アリスのトモダチ
今回は一話まるまる別視点です。
アリス視点ですね( ^ω^ )
そしてまた番外編です。
セリフ少なめです。というか片手で数えられる程度…………
説明文(?)が多いです
私はアリス・シンセウス。
セントラル魔法学園2年C組に所属しております。
学園内では『孤高の花』だとか『光の使い手』などと言われていますね。
…………そんなことは置いといて…
突然ですが、最近私に友達が出来ました。
私、おっとりとした母ではなく、キリッとした父に似たためか少々キツイ顔でして……。
母の遺伝を受け継ぎ、人数が少ない光属性持ちなのとか両親の職業もあいまって今まではっきりと友達だ。と言える人物がいなかったのです。
本人たちがどう思っているのかは知らないのですが…
別に両親のせいとかにしているわけではないですよ?
最大の原因は物事をはっきりと言う私の性格だと自覚していますので。
とはいえ、幼い頃から友達がいなかった私が、私に友達が…!
今までムリだろうなぁと諦めていた友達とのショッピングやご飯分け合っこ、一緒にご飯を作る、お泊まり会など様々なことが出来る可能性が!
えぇ、えぇ、自室にある唯一のヌイグルミに顔を埋め、悶えました。
やったあと恥ずかしかったですけど
友達になったのは同じクラスのフェイとフィア、二人の友達であるルーク。そしてルークの幼馴染であるハクアの四人です。
この関係、見ただけでわかるように私だけ関係が薄いです。
恐らくルークやフェイあたりが女子の知り合いが出来るように気を使った結果でしょう。
ハクアが転校して来たときは女子の知り合いが(男子もですが)出来ないに等しい状態でしたからね。
今もあんまり変わっていないのですが…
ここだけの話、私の友達は少し個性的です。
それが嫌と言うわけではありません。むしろ脱ボッチさせてくれてありがとうと言いたいくらいです。
まずはフィア。彼は明るくムードメーカーでバk…コホンッ所謂、脳筋タイプです。
この間ショッピングに行ったときに判明しましたけど大食らいです。多分、見てるだけでお腹いっぱいになりそうな量をペロリと平らげられると思います。
次にフェイ。貴族といったら高飛車か堅実の人という印象を持ちます。彼は断然後者です。いつも笑顔で何を考えているのか正直、よく分かりません。俗に言う腹黒ですかね?とても頭が良くて腹黒だという点を除いて見習いたいと思っています。
次にルーク。彼とはあまり話したことがありませんが強いと思います。フェイとフィアも強いですが身のこなしが全く違うというか……どう表現したら良いか分かりません。あぁ、あとハクアのことをいろいろと気にかけてます。ハクアのことが好き?敬愛してる?まあ、そんな感じですかね。
最後にハクア。彼女はミステリアスです。いつもフードを被って顔を隠しています。積極的に話しません。自分のことに無頓着です。戦うことが好きででも意外と博識で…。本当に不思議な人です。
この間、少し強引でしたがハクアの顔を見ました。
黒髪のショートカットに青色の瞳、無表情がデフォルトでしたけど綺麗な顔立ちでした。なぜ隠すんでしょうね?
