさんをフォロー中の私ですが、目の前にお座りになっている義両親さまの視線は冷たくアスラさんに注がれています。



「・・・それが本当だとして、アノ家にフィーナさんを連れて行くのは、私達は反対だよ。」

私と接している時は「とても」穏やかなお義父さんですが、今は冷ややかに話します。


「ええ。若いお嬢さんであるフィーナさんにアノ家で貴方達と生活をさせるなんて私は反対です。」

いつも朗らかにお話をしているお義母さんが悲しそうに言います。



「・・・?アスラさん。もしや、お家はあまり広くない感じですか?お部屋が少ないとか?」

お部屋の数が少ないのであれば、送って貰う荷物を少し考えないといけませんね。


「『貴族の屋敷』からすれば部屋数は少ないかもしれません。『平民』からすると部屋数が4部屋?はどうなのでしょう?」

私の質問にアスラさんが指折り数えて「多分、4部屋だった気がします。」と言います。あれ?そのお家に今まで住んでいたのですよね?なんで疑問形なのですか?



「この子ったら騎士学校に行って軍事訓練とかそんな事しかしなかったせいなのか、アノ家も『普通なら』十分過ぎる広さの家であるハズなのに、この子は口にするのも恐ろしい状態で生活していたのよ!


本来ならばフィーナさんもアチラに住む事になるのでしょうが、またアノ状態に戻るのならば私は嫌よ!

義理とはいえ、折角出来た『可愛い娘』ですもの!一緒に暮らしたいに決まっているじゃないの!?

なぜアノ場所に送りださなくてはいけないのですか?」


「思い出すのもイヤ!」と言わんばかりに両腕を摩りながら、お義母さんが色々言っています。後半は聞かなかった事にして、前半・・・。




「アスラさん。私も4部屋あれば十分な広さのお家だと思うのですが、一体どうしたのですか?」

私がアスラさんに言います。


「やはりそうなのですか・・・。」

アスラさんは自身に張り付いているソールさんを撫でながら答えます。




「この子と生活するようになって持ち家が出来たので、騎士団の宿舎に入らずにそちらの家で生活するようになったのです。

ですが、・・・何と言いますか、同僚が言うには私は生活状態が『雑』らしいのです。」


アスラさんは麗しいお顔で真面目に仰っているのですが、内容はダメっぽい感じです。



私の不安そうな顔にアスラさんも心配になってきたのか「こちらに住むようにしますか?」と言ってくれます。ですが、こちらのお屋敷はメイドさんが優秀すぎて私の出る所がありません。

むしろ、私が「お世話対象」となっている様な気がします。私が堕落してしまいそうなので断りたい。



「あ!・・・ですが、アスラさんお仕事はキチンとしているではないですか!大丈夫ですよ!これからは私も一緒に住みますし、日常で出来る事に少しずつ慣れて行けばいいのです。

これでも、私は7人家族の家事を引き受けていたのです。これからはアスラさんとソールさんとの3人での生活ですし、(人数的には)問題ありません。折角、アスラさんの『お家』があるのです。私達はそちらに行きましょう?」

義両親さまがこちらを見ていますが、私はアスラさんにこう言いました。



「フィーナ・・・」

アスラさんが私の名前を呼びます。



「・・・フィーナさん。こちらにこのまま居れば周りの事はメイドが、身の回りの事は侍女が行うのだよ?何ならフィーナさん個人に侍女を付けても良い。このまま私達と一緒に暮さないかい?」

「そうよ?」

こちらのお屋敷の「御当主さま」であるお義父さんがここまで言うなんて。となりでお義母さんが同意しています。



「・・・そこまで言って頂けると、とても嬉しいです。「そうか。」ですが、やっぱり私はアスラさんと一緒にアスラさんのお家で住みたいと思うのです。」

私がお義父さんに向かってそう言うと、お義母さんの方から「そんな!」と言う声が聞こえます。



「理由を聞いても良いかい?」

お義父さんが言います。



「えぇっと・・・。こちらのお屋敷は『貴族』である皆さんの為のお家です。『平民』の私が住むのには身分不相応です。こちらで私が親切にして頂けたのは、アスラさんと『婚姻』したからだと思うのです。メイドさん達も、皆さん『御当主さま』の声があったので私のお世話をしていたのではないですか?


