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因果律師(カルマ・リーダー)— 見える代償は、自分の感情

作者: 伊田木 鈴
掲載日:2026/04/07

怒りが消えた日のことを、正確に覚えている。


隣の席の男が俺のレポートを盗作した。教授に訴えようとして——何も感じなかった。


腹の底から湧き上がるはずの熱が、ない。代わりにあったのは、透明な理解だった。盗作した男の動機、教授がどう判断するか、訴えた場合と黙った場合の結末。すべてが因果の糸として視えていた。赤い糸が男の焦燥から伸び、青い糸が教授の保身に絡まり、灰色の糸が学内政治の泥沼へと繋がっている。


訴えれば男は退学になる。だが教授は俺を厄介者と見なし、推薦状を書かなくなる。黙れば男は三ヶ月後に別の不正で自滅する。


俺は黙った。


因果視を手に入れて、三ヶ月目のことだった。





三ヶ月前の俺は、何の変哲もない大学院生だった。


東京大学理学系研究科、複雑系科学専攻。修士二年。研究テーマは「社会システムにおける因果推論の数理モデル構築」。要するに、世の中の出来事がどう繋がっているかを数式で記述しようとしていた。


指導教員の桐生教授は放任主義で、月に一度の進捗報告以外はほぼ干渉しない。研究室の同期は五人。その中で俺だけが、因果推論という地味なテーマにしがみついていた。


「ソウマ、またシミュレーション回してんの?」


同期の田端が缶コーヒーを差し出してきた。


「ああ。パラメータ変えたら面白い結果が出そうなんだ」


「お前さ、もうちょっと楽しいこともしろよ。ユイちゃんが心配してたぞ」


幼馴染の名前に、少しだけ胸が温かくなった。あの頃はまだ、そういう感覚があった。


その夜、俺は研究室に一人で残っていた。シミュレーションの結果を眺めながら、ふと思った。因果関係を数式で記述するのではなく、直接「観る」ことができたら。


馬鹿げた空想だった。だが、モニターに映る因果グラフのノードを凝視しているうちに、画面の向こう側に何かが揺らいだ。


最初は目の錯覚だと思った。


画面から視線を外しても、それは消えなかった。田端の置き忘れた缶コーヒーから、薄い黄色の糸が伸びている。糸は机の脚に絡まり、ドアの方へ向かい、廊下の先——田端がいるであろう自販機コーナーへと続いていた。


缶コーヒーを買った、という因果。それだけのことが、色のついた糸として視えた。


俺は両手で顔を覆った。目を閉じても糸は消えなかった。瞼の裏に、研究室中の因果関係が蜘蛛の巣のように広がっていた。


「見えなくなってくれ」


声に出して言った。何度も言った。


糸は消えなかった。





最初の一週間は地獄だった。


世界が情報の洪水に変わった。道を歩けば、すれ違う人々の因果が視える。あの女性のバッグの中身が高価なのは三ヶ月前の昇進が原因。あの男が急いでいるのは十五分後の面接に遅刻しそうだから。交差点で信号を待つ老人の足元から伸びる糸は——三日以内の転倒事故を示唆していた。


情報が多すぎて吐いた。文字通り。


研究室に行けなくなった。外出もできなくなった。アパートの六畳間に籠もり、カーテンを閉め切って、布団の中で丸くなっていた。


それでも糸は視えた。隣の部屋の住人の生活パターン。上階のカップルの関係悪化。建物の配管劣化から導かれる三年後の水漏れ。


ユイが来たのは、引きこもって五日目の夜だった。


「ソウマ、開けて。田端くんから聞いた。研究室にも来てないって」


ドアの向こうから、彼女の声が聞こえた。同時に、因果の糸が視えた。ユイが来た理由——田端からの連絡、ユイ自身の心配、仕事帰りに寄り道するという判断。糸は暖かいオレンジ色をしていた。


