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102 ひみつのおはなし






「モフモフさんったら、ツンデレさんですね!」

そう言いながら我に触ろうとするヒトの子を見ているのだが、この娘は一体ドコからココに来ているのだろう・・・。







周囲を見ても、特に変わりは無い。




我がココにいるのは、1人でいる為だ。

我が誰をもを傷つけぬよう眠りにつく為のこの場所に、このヒトの娘はどうやって入ってきているのか・・・。





チラリと離れた所を見ると、様々な姿の「獣」が我等を見ている。






「怖くないですよ~。少しモフモフさせてくれたら大丈夫ですからね~。・・・さぁ!私にモフモフされて下さい!」

そう言って、ヒトの娘はまた我に近付いて手を伸ばして来る。




真っ白なその手を見て「懐かしい」と思ったが、何よりその手は我のものでは無い。




『・・・また、其方か・・・。』

我の口からはそんな言葉が出てきたが、我の言葉を娘は気にしていないのか「そうですよ!モフモフする為に、また来ましたよ!」などと意味不明な言葉を口にし、姿勢を正して我を見ている。



・・・だが、その両手は何だ。その怪しい動きを止めぬか!





「・・・モフモフさ~~ん、少しだけで良いのです。少しだけ!少しだけモフモフさせて下さいよ!」

我が警戒したのを察知したのか、ヒトの娘は「私、泣いちゃいますよ!?」と、そう言って恨めしそうに我を見てくる。



其方は、我が恐ろしくないのか?



そう言おうとしたが、「そのツンツンな所も堪りません!」とヒトの娘が言っていた。




・・・この娘は、先程もこのような言葉を我に言っていたのだが、「つんでれ」とは何だ?我には理解できぬ言葉だ。




「さぁ!何も怖い事などありませんよ!モフモフ!モフモフ!」

両の手を怪しく動かしながら我に近付いてくるこの娘の姿が恐ろしいのだが、この場合、我はどうすれば良いのだ!?





「めーーーーーーー!」




今、まさに、ヒトの娘が我に飛び掛かろうとしたその時に響いたその声に、我が「安堵」する日が来るとは思わなかった。



「そんな~~~~!」

そう叫んだヒトの娘の言葉には、少しだけ悲壮感が滲んでいた気がする。

















・・・静かだ。





先程までヒトの娘がいた所には、今は誰も居ない。


前回の時と同じように「護り」が発動したのだろう。あの娘には、強い「守護者」がいるようだ。守ってくれる者がいるのなら、安心だ。






我は、もう少し眠りにつく事にしよう・・・。























「むぐ!むっ!」

くっ!苦しいです!何ですか!何が起きているのですか!?



「フィーナ!」

アスラさんの焦ったような声が聞こえます。私の顔に巻き付いている「ナニカ」をアスラさんは引っ張っているようですが、不思議な事に、その「ナニカ」はますます私の頭に絡み付いて来ていますよ!?



・・・これは、もしや・・・!



「そ・・・ソールさん!どうしたのですか!?」

「むにゃ・・・。・・・・おかしゃん、・・・・め!」



なかなかソールさんに離して貰えなかった私の頭ですが、ソールさんのお腹から「きゅるるる・・・。」と音がしたら「おなかがすいた」と言ってソールさんが起きた事によって、ようやく私の頭が解放されました。



・・・ソールさん、私の頭は抱き枕では無いので、頭に「抱き付く」のは出来れば止めて欲しいです。



良いですか?ソールさん。私は、スッキリとした「目覚め」を希望しますよ!





サイジェル家での朝の一コマでした。

この後、ソールはアスライールとジーナにお説教されます。




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