お弁当の凄さを知ってほしかったから♡
申・鳥・戌の章、更新いたしました。
「何言ってんのよ!大事に決まってるじゃない!」
メリーナは憤慨しながら回りを見渡しエスターテたちに同意を求めると皆、当たり前だろと言いながらうなずく。
「正気か?サンテラ、アニラ、お前たちどうかしてしまっているのか?」
単独での強行偵察で様子見程度の戦闘を予定していた十二魔将「シンダラ・メジアセージ」は、思いもよらない二人の仕草に疑問を感じ思わず問いかけてしまっていた。
「お前が、土ぼこりを出すから弁当を庇った。何かおかしな所でもあるのか?」
サンテラが真顔で答えるとアニラもそれに続く。
「せっかくの美味しい弁当を台無しにされたくないじゃない」
しばらく呆気にとられた後にシンダラは口を開く。
「・・そんなに。旨いのかその弁当は」
躊躇なくメリーナがシンダラに近づくとリックから弁当を差し出す。
「これは、私の晩ご飯分!食べたら全てがわかるわ」
シンダラは再び呆気にとられた後に素早く弁当を受け取り一気に後方に跳び獣化をとくと、ブロンズレッドの瞳、ゴールデンブラウンの髪をもつグラマラスな女性に戻り、弁当の中にあるライスコロッケを頬張った。
「旨い!絶妙な味加減だ!」
シンダラは思わず叫んでいた。
「当たりでしょう♡」
アニラが可愛く唇をペロリとだすと笑顔でツッコミを入れた。
「お前たちまさか・・この弁当で寝返ったのか?」
そう言いながらもシンダラの手は止まっていなかった。
「この弁当は後で知ったものだよ。私たちはメリーナの魅力に負けたんだよ」
サンテラの回答に再びシンダラは疑念の表情に変わり、
「お前達は洗脳か魅了されているのか?」
そのシンダラの言葉にメリーナはバカ正直に答える。
「二人が死んじゃったら嫌だったから、テイムの上書きをしたけど・・」
「総帥のテイムを上書きしただと。そこの金髪の娘、赤髪ではないが?貴様がメリーナ・フレヴァリなのか?」
「そうよ、元々は金髪なの」
「馬鹿げた話だが、本当だとしたら貴様は化物だな!」
「こんなに愛らしい♡メリーになんてこと言うのよ!」
シンダラのセリフに今度はエスターテが憤慨する。
「これ以上我らの主を侮辱するな!メリーは自分の晩ご飯の弁当をお前に与えたんだぞ!」
サンテラの言葉にシンダラは思わず手元を見つめるとバツの悪そうな顔でメリーナに問いかける。
「これは、お前の晩ご飯だったのか?」
メリーナは少し悲しそうにうなずくと口を開く。
「でも、あなたにおばさんのお弁当の凄さを知ってほしかったから♡」
そう言うとメリーナは愛らしい笑顔を見せる。
「強行偵察による様子見のつもりだったんだが・・今日のところは引き上げるよ」
今にも飛び出してきそうなエスターテやサンテラ、アニラをいちべつするとシンダラは上空に舞い降りてきた小さな雲に飛び移り、はるか後方へと去っていった。
お読みいただきありがとうございました。更新を水曜日、土曜日の週二回、16時前位に更新したいと思います。引き続きどうかよろしくお願いいたします。
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