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104 ようこそ! 1ページ目






みなさんこんにちは!5月の最終週となり、最近はようやく暑さも落ち着いてきました。




先週末に「リューイ達が商業都市を出発したわよ」との連絡をお母さんに貰っていました。その際「朝の馬車に乗った」と言っていたので、今日の夜の到着です。今日はアスラさんの仕事上がりが夕方なので、「アスラさんが帰ってきたら、一緒に馬車泊まりに行きましょう。」とお家で待ち合わせなのです。



今日の為に、元々空き部屋だった1階のお部屋を「客室」として整えましたよ。荷物は先に届いているので、お部屋に運んであります。



・・・このお家、元々入っていた家具は「お義父さんチョイス」なので高級感が半端ないのですが、今回私達が設えた「客室」は「普通の客室」です。と言うのも、お義父さんの選んだ家具が「高級品」過ぎて、私達には(やる気になれば出来たのですが)手が出せませんでした。



アスラさんの収入はとても良いのです。とても良いのですが!そのお給料では、同じ家具を揃える事が出来なかったのです。その際、アスラさんが「良かったら・・・」と言って私に渡してきた口座の残金に私は震えました。





・・・・・アスラさん、働く必要はお有りですか?





その口座はとても魅力的だったのですが、あえて「見なかった」事にしますよ。でも、何かあった時に使わせて貰いますね!







リンカーラさんが帝都を出発してからは、アメリアさんとローラントさんも忙しそうでした。

最近のアメリアさんとローラントさんは、トライデント候爵家の帝都邸宅に行っているようです。先日、ローラントさんのお家に遊びに行ったのですが、その時にアメリアさんが「何回伺っても緊張するわ。」と言っていました。


お義父さん情報なのですが、もしかしたらアメリアさんとローラントさんの披露宴は、社交の時期が始まる8月より前の7月中旬から末の頃に「工業都市」で行われるかも知れないらしいのです。社交の時期になると、いろいろな貴族の方と会う機会が出来るので「何かあった時に助けて貰えるように。」と、トライデント候爵さまの身内の方達への「お披露目」も兼ねているようです。


・・・そう言われてみると、私もヴァレンタ家のお茶会の際に集まっていた親族の皆さんとの顔合わせがありましたね。・・・皆さん「優しい目」で私の噛み噛みなあいさつを聞いて下さっていました。あの日に戻れるのなら、戻ってやり直したいくらいです。




「おかしゃん!これはどうでしか?」

ソールさんは、本日「何回目かも分からない」お着替えの披露中です。ソールさんはどの服を着ても可愛らしいのですが、お披露目されているのが私だけなので、とても残念なお披露目会です。


「ソールさん、とてもお似合いですよ!・・・でも、そろそろどの服を着ていくのか決めないと、アスラさんが帰ってきてしまいますよ?」

「ぴぃ!?」

私の言葉に、ソールさんは驚いたように後ろを振り返って時計を見ます。・・・その様子がとても可愛らしいです。



日が落ちてくると気温がグッと下がるようになったので、上に羽織る物も準備しましょう。そろそろクロゼットの中の衣服類の入れ替えをした方が良いかも知れませんね。


ソールさんは、今まで着替えた衣服を見ながらウンウンと考えています。







「ただ今戻りました。」

アスラさんの帰宅です。ソールさんは「ぴぃ!?」と驚いたようにアスラさんを振り返っていますが、アスラさんはソールさんの様子に首を傾げています。


「お帰りなさい、アスラさん。」

お2人の様子が面白いので、私は笑ってしまいました。アスラさんが戸惑ったように「何かあったのですか?」と聞いてきましたが、ソールさんは「まだ、きめてるとちゅうなの!」と言ってプンプンしています。