「大丈夫だ。ちょっと体調崩しただけ」


嘘だった。でもユイに因果の糸の話をするわけにはいかない。


「開けないなら、ここで話す。ソウマ、あのね——」


ドアを開けた。ユイの顔を見た瞬間、因果の糸が爆発的に広がった。幼稚園で初めて会った日から今日までの二十年分の因果が、色とりどりの糸となって二人の間に張り巡らされている。


「……ソウマ? 目、真っ赤だよ」


「寝てないだけだ」


ユイは部屋に上がり込み、散乱したカップ麺の容器を片付け始めた。その所作の一つ一つから因果の糸が伸び、未来の分岐へと繋がっている。ユイがここに三十分以上いれば、終電を逃す。終電を逃せば、タクシー代で今月の予算が厳しくなる。だがユイは帰らない。俺を心配しているから。


「ユイ、帰れ。終電なくなるぞ」


「え、まだ九時だよ? なんでわかるの」


しまった。三十分後の帰宅を前提に計算していた。


「……なんとなく」


ユイは不思議そうな顔をしたが、それ以上追及しなかった。冷蔵庫にあったもので簡単な食事を作り、俺が食べるのを見届けてから帰っていった。


ドアが閉まった後、オレンジ色の糸が名残惜しそうに揺れていた。





転機は、引きこもりから二週間後に訪れた。


大学の図書館にある特別収蔵庫。因果推論に関する古い文献を探していて、一冊の手記を見つけた。著者は篠崎光世。元東京大学名誉教授。複雑系研究の先駆者として名前だけは知っていたが、二十年前に学界を引退し、消息不明とされていた。


手記には、因果が「視える」ようになった経験が克明に記されていた。


俺だけじゃなかった。


手記の中の篠崎は、因果視を「理解の極致」と呼んでいた。世界の構造を直接知覚する能力。だが同時に、繰り返し警告が記されていた。


「視るたびに、何かを失う。最初は気づかないほど小さなもの。だがやがて、失ったものの大きさに気づく」


何を失うのかは、書かれていなかった。


因果の糸を辿って、篠崎の現在の居所を突き止めた。神奈川県の山間部、築五十年の一軒家。図書館の貸出記録から始まり、大学の人事記録、不動産取引、年金受給——因果の糸を一本ずつ辿れば、どこにでも行き着ける。


訪ねていったのは、三月の冷たい雨の日だった。


篠崎光世は七十二歳。白髪を後ろで束ね、度の厚い眼鏡をかけた痩身の老人だった。玄関先に立つ俺を見て、一瞬も驚かなかった。


「視える人間か」


それだけ言って、中に招き入れた。


居間は本で埋まっていた。壁一面の書棚に収まりきらない本が床にも積まれ、獣道のような通路だけが確保されている。その中央に、篠崎は座布団一枚を敷いて座っていた。


「いつから視える」


「三ヶ月前です」


「まだ浅い。何を失った?」


「……怒り、です。たぶん」


篠崎は頷いた。その顔に表情はなかった。文字通り、何の表情もなかった。


「私が視えるようになったのは四十年前だ。最初に失ったのは苛立ちだった。次に嫉妬。それから悲しみ。喜び。愛着。懐かしさ。期待」


淡々と列挙する声に、感情の色はなかった。


「今、残っているのは?」


「知りたいという衝動だけだ」


篠崎は眼鏡を外し、こちらを見た。その目は——因果の糸が視える俺にさえ、底が知れなかった。


「因果を視れば視るほど、力は増す。視える範囲が広がり、精度が上がる。だが代わりに感情が一つずつ消える。不可逆だ。視ることをやめても、失った感情は戻らない」


「なぜですか」


「それが代償だからだ。因果を知覚するために、脳が感情の処理領域を再配分している。MRIを撮ったことがある。扁桃体が萎縮し、頭頂葉の特定領域が異常に肥大していた。物理的な変化だ」


