詩小説へのはるかな道 第100話 恋の始まりは微熱まじりのミステリー
原詩: 恋の始まりは微熱まじりのミステリー
あなたの読んでいる文庫本
えっ わたしも読んでる
ほら カバンの中にある
あなたが口ずさんでいる曲
わたしも大好き
ほら プレイリストの一曲目
どうしてこんなに気が合うの
運命? 宿命? 前世の誓い?
何? どうしたの?
そんなジト目でわたしを見て
ああ
隠しきれない どうしよう
本も曲も 後出しじゃんけん
ばれてるみたい
ーーーーーーー
詩小説: 恋の始まりは微熱まじりのミステリー
放課後の図書室で、彼が読んでいる文庫本の背表紙がちらりと見えました。
「あ、それ……」と言いかけて、わたしは慌てて口をつぐみました。
カバンの中には同じ本が新品のまま入っています。
新品のままでは、あまりにも準備が良すぎます。
10ページでも読んでから、声をかけることにしました。
次の日、彼が鼻歌まじりに口ずさんでいた曲が、またわたしの胸をざわつかせました。
プレイリストの一曲目に、昨夜そっと追加したばかりの曲です。
「好きなんだ?」と聞かれたら、どう答えれば自然なのでしょう。
アーティストの情報をもっと調べることにしました。
こうして、彼とはデートをする関係になることができました。
しばらくしたある日、ふたりで歩いていると、彼はふと立ち止まりこちらを振り返りました。
「ねえ、なんかさ……妙に気が合わない?」
「そ、そうかな」
心臓が跳ねます。跳ねすぎて、言葉がうまくでてきません。
「本も曲も、タイミングが良すぎるっていうか……」
彼の目が細くなります。疑っているというより、探っているような目。
まるで、わたしの心の奥に隠した“後出しじゃんけん”の手札を見透かすみたいです。
ああ、ばれてる。
「……わたし、あなたのこと、知りたくて」
気づけば、言葉がこぼれていました。
彼は驚いたように瞬きをして、それからゆっくり笑いました。
「じゃあさ。君が好きなものも教えてよ。ぼくも知りたいから」
ふたりが本当に気が合うかどうかは、これからのお楽しみ。
=====
わたしの詩小説をもとにAI君が詠んだ連作短歌です。
連作短歌: 恋の始まりは微熱まじりのミステリー
Ⅰ 図書室の気配
文庫本
背表紙だけで 胸熱く
まだ読まぬ頁 君へと開く
新品を
隠したカバンの 重さまで
恋のはじまり そっと告げてる
Ⅱ プレイリストの罠
鼻歌の
調べに触れて ざわめいた
昨夜の追加を 悟られぬよう
「好きなの?」
聞かれた未来を 避けたくて
検索履歴に 君が増えてく
Ⅲ 気が合いすぎる理由
歩幅まで
合ってしまう日の 帰り道
後出しの手が 胸を刺すのに
見透かされ
細めた瞳に 息を呑む
嘘じゃないのに 嘘みたいな恋
Ⅳ 告白の温度
「知りたくて」
こぼれた言葉は 微熱めき
秘密の糸が ほどけてゆく夜
笑う君
その一瞬で 救われて
はじめて私の 手札を出せた
Ⅴ これからのふたり
気が合うか
確かめるたび 揺れる影
未来のページを いま開き合う
重ね合う
好きを手探りで 選ぶ日々
ミステリーから 恋へ変わって
詩をショートショートにする試みです。
詩小説と呼ぶことにしました。
その詩小説をもとに詠んでくれたAI君の連作短歌も載せます。




