表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/9

第五話 武器解析

2/13 ウエイトダウン→マジックウエイトに変更

さて、神殿を出たは良いが何処に行くか?いや、勇者の能力を先に聞いておいた方が良さそうだな。丁度いい広場らしき所でクラルに話しかけるてみた。


「なあクラル」

「どうしたのシュウジ?」

「いやな、勇者の能力に付いて聞いておいた方がいいかなって思ってさ」

「ああ、そっか。一部しか分かっていないんだもんね。分かった。じゃあまずステータスに付いて話しておくね。勇者とその仲間はレベルアップ時にステータスの上昇に補正が掛かるの」

「仲間?」


RPGのゲームとかでよくあるパーティみたいなものか?


「えっとね〜この場合の仲間は、パーティに入っている人を指すの」

「どうやってパーティを作るんだ?」

ステータス画面にパーティ招待ってコマンドがあるはずだけど?」


あ、本当だ。それを押してみると画面が変わって、視界に入っている人を選択する事で送れるみたいだ。1/8って出てるから、最大8人まででパーティを組めるっぽい。うーん他にも見落としがあるかもしれないし今度じっくり見てみるか。


「見つかった?」

「あったけど、補正ってどの位の物なんだ?」

「仲間補正は大体異世界人の補正を一回り強めた物ね。勇者本人の物はさらに上がるわよ。まあ異世界人の補正とは重複しないで勇者の補正が発揮されるけどね」


二重で補正は掛からないのか。少し残念だ。


「次にスキルだけど、討伐と技術でのスキルの入手方は、分かってるわよね」

「ああ、大体だけどな」

「じゃあ少しだけ補足するけど、技術のスキルは十個以上は持っていられなくて、それ以上を覚える時はどれか技術スキルを忘れないといけないから注意してね」


確か今持っている技術スキルは二つだよな。『異世界語習得』は忘れたら会話が成り立たないから、実質9つのスキルを覚えてたり忘れたりする訳だな。


「次に、武器解析によって習得する方法だけど、さっきお金と一緒に鞄に入れてた剣を出してみて」

「これか?」


ディメンションバッグに入れていた、ショートブレードを取り出してみる。


「そうそう。それで、強く握ってみて」


取り敢えず言われた通りにしてみると


《武器の解析が完了しました。ステータスアップ『腕力+1』を入手しました》


と出てきた。これが武器の解析の結果ってことか?


「なんかステータスアップが出てきたんだが」

「それが勇者の力の武器解析だよ。所持する勇者の武器と同系統の武器を握る事で、ステータスアップやスキルを入手出来るの」

「俺の場合は剣って事か」

「そうゆう事。因みに討伐スキルと武器解析スキルは、結構な違いがあるんだよ」

「違い?」

「そう。討伐スキルは戦闘をサポートする物だけど、武器解析スキルは、武器で直接ダメージを与えるものなんだよ。まぁ例外も結構あるんだけどね」


確かに『ジャンプ』や『ニードルシールド』じゃ直接は攻撃出来ないからな。じゃあ取り敢えずは武器屋に行った方が良さそうだ。


「後、他にもスキルレベルとかもあるけど一様説明する?」

「いや、大丈夫だ。大体理解している。使えば使うだけ上がる物って考えで良いんだよな」

「うん、まあ合っているね」

「そう言えばクラル」

「なに?」

「お前当たり前の様に外に出てるけど、それって大丈夫なのか?」


何かあったら非常に困るのだが。


「基本的に大丈夫だよ。でも中にいないと武器の力を100%は引き出せないから、戦闘の時は中にいるね。まあ、離れてても剣に話しかけて貰えればこっちに聞こえるし、すぐ戻れるから外にいても比較的大丈夫だけどね」


何が大丈夫なのかはよく分からないが、戦闘以外では特に支障は無いと言うことか。



「まあ長い事彼処に居たから、忘れてる事もあるかもしれないけど、最後にこれだけ言っとくね。勇者の武器は持ち主やその仲間の覚悟や想いによってその人やこの武器に新たな力を与えるのよ。それを忘れないで」