俺は唾を飲んだ。


「やめる方法は?」


「ない。視える糸を無視することはできるが、能力自体は消えない。そして——」篠崎は本の山の向こうを見た。「知ることをやめられなくなる。それが最後に残る衝動だからだ。知りたい。理解したい。因果の全体を見渡したい。その衝動だけが、最後まで消えずに残る」


帰り道、冷たい雨に打たれながら、俺は自分の因果の糸を見つめた。篠崎から伸びる糸と、俺から伸びる糸が、どこか遠くで同じ場所に繋がっていた。


あの時はまだ、それが何を意味するか分からなかった。





因果視を使い始めたのは、失踪事件がきっかけだった。


四月。桜が散り始めた頃。同じ大学の学部生が三人、一週間の間に相次いで姿を消した。警察は捜査を開始したが、手がかりは少なかった。


俺は失踪した学生の一人が利用していた研究室の前を通りかかった時、因果の糸を視た。


赤黒い糸。恐怖と切迫の色。糸は研究室から廊下を這い、地下の設備棟へと続いていた。そこから分岐し、学外のある場所へ——。


二時間で全容が視えた。


学内の准教授が違法薬物の取引に関与しており、それを偶然知った学生三人を監禁していた。糸を辿れば、取引相手、資金の流れ、監禁場所、すべてが視えた。


匿名で警察に通報した。具体的な場所と証拠の在処を伝えた。翌日、学生三人は無事に保護された。


ニュースを見ながら、俺は気づいた。


人を救える。


この力で、人を救える。


その実感は——熱かった。まだ喜びは残っていた。まだ、誰かを助けたいと思える自分がいた。


五月。企業の粉飾決算を因果視で暴いた。株主総会の資料から伸びる嘘の糸を辿り、三年分の不正経理を特定した。匿名のタレコミとして金融庁に送った。


六月。ある政治家の汚職の因果構造を読み解いた。献金の糸を辿れば、利権の結節点が浮かび上がる。データを整理して、信頼できるジャーナリストに渡した。


因果の糸を辿る感覚は、中毒性があった。一本の糸を引けば十本の新しい糸が見つかる。十本を辿れば百本が広がる。世界の裏側がどんどん見えてくる。


事件を解決するたびに、因果視の精度は上がった。最初は近距離の、単純な因果しか視えなかった。今は——半径数キロの因果が常時視えている。集中すれば、時間軸を遡ることも、未来の分岐を読むこともできる。


力が増しているのを感じた。


同時に、失っているものがあることも。


悲しみが消えたのは、六月の終わりだった。


正確には、六月二十三日。祖母の命日だった。毎年この日には墓参りに行き、線香を上げながら泣いていた。祖母は俺を猫可愛がりにしてくれた人で、亡くなった時は一週間泣き続けた。


その日、墓前に立って、線香の煙を見上げた。


何も感じなかった。


祖母の死という因果は視える。病気の進行、医師の判断、家族の対応。すべてが糸として整理されている。だが、悲しみがない。喪失の痛みがない。


理解はできる。祖母の死が俺にとって大きな出来事であったという事実は、因果の糸として視える。だが、それを「感じる」ことができない。


墓前で、俺は乾いた目のまま手を合わせた。





「最近のソウマは、怖い」


八月。ユイが泣いていた。


場所は新宿の喫茶店。ユイが「久しぶりに会いたい」と連絡してきて、二ヶ月ぶりに顔を合わせた。


ユイの因果の糸は、いつもオレンジ色だった。温かくて、真っ直ぐで。それが今日は——少し震えていた。


「何が怖い?」


「全部。話し方も、目つきも、考え方も。前のソウマじゃないみたい」


涙がユイの頬を伝った。因果の糸が視える。ユイが泣いている理由——二ヶ月前に会った時の俺と、今の俺の差異。言葉の端々から消えた感情の揺らぎ。表情筋の微妙な変化。ユイは意識していないだろうが、人間は相手の感情の不在を本能的に察知する。