「ふふふっ。ソールさん、アスラさんが着替え終わるまで、まだ時間はありますから大丈夫ですよ。」

私の言葉とソールさんの様子にアスラさんは「???」と首を傾げています。



「ふふふっ。アスラさん、すみません。ソールさんは『お兄ちゃん達を迎えに行く時』に着ていく衣服を選んでいる最中なのですよ。お風呂、沸いていますから、どうぞ入ってきて下さい。」

私の言葉にアスラさんは驚いたのでしょう。ソールさんを見て「まさかずっと・・・?」と言います。でも、実はその「まさか」なのですよ。今日は昼食を食べた後から、ずっと「お着替えタイム」でしたよ。



「ソールさんはとても可愛らしかったので見ていて楽しかったですし、私も刺繍をしながら過ごしていました。夕食はお店を予約していますから、そんなに大変ではありませんでしたよ。」

アスラさんは目を覆って「本当にすみません。」と言っていますが、今もご機嫌に「着ていく服」を選んでいるソールさんは可愛らしいのです。



「ちょうど、クロゼットの中の衣服を入れ替えようと思っていましたし。」

この言葉にアスラさんは「そういう時期になったのですね。」と言います。そして、遠慮がちに「あまり手伝えないと思うのですが、何か手伝える事があったら言って下さい。」と申し訳なさそうに言って来ました。



アスラさんのクロゼットは未だに「私の支配下」となっています。お部屋の方は今の所目立った異変はありません。なので「そろそろアスラさんに『クロゼットの返還』をした方が良いですかね?」とアスラさんに聞いてみたのです。


「・・・いえ、敵は手強そうです。安心した頃に暴動が起きる可能性もありますから、返還にはまだ早いと思います。・・・なので、もう少し様子を見てはいかがでしょうか?」

アスラさんはとても真剣なお顔でナゾの返事を返してきました。でも、その言葉に「では、もうしばらく様子を見てみましょう。」と少しだけ偉そうに私は答えてみたのです。



そのやり取りが可笑しかったので、私とアスラさんはお互いに笑い合ってしまいました。アスラさん、ご自身の事を「敵」と言っていますよ?




「あぁ、そろそろ準備をしないといけませんね。お風呂に行って来ます。」

アスラさんはそう言って着替えを取りに2階へ上がっていきます。






「おかしゃん、そーるもおふろ?」

お着替えの衣服を(ようやく)選んだソールさんが、私に聞いてきました。


「ソールさんは・・・。」

そう言って、ふとソールさんを見ます。


お昼過ぎから「一生懸命」お着替えをしていたソールさんです。とてもたくさん動いていました。



・・・



「アスラさーーーん!ソールさんも一緒にお風呂をお願いします!」

ちょうど階段を降りてきたアスラさんに声を掛けます。



アスラさんは驚いていましたが、ソールさんは「お風呂に入る気満々」なので、アスラさんと一緒にお風呂に向かって行きました。ソールさんのお着替えしていた所に散乱していた「選ばれなかった衣服」は、洗濯物用のカゴに入れて置きましょう。私も自分の準備をしますよ!





準備を終えた私は、アスラさんとソールさんがお風呂から上がってくるのを刺繍をしながら待つ事にしました。今、私が刺繍している物は、義両親に渡す「7月用」の手巾の刺繍なのです。7月は収穫祭があるので、お花よりも果物の刺繍が喜ばれます。本来ならお屋敷にいらっしゃる刺繍職人さんが刺繍する様なのですが、お義母さんが「毎月では無くて良いの、また手巾に刺繍して頂けるかしら?」と聞いてきたので、私が快諾したのです。最近は涼しくなってきたので、針仕事が捗りますよ!


・・・つい最近まで暑かったので素材が増えた事もありますが、(元)タオルや(元)衣服類を使って作られる「自堕落クッション」と(心の中で)名付けたクッションの「増産」も計画しているので、近い内に生地屋さんに行こうと思います。





お兄ちゃん達の乗った馬車は夜の8刻に帝都到着なので、馬車泊まりに向かうのは夜の7刻半頃を予定しています。私はソールさんが食事中に起きていられるか心配なのですが、アスラさんは「夕食が終わるまでは起きているでしょうから大丈夫ですよ。」と言います。



・・・アスラさん、いくらソールさんが食欲旺盛だからって、そんな事は無いと思うのですが・・・?