というように個性的な友達のおかげで毎日、退屈しません。
少し疲れたりしますがこれが友達が出来たおかげだと思うと悪い気はしません。
☆~*~★~*~☆~*~★~*~
休日、私は実家に向かいます。
珍しいことに母の仕事が空いたので一緒にお昼を食べようと誘ってくれたのです。
この間のショッピングで買った新しい服を着て向かいます。
久しぶりの母との時間、心なしか足取りが軽く思わずスキップしてしまいます。
実家に着き、天気が良いということで昼食は庭に面してるテラスで食べることになりました。
春休み以来の実家は特に変わっていません。
庭に植えてあるスズランが咲き誇っています。
風に揺れる花は名前の由来の通り、鈴に見えてとても可愛らしくおっとりとした母にとても似合っています。
スズランが咲く春の庭も好きですが正直に言って私は金木犀が咲く秋の庭が好きです。
とても良い香りがして落ち着きます。
「久しぶりね、アリス。学園は楽しい?」
紅茶を飲んで一息したあと母が話しかけました。
仕事が忙しくなかなか私との予定が合わない母との会話はまず、長い近況報告から始まります。
ここで遅まきながら母の紹介をしましょう。
母の名はルーチェ・シンセウス。
祖先が由緒正しい巫女の血統であるためか(昔、巫女の人は殆ど光属性だったのです。今は巫女など殆どいませんが)希少なことで有名な光属性の使い手です。そして預言者でもあります。
預言者と言ったら胡散臭く思うでしょう。詐欺師がよく使う手ですからね。
しかし、母は本物です。
母の言ったことはよく当たります。そのおかげで命が助かった人がいます。
その中には私も父も含まれています。
そして驚くことにその中に国王も含まれていました。
幼い頃、たまーにひっそりとやってくる人が国王だと知ったときは空いた口が塞がりませんでした。
…………ごほんっ、少し道が逸れましたね。
母の職業は『帝』です。
帝とは『聖炎の覇者』や『冥界の女神』を除いて国の中で秀でてる者しかなることが出来ません。
帝は属性を極めた者がなるので基本属性の五つ、派生属性の二つ、希少属性の二つの計九つですので帝は全部で九人です。
皆さん分かる通り、母は光の帝───光帝の座にいます。
光帝は帝の中でもまとめ役らしく他の帝(?)と比べてとても忙しそうです。
それに加え、預言者として王族に重宝されているので…さらに忙しいです。
正直に言えばもう少し休みをと言いたくなりますが国が平和であるために必要なことなので仕方ないと割り切っています。
王族もそこをしっかりと理解しているのでちゃんと気を使ってくれます。
もちろん、気を使わなかったら父がキレて王宮を………冗談ではなく現実にやりそうで怖いです…
……と、紹介が長くなってしまいましたね。
「ええ、楽しいです。」
私はニッコリと微笑みます。
去年だったらきっと作り笑顔でそう言っていたでしょう。
心置きなく話せる人がいない学園はとても退屈で明るく楽しく話している姿を見ると羨ましい気持ちになるのがイヤでした。でも、今は違います。心の底から楽しいです。
それもこれも友達が出来たからです。
今では学園生活はとても楽しいものです。
話していると色々なものの見方が発見出来て良いです。
そして何より必要最低限で味気ない買い物が楽しいものに変わりました。一緒に行く人がいるだけでこうも変わるとは思っていませんでした。
一人で行きづらいお店だって友達といれば簡単に行くことができました。
そうそう最近、私に話しかけてくる人が多くなりました。
なんでも最近の私は話しかけやすくなったとか…
実を言うと私、まだ両親に友達が出来たこと言っていないのです。
手紙で伝えるよりは会って伝えたいと思っているからです。
そして一番に伝えたいと思うのは優しくて強い私の自慢で目標にしている母。
今思えば、母は予知で知っているのかもしれませんね。
私に友達が出来たことを。
「お母様、実は私…………友達が出来たんです」
私の考えとは違い、母はとても驚きました。
そしてにっこりと微笑んで良かったねと言ってくれました。
「とっても面白いというか…個性的な人たちなんです。その人たちは…………」
私は友達とやったことや学園で起こったことを日が沈むまで喋りました。
母は何も喋らず、微笑んで相槌を打っていました。
帰り際にこのことを予知していたか聞くと母は笑って
「してないわ。ただ……最近、アリスと話してないなぁって思ってたけどね。
アンリが少しは休め!って強引に休みを入れたから丁度いいし、アリスに会おうと思って今日は誘ったのよ」
と言った。
……………………母の親友で暫定帝のアンリさん、休みを入れてくれてありがとうございます。
このときばかりはアンリさんに感謝した。
幼い頃にあったきりなので顔はあやふやでしたけど。
おかげで楽しい一時を過ごせました。
学園とかではツンデレなアリスちゃんですが家族の前とかでは普通ですw
帝さん、登場です。
エブリスタさんではよく見かけますけどなろうさんではあまり見かけないですよね、この設定(^_^;)
カオスにならないように頑張ります。
次回もまたまた番外編です( •̀∀•́ )✧
今度は誰視点かなー?w