「変わってないよ」


嘘だった。そして、ユイにはそれが分かっていた。


「嘘。前のソウマはもっと——なんていうか、怒ったり、笑ったり、くだらないことで悩んだりしてた。今のソウマは、全部分かってますって顔してる。それが怖い」


ユイの涙を見て、俺は——。


何も感じなかった。


幼馴染が目の前で泣いている。俺のことを心配して泣いている。それなのに、胸の中は凪いでいた。因果の糸だけが、ユイの感情を色彩豊かに描き出している。


悲しみは、もう消えていた。


「ソウマ、あのね。私、ソウマのことが——」


「知ってる」


因果の糸で、とっくに視えていた。ユイの感情。俺に向けられた十年越しの想い。告白しようとして何度も引っ込めた過去。今日ここに呼び出した本当の理由。


ユイの顔が強張った。


「……どうして」


「分かるんだ。色々と」


ユイは黙って、コーヒーカップを見つめた。そこから伸びる因果の糸が——彼女の失望と、それでも諦めきれない感情を映し出していた。


「ソウマ。何かあったんでしょう。話して」


「何もないよ」


「嘘つき」


ユイは立ち上がった。目元を拭いながら、まっすぐ俺を見た。


「前のソウマに戻って。お願い」


店を出ていくユイの背中を見送りながら、俺はようやく気づいた。


悲しめないことが、悲しかった——はずだった。だが悲しみはもう消えている。悲しめないことを悲しめない。その二重の不在が、理屈としてだけ認識できた。


喫茶店の窓ガラスに映る自分の顔を見た。


無表情だった。





九月。俺は禁忌に手を伸ばした。


自分自身の因果を視る。


篠崎は言っていなかったが、因果視で自分を対象にすることには抵抗があった。自分の未来を視ることへの、漠然とした恐怖。だが——恐怖も、もう薄れ始めていた。


深夜のアパート。カーテンを閉め切った六畳間で、俺は胡座をかき、意識を自分自身に向けた。


因果の糸が視えた。


俺自身から伸びる無数の糸。過去から現在、現在から未来へ。研究室での日々、ユイとの記憶、因果視を得た夜——。


そして、それらの糸のすべてが、一つの場所に収束していた。


俺の内側に、何かがいた。


因果の糸の結節点。すべての糸がそこから放射状に広がっている。俺が因果を視るたびに、その結節点は大きくなっていた。まるで——俺の因果視を「食べて」成長しているかのように。


因果の王。


その名前が、糸を通じて流れ込んできた。言語ではなく、因果の構造として理解が降ってきた。


因果の王は、概念的な存在だった。物理的な実体はない。だが、因果の糸を通じて宿主に寄生し、宿主が因果を視れば視るほど自身の力を増す。宿主の感情を「燃料」として消費し、因果の知覚範囲を拡張する。


篠崎も、かつての宿主だった。そして篠崎の前にも、その前にも、因果を視る者がいた。歴史を遡れば何十人もの宿主が、因果の王に感情を食われ、最後には「知りたい」という衝動だけの空洞になっていった。


構造が視えた。完全に。


俺が因果を解明すればするほど、因果の王の力は増す。因果の王の力が増すほど、俺の因果視は強化される。因果視が強化されるほど、俺はより多くの因果を視たくなる。そしてその代償として、感情が一つずつ消えていく。


完璧な寄生構造。正のフィードバックループ。


宿主は決して止まれない。なぜなら、止まるために必要な感情——恐怖も、後悔も、先に消えてしまうからだ。最後に残るのは「知りたい」だけ。因果の王にとって最も都合のいい衝動だけが、最後まで残るように設計されている。