出発時刻になったので、お留守番をネコさんに任せてお家を出ます。


のんびりと馬車泊まりに向かったのですが、だんだんとヒトの数が多くなってきたのでソールさんはアスラさんに抱き抱えられています。私もアスラさんと手を繋いでいますよ。


暗くなってきているので、迷子になったら大変ですからね!




「にゅっ!?」

しばらく経って、ソールさんが何かに反応しました。そして「りゅ~~~い~~~~!」と言いながら、ブンブンと大きく手を振り始めます。



「すみません、お待たせしました。」

ソールさんの手を振っていた方向からお兄ちゃん達が来ました。


「お姉ちゃん、帝都ってヒトが凄いね~~。」

「本当、馬車の中も凄いヒトの数だったから驚いたわ。」

ニアちゃんとティアちゃんは興奮気味に言って来て、ハッと思い出した様に「お世話になります。」とアスラさんに言っていました。お兄ちゃんはソールさんから熱烈な歓迎を受けていましたよ。


アスラさんはソールさんの様子にドン引きしていますが、私は見なかった事にしますね。



その日は、そのまま外で食事をする様に決めていたので、いつもの商店街にある「酒場」で皆の歓迎会をしました。酒場と言っても、普通の食事も出てきます。この周辺には騒ぎを起こす様なヒトはいないのか、夕食を食べるヒト達でいっぱいですが、のんびりとした店内ですよ。


「知ってる食べ物だ!」

お店のメニュー表にティアちゃんがそう言います。ティアちゃんの言葉に皆で笑ってしまいましたが、酒場の店主さんも「それは良かった!」と笑って言ってくれました。同じ帝国内ですからね、そこまで「劇的変化」な食べ物はありませんよ?安心してね!



ティアちゃんも自分の言った言葉が面白かったのか、笑っていました。



でも、ソールさんは夕食の終わる頃に眠たくなってしまったみたいで、アスラさんのお膝に上で「ぷうぷう」と眠ってしまいました。その様子に、ニアちゃんとティアちゃんは心打ち抜かれていましたよ。




・・・私達のお家に到着した時、お兄ちゃんが「うん、そうだよね・・・。」と言っていました。ニアちゃんとティアちゃんは不思議そうにお兄ちゃんを見ていましたが、お家の中に入った時は「えぇ・・・。」と3人皆で声を揃えていました。




「・・・フィーナ、・・・これは、凄いな・・・。」

お兄ちゃんがようやく口にした言葉は、何とも言えない感じの言葉でした。





いろいろと頑張って存在感を消そうとしているのですが、やっぱり高級家具の存在感は半端ないですよね・・・。















アスライールの口座は「ギルド預かり」では無くて、「騎士団預かり」となっています。

アスライールの生活は「騎士団」と「実家」で全て賄えていたので、今までの給金やソールの手当て金が「ほぼ」そのまま残っていました。使用されていたのは「(騎士の制服とかの)衣服代」くらいでした。


クロゼット内の衣服の入れ替えの時は「朝の内に葛籠を出して、帰ってきたら葛篭を仕舞う」という事で、葛籠の移動の際にアスライールは大活躍をします。1番の強敵は、フィーネリオンの隙を見つけては葛籠に入り込もうとするソールだったり・・・。


アスライールの家の家具はカーマインが1から入れ直したので、契約者の中では1番の高級家具が設置されています。でも、元々入っていた家具も高級家具でした。


リューイは自分達が泊まる部屋が「普通」だった事にホッとしていました。でも、ジスリニアとティアーナは交代でフィーネリオンと一緒に眠っていました。「高級なベット、寝心地がいい!」と言っていたとか・・・。


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