アスラさんが『こちらのお屋敷に住む』と決めていたのでしたらその判断に従いますが、私はその時には働きに出たいと思います・・・

私は『平民』ですから、やっぱり自分で出来る事は自分でしたいと思います。」

・・・・言ってしまった。言ってしまいましたよ・・・。



目の前のお義父さんは私が反抗的な意見を言わないと思っていたのか、大きく目を開いています。

・・・アスラさん、良かったですね「お父さん似」ですよ。



「う・・うぅ・・あなた、・・・何て事を・・・・。」

ナゼかお義母さんが泣きだしました。



「す・・すみ「フィーナさんに私まで嫌われたらどうするのよ!」

「ぴょっ!」

私が言った事に対して泣いてしまったと思ったので謝ろうとしたら、お義母さんがお義父さんに掴み掛かる勢いで声を荒げます。

ソールさんは本当にビックリしたのか、アスラさんのジャケットの前合わせから潜り込もうとしています。



「なんで『当たり前』の事をフィーナさんに言わせるのよ!私達は『貴族』なのよ!それ以外の生活なんてできませんわ!逆を言えば、フィーナさん達『平民』の皆さんだって同じ事でしょう?

帝都に着いていきなり私達の・・・『貴族』の屋敷に連れられて、『貴族』の相手をさせられるのよ?フィーナさんも本来ならば気が気では無い筈なのに、いつも笑っていて・・・


私がずっと夢に見ていた『娘』との生活に、どれだけ潤いを持てた事か!

フィーナさんを社交界に連れて行けるならドレス一式を作って一緒にお茶会に行ったり、園遊会に行ったりしたかったのよ!

でも、そのような事出来ないでしょう?だからニナとギースに『平民』であっても着れる服や小物を仕立てて貰ってフィーナさんとお茶を飲むのが最近の楽しみだったのに!

私は嫌ですが『アスライールと住みたい』なんて本当に奇跡のような事を言ってくれるのよ?なのに!そんな事を『言わされてしまったら』このまま会えなくなるかも知れないでしょうに・・・・!」


お義母さんは私に「精神的な負担」がある事に気付いていたみたいです。

っていうか、私がドレスだと思って着ている服はドレス枠には入らないのですね。ビックリですよ!



「いや、そんなつ「大体にして、お義兄様が送ってくれた姿絵が可愛らし過ぎていけないのだわよ!あんな物を見せられたらドレスの1着や20着くらい作りたくなるじゃないの!」


いえ、その数の振り幅はとても大きいですよ?

お義父さんも言いたい事があるみたいですが、お義母さんが全てぶった切っています。



「・・・・姿絵?」

アスラさんが私を見てそう言います。



「そうなのよ!とても、とても可愛らしいのよ!」

お義母さんはアスラさんに言います。お義母さんはお部屋に控えていた侍女のニナさんに声を掛けて、意外と大きい「絵」を持って来て貰いました。






「ぴぎゃ~~~~~!!!!」

「ぴょっ!」


絵を見て叫んだ私にソールさんが驚いて目を覚まします。ウトウトしていたのに起こしてごめんなさい・・・。



「・・・ど・・・どうしてこの絵がこちらに・・・?」

「フィーナ?」

落ち着きが無くなった私にアスラさんが心配そうに声を掛けて下さいますが、それどころではありません。



「んふふ~~。可愛らしいでしょう?2年前に帝都で話題になった『商業都市の妖精姫』の姿絵3枚組ですわ!私が購入前に無くなってしまったので義兄様に何回も頼み込んでいたのですが、今回は『アスライールの手柄』と言う事で譲って頂いたのですよ。」

お義母さんがどこか誇らしげにアスラさんとソールさんに見せているその絵は、確かに私の姿絵でした。





・・・・落ち着いて、フィーネリオン。落ち着くのよ!まだ傷は浅いわよ!














アスライールが商業都市から戻った時に帰ろうとした「家」はヴァレンタ家の屋敷。


両親はアスライールが帝都に帰って来た時は「アスライールが与えられた家」に一旦帰ってから屋敷に来ると思っていました。今までがそのパターンだった為、今回も「あの家」に行ってから屋敷に来ると思っていたので迎えが来ていたのです。




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