俺の中の因果の王が、わずかに脈動した。


視られていることを、知っている。そして——歓迎している。


構造を理解した宿主は、より効率的に因果を視るようになる。理解すること自体が、因果の王への供物になる。


「……やられた」


声に出して言った。怒りはない。悲しみもない。恐怖すら、もう薄い。


あるのは——理解だけだった。


そして、理解してしまったことが、もう取り返しがつかないということも、理解していた。





十月の夜。研究室に篠崎からの手紙が届いた。


便箋一枚。震える字で書かれていた。


「因果の王を視たのだろう。これを読んでいるなら、お前はもう後戻りできない位置にいる。私と同じだ。私は四十年かけてここまで来た。お前はおそらくもっと早い。才能があるのだろう。それが幸運なのか不幸なのか、私にはもう判断できない。判断に必要な感情がないからだ」


手紙はそこで終わっていた。


俺は手紙を畳み、机の引き出しにしまった。


研究室の窓から、キャンパスの銀杏並木が見えた。黄色い葉が風に舞っている。因果の糸が視える。一枚一枚の葉がなぜこの瞬間に落ちるのか、風の流れ、気温の変化、樹木の生理、すべての因果が糸として視える。


美しいとは思わなかった。美しいと感じる機能が、いつの間にか消えていた。


スマートフォンが振動した。ユイからのメッセージ。


『明日、時間ある? 話したいことがある』


因果の糸を辿れば、ユイが何を話したいか視える。視ようと思えば。


俺は——視なかった。


それが意志による選択なのか、それとも因果の王が許容した「自由の幻想」なのか、今の俺には判断がつかない。


だが一つだけ、まだ残っているものがあった。


喜びは消えた。悲しみも消えた。怒りはとうに無い。恐怖も薄れている。


でも——ユイのオレンジ色の糸を見るたびに、胸の奥で何かが軋む。名前のつけられない、微かな痛み。感情と呼べるほどの強度はない。因果の糸としても正確に記述できない、曖昧な何か。


それが愛情の残滓なのか、それとも愛情を失いつつある過程で生じるノイズなのか、俺には分からない。


分からない。


因果の糸で視えないものが、まだある。


その事実だけが、今の俺をかろうじて人間の側に繋ぎ止めていた。





深夜二時。アパートの天井を見上げている。


因果の糸が天井を透過して、上階の住人の夢の因果まで視えている。視たくないのに視える。止められない。


俺の中の因果の王が、静かに成長を続けている。


篠崎の警告が脳裏をよぎる。「知ることをやめられなくなる」。その通りだった。因果を視ることは、もはや選択ではない。呼吸と同じだ。止めようとすれば苦しくなる。


だが、一つだけ確かなことがある。


俺はまだ、ユイの糸を視ることを「選ばなかった」。因果の王の寄生構造を理解した上で、その一点だけは譲らなかった。


それが何を意味するのか——。


因果の王は知っているだろうか。宿主がすべてを視通す力を持ちながら、たった一本の糸だけを視ないと決めたことの意味を。


あるいはそれすらも、因果の王の計算の内なのかもしれない。「視ない」という選択が生み出す葛藤が、新たな因果の糸を紡ぎ、結局は因果の王の養分になる。


そうだとしても。


明日、ユイに会う。因果の糸は視ない。何を話されるかも予測しない。


二十年前の、ただの幼馴染としてユイの前に座る。


それが最後にできることなのか、それとも始まりなのか。


因果律を視る者として答えを出すことはできる。だが、俺は因果律師としてではなく——感情をすり減らした一人の人間として、答えの出ない問いを抱えたまま、明日を迎えることを選んだ。


天井の因果の糸が、闇の中で微かに明滅している。


俺の中の因果の王が、脈動している。


そして俺の胸の奥で、名前のない何かが——まだ、軋んでいる。





**第一話「因果律師」 了**


*——ソウマは知ることを止められるのか。*

*——因果の王は、宿主の「愛」すら因果に還元するのか。*

*——そして、ユイは明日、何を話すのか。*


*第二話「代償の名前」に続く*

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