「分かった。それで今から武器屋に行こうと思うんだが良いか?」

「良いよ。早く防具を買いに行こう!」


何故防具?まぁ買うつもりではあるが。それはともかく、この王都の武器屋に行ってみるか。



「此処が武器屋か」

「やっぱり王都だから品揃えはいいんだろうね」


取り敢えず俺達は地図を頼りにこの王都でも一番の大きさの武器屋にやってきた。思っていたよりもこじんまりとしていてシンプルな外見だ。


「取り敢えず入ってみるか」

「そうだね」


クラルが武器屋の扉を開くと


「お、いらっしゃい!見ない顔だけど新人の冒険者か?」


中には店主らしきオッちゃんがいた。なんと言うか面倒見が良さそうな人だな。


「そんな所だ。武器を見てっていいか?」

「おう、武器に触っても大丈夫だぜ」


お、武器に触っていいって言ってるし武器解析させて貰うか。



暫くして半分ほど解析したな。やっぱり品揃えが豊富で結構な時間がかかった。あれ、金属とは違う素材のなんか変な剣がある。どうやら魔物を素材とした武器もあるらしいな。どうやら他にもそんな武器な他にもあるみたいだし解析していくか。


「なあ、あんたさっきから何やってるんだ?握っては離してを繰り返してるけど。握り具合を確かめるにしては離すのが早過ぎるし」

「なんと言うか、冒険者成り立てでどれが良いか分からなくって」


うん、嘘は言って無いよな。嘘はだけど。


「うーん。そのあんたが持ってる武器、凄い上物な気がするが?」

「只のいい武器じゃ無いよ。勇者の武器だよ」

「え、まさかあんたが剣の勇者なのか?」

「俺は今んとこ勇者として行動する気は無いがな」

「ま、こんな事言ってるけど、勇者の剣との適合率は物凄く高いんだよね」

「もしかして嬢ちゃん、武器の精霊かい?」

「そうだよ。クラルって言うの。こっちはシュウジだよ」

「へー伝承では聞いていたが、この目で見れるとは驚きだ」

はあ、またややこしい事になったな。俺は取り敢えず旅をしてみたいだけなんだが。


「で、その勇者に選ばれた人物がなんで剣を物色してるんだ?」

「勇者はその武器と同系統の物を握る事で強くなれるんだよ」

「そうなのか。所で勇者の坊主」

「なんだ?」

「あんたは勇者として行動する気は無いって言ってたがじゃあ何をする気なんだ?」

「シュウジはさっきね、護りたい者のために力を使いたいって言っていてね、だからその護りたい者を探す旅をしようとしてるんだよ」

「へー中々臭い事言うんだな。でもそうゆうの好きだぜ」


やばい、物凄く恥ずかしい。たぶん俺の顔は真っ赤になっている事だろう。

厨二病の再発には気を付けないといけたいな。傷口を広げない為に。


「そうだ!ちょっと待っててくれ。試して欲しいモンがあるんだ」


そう言ってオッちゃんはなんかの部屋に入っていった。取り敢えず武器解析を進めて置くか。



ちょっとと言いながら結構な時間が経ってるぞ。武器解析も終わってしまった。仕方ない、防具を見るか。ん、オッちゃんが息を切らして、戻って来た。


「はぁ、はぁ、結構待たせてしたったな」

「一体何を持ってきたんだ?」

「これだ!」


オッちゃんは持ってきた箱から一本の剣を取り出した。全体的に白と黒だが、鍔に見る角度で、緑をベースに色が変わる宝石らしき物が付いているな。


「これは?」

「これは非売品なんだが、剣自身が使い手を選ぶ代物らしい」

「なんで言う剣なの?」

「これはなエルピスソードって言うんだ。師匠によると、うちの店は凄く前からやっているんだが、この店の初代が作った物なんだ。当然凄く前に作られた物だけど、サビとかは一切無いんだぜ。因みに師匠は俺の爺ちゃんなんだけどな」

「どうしてこれを?」

「この剣は、力を最大限引き出せる者を探して、その者に渡せって師匠が言ってたんだ。で、勇者だったら認められるかもってな。試しに持ってみな」


武器解析もしたいし、持ってみるか。ん、もったはいいが凄く震えているぞ!?しかも、だんだん光に変わっていっているし、なんなんだこの剣!?


「何がおきてるんだ!?もしかして剣が坊主を選んだって言うのか!?」

「出来れば私以外の武器を使って欲しくないんだけどね」


こいつらが好き勝手言っている間に剣は完全に光となり、俺の身体に吸い込まれていった。


「なんか剣が光になって俺の身体に入っていったんだが」


しかも


《エルピスソードと一体化しました。スキル『ホーリジャッジメント』、『サモン 〔エルピスソード〕』を取得しました。スキル『ユナ………』、『ルー…………』は条件が全て揃ってないため取得出来ませんでした》


って出ているし。しかも最後の二つのスキルは、条件が揃ってないらしく取得できてなくて殆ど読めない。しかもなんか表示が、鎖で巻かれているような感じになっている。どうやら条件が一つではないスキルもあるようだな。


「いやな、俺も実際よくわかって無いんだが、この剣は極めて希少でしかも特殊な素材で出来ていているらしいって師匠が言ってたんだ。確かにこの剣の素材、特に鍔に付いている宝石の様な物は他に見た事も無いな」

「でも非売品なのに大丈夫なのか?」

「ああ、驚きはしたが、多分持ち主に選んだって事だろうよ。元々師匠は、使いこなせる奴に渡せと言ってたし、作ったのは師匠だから、損はしないのさ」


そう言えば『サモン 〔エルピスソード〕』ってスキルがあったな。サモンってあるんだから呼び出せるんだろうか?よし!


