今日は私の分も有るのよ♡
申・鳥・戌の章、更新いたしました。
「サンちゃん!アニちゃん!お弁当♡」
無事?アルカディア魔法学園の入学選考試験が終わり学園では、いよいよ大破した大講義室の立て替え建築が始まり、厳重に覆われた仮囲いの中でサンテラとアニラの二人は作業員として汗を流していた。
昼休み時間にはいつも、メリーナがカイラの作ったまかないの弁当を二人に届けていた。
「へへ、今日は私の分も有るのよ♡」
メリーナは、嬉しそうに二人に弁当を手渡すと、いつものベンチに真っ先に腰かけ包みを開く。
「と、いう事は昼からメリーナも作業に加わるのか?」
アニラの言葉にメリーナは、真顔になり二人をキョロキョロと見つめなおして口を開く。
「もしかして、このお弁当はそう言う・・」
その様子にサンテラは含み笑いをしながら声をだす。
「あの、おばさんが気前よく弁当を手渡したんだ。そう言う事だろう」
「そういう事だよ」
いつ近づいてきたのだろうか。ベンチの後ろ側からポーラ学長がメリーナに声をかけられ、あわてて振り向く。
「昼からは屋根を乗せないとならないから、魔法力の応援のためだよ」
学長の横にいるカイラも笑いながら言葉を付け加えた。
「このデカイ屋根を浮かばせ支柱に接地するには、安定した強い魔力と繊細な魔力制御が必要なんだ」
「それで、私のお弁当が今日はあったんですか・・」
メリーナはすでに組み上がっている広い一枚物の大屋根を見つめながら納得し、うなずいていた。
「魔力を均一に保ちながら少しずつ力を込めて」
ポーラ学長の魔力よって高められた号令の元、作業員以外にも集合できた職員、教諭が大屋根を取り囲み大屋根に魔力を込める。
「いいよ。少しずつ浮いてきた。魔力制御は私が受け持つから均一に力を込める」
大講義室の土台と大屋根の間にいる数人は特に魔力が強い者があてがわれており、そこには学長、カイラ、サンテラとアニラ、そして変身した赤髪のメリーナの姿があった。
「高さが支柱を越えたな?横へ送りこむ。へたるんじゃないよ」
四隅前方の角にいるポーラ学長と、その反対側にいるカイラが大屋根を制御し動かし始める。
「いい調子だよ。4分の1位まで移動したら打ち合わせ通りにサンテラは私の方にアニラはカイラの方に移動して皆で一緒に屋根に合わせて共に前進するよ」
そうして少しずつ大屋根が支柱に覆いかぶさって更に移動していたその時、大屋根の後方側が浮き上がって来た。
「メリーナ!ゆっくり魔力を下げる。真ん中で支えていた、お前の魔力が後方に移ったせいで、バランスが狂って私の魔力制御が届かなくなってる」
メリーナが魔力を弱めると、今度は大屋根の後方側が下がってしまい、あわててポーラ学長が叫ぶ。
「真ん中はメリーナが一人で支えていたみたいじゃないか!後方、頑張って魔力をもう一度高めろ!」
ようやく大屋根は安定し始め支柱の真上に来るとポーラ学長は今度は優しい口調で声をだす。
「ゆっくりだよ。ゆっくり魔力を弱めて、特にメリーナ!本当にゆっくりだよ。多少時間がかかる方が安全だ!可能な限りゆっくりと魔力を弱めるんだよ」
夕刻には関係者総動員の大騒ぎの末、無事に大講義室の大屋根は支柱に収まり一大イベントは終了した。
お読みいただきありがとうございました。更新を水曜日、土曜日の週二回、16時前位に更新したいと思います。引き続きどうかよろしくお願いいたします。
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