156 ぴょこぴょこぴょこ、の後ろでは・・・
ティアーナ編です。
みなさんこんにちは。ティアーナです。
今年の初めにニアお姉ちゃんとお部屋が別れてからは、毎朝起きるのが本当に大変です。ちょっとでも早く目が覚めた時なんて、お布団の中で「もうちょっと・・・」なんて思っていると、あっと言う間に起きる時刻が過ぎているの!そうなっちゃうと、怖い顔をしたお母さんに「いつまで寝ているの!」とお布団を剥がされちゃったりします。
うぅっ・・・。その時のお母さんは、いつものお母さんと違って本当に怖いんだよ。
・・・毎年優しく起こしてくれていたフィーナお姉ちゃんが「今の時期のお布団には魔力があるから気を付けてね」って言っていたんだけど、この時期になると私のお布団が「安眠の魔道具」なんじゃ無いかな?って本気で思っちゃいます。
「ティア、おはよう。今日はキチンと起きれたのね。」
「む~、アタシだって起きようと思えば、起きれるのよ!」
着替えを終えてお部屋から出ると、ちょうどニアお姉ちゃんが部屋から出てきたところでした。フィーナお姉ちゃんがいた時は、ニアお姉ちゃんも私と一緒に起こして貰っていたのに、ニアお姉ちゃんは1人部屋になってからしっかりと起きれているのが不思議。・・・何かコツがあるのかなぁ?
「ティア、髪の毛が凄い事になっているわよ?」
ニアお姉ちゃんはそう言ってクスクスと笑っているけれど、こればっかりはどうしようも無いのよ!私の髪の毛はクセが付きやすいのか、毎朝大変な事になっています。私もニアお姉ちゃんみたいにサッと纏められる髪の毛だったら、良かったのに。
ニアお姉ちゃんと一緒に1階に下りると、ちょうどスバルが朝食を食べ終えた所でした。私を見たスバルが「わぁ!今日は起きれたんだ!」と大げさに言ってきて、ちょっとだけムッとしちゃった。
・・・スバルは、フィーナお姉ちゃんに起こして貰いたいから起きられないフリをしていたんだって。ほんっとうに、かわいくない!
「おはようございます。今日も凄い雪だよ~。ティアーナちゃん、スバル君も学園に行く時に気を付けてね」
私のお家がお店な事もあって、私とスバルが学園に向かう頃に従業員の皆がやってきます。
その中には、6月から新しく働き始めたアリアリアさんもいます。アリアリアさんはフィーナお姉ちゃんと同い年なんだけど、とっても明るくてもう1人お姉ちゃんができたみたいでとっても嬉しいの。
アリアリアさんの実家は帝都にあるだって。今はお店の経営を学ぶ為に商業都市に来ているんだって!それと、アリアリアさんは女の人なのにリューイお兄ちゃんと同じでお店を継ぐ為に勉強中なんだって。それってなんか格好良いよね!
商業都市は9月に入ってから一段と寒くなりました。ここ最近は毎日のように雪が降り続くから、足元が気になって学園に行くのも嫌になります。
・・・だって、大きな通りは朝の内に雪かきがされるからかあまり雪は無いんだけど、いつも通学用に使っていた道は雪かきがされていないから大きな通りから学園に行かないといけなくて、すっごい回り道しているのよ。もちろん、お母さんにはそんな事は言えません。どうせ「早く起きれば良いのよ」て言う事が、分かっているからね。
でも学園の卒業まで一月を切ったので、友達と会うためにも学園には行かねばと日々頑張っているのです!
私はリューイお兄ちゃんやフィーナお姉ちゃん、ニアお姉ちゃんみたいに勉強できる訳じゃないから、学園を卒業したら、働こうと思っているのです。
お父さんとお母さんも「ティアが決めたのなら」と言ってくれました。本当はフィーナお姉ちゃんのいる帝都で働きたかったのですが、そこは「成人するまではダメ」と反対されてしまったので、成人までは商業都市で頑張ろうと思っています。
まぁ、私よりも先にニアお姉ちゃんが学院を卒業するんだけどね。
ニアお姉ちゃんは、6月に帝都から帰ってきた時くらいから学院卒業後の事を考えていたみたい。お父さんとお母さんにはずっと話をしていたみたいだけど(もしかしたら、リューイお兄ちゃんにも)、来年から領主館で働く事になりました。
8月の末に選考試験があって、その後の面接までニアお姉ちゃんは残ったの。その時は、家族みんながニアお姉ちゃんを応援したよ!家にあるフィーナお姉ちゃんとの通信用の魔石も、その時期はニアお姉ちゃんがずっと持っていたけれど、スバルだって何も言わなかったんだから。
・・・でも「領主館で働く事になったのに、お家からの通勤は大変じゃ無いの?」てニアお姉ちゃん聞いた時に「お父さんとの約束だから」と言っていたけど、やっぱり未成年で一人暮らしは大変なのかなぁ?
領主館へ直行の送迎馬車もあるから問題ないのかな?
一人暮らしをしているアリアリアさん、スゴい!私も、一人暮らしが出来るように頑張らないと!
「ティア!早く準備しないと、遅刻よ!」
お母さんに言われてハッと時計を見たけれど、この雪で通学の時刻が早くなった事が本当に残念です。もう少し暖炉で暖まっていたかったけれど、学園に行く準備をしますか。
・・・リューイお兄ちゃん、馬車で送ってくれないかなぁ・・・。
ティアーナはずっと眠っていられる子。許されるなら、1日お布団に包まっていたい。
スバルの反抗期はもう少し続きそうだけど、(恐らく)ミュー家の中で1番ハッキリとした「反抗期」を迎えているスバルにラルフとネリアイールは安心していたり。
ティアーナは「成人したら帝都に1人で行ける」と思っていますが、一人暮らしに必要なスキルを何一つ持っていないので、立ちふさがる壁はとても高くそびえ立っています。
ジスリニアは一人暮らしできるようにイロイロと頑張っているけれど、ソレでも許可を取るのに苦労します。・・・でも「お家が1番楽なので暫くは実家にいたいなぁ」何て思っていたり。