「『サモン 』」


すると頭の中にメニューが現れた。どれを呼び出しますか?と出ていて、エルピスソードが選択肢にある。

サモンのスキルは何個かあるんだろうな。

エルピスソードを選択すると、俺の胸の辺りからエルピスソードが出てきた。これが例外のスキルの一つなんだろうな。便利だな、スキルって。


「おお、出てきた。しかも、俺が戻るように指示すれば戻るらしいな」

「まぁ折角だから大切にしてやってくれ」

「分かった。で、話は変わって防具を売って欲しいんだが」

「まぁ旅をするってんなら、皮の鎧も良いとは思うが確かに防御に難があるからな」


確かにこのラバーメイルは動きやすいな。でもこれあっても無いようなもんだもんな。


「防具には大きく分けて二種類あって、一つは皮や、洋服の様な洋服タイプ。もう一つは金属で出来ていている鎧タイプ。因みに洋服タイプの方にはディフェンスエンチャントって言うに魔力で防御力を付着できる加工が、鎧タイプは、マジックウエイトって言うこちらは自身の魔力で鎧の重さを軽減させる加工ができる。どちらも殆ど防具にはこの処置がされている。けど見た所その皮の鎧には、そうゆう加工がされてないっぽいな」


やはり防具は買い換えよう。命は大事だしな。


「どっちの方がいいんだ?」

「長旅なら洋服タイプの方が良いとは思うぞ。防御力が必要な時だけ魔力を流せばいいしな。金属タイプだと常時防御力は高いが、来ている間ずっと魔力を流せさないとだしな」


普段は軽い方がいいんだろうな。でも不意打ちとかには弱そうだ。防御力に差もあるかもしれないな。


「防御力にはどれ位差があるんだ?」

「そうだなー。持ち主の魔力が高いなら、洋服タイプの方が良いな。まぁ物によって織り交ぜられる魔力の限界が違うんだがな。所で予算はどの位なんだ?」


予算か。金にはかなり余裕があるしな。少し奮発しちゃうか。


「あまり考えて無いが出来るだけ良いものを買いたい」

「値段を考えないのならオススメがあるぜ。最近完成させた自信作だ」


そう言うとオッちゃんは一つの鎧を取り出した。


「これはフェゼマジーアーマーだ。金属タイプと洋服タイプのいいとこ取りの防具だ!メチャクャ苦労したんだぜ。完成に5年ぐらい掛かった代物で、なんとか数着出来たんだ!」


外見は基本的に中世ヨーロッパの民族衣装のチョハと呼ばれる衣装がベースで、胸部や肘などの重要な箇所には金属が使われている。ん?情報コマンドが出てきている。見てみるか。


【フェゼマジーアーマー 装備効果 マジックウエイト

ディフェンスエンチャント

装備者適応・進化】


装備効果の最初の2つは分かるが装備者適応・進化ってなんだ?


「こいつはな、金属には、普通ディフェンスエンチャントは出来ないんだが、洋服タイプと組み合わせる事でマジックウエイトも出来てディフェンスエンチャントも可能にしたんだ。この金属部分と洋服部分の配合が凄く難しくて、苦労したんだがその甲斐あって持ち主の魔力に合わせて進化する鎧になったんだ!!」

「進化する鎧?」

「そう、持ち主に合った物に変わって行って強化もされてしまうから修理して行く事でいつまでも使えるものになってるんだ!」


あっこれが装備者適応・進化の効果か。


「で、それはいくらなんだ?」

「うーん、まぁあんたらには良いもの見せて貰ったし、金貨2枚で売るぜ」


き、金貨2枚?!それは凄く高い!安い回復薬が小銅貨3枚で買えて、三食食べて暮らすのに、毎日少し贅沢しても、一カ月四人家族で銀貨20枚あれば足りる世界で、それはやはり高い。


「どうするクラル?」

「お金は余裕あるし、武器解析させて貰ったんだから買っていいんじゃない。壊さないなら、買い換える必要も無いみたいだし」


確かに金をケチって命を落とすよりはよっぽどましか。


「じゃあ買っちゃうか!」

「よし、まいどー」


こうして異世界での初めての大きな買い物を俺達は終えたのだった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