エスちゃ~ん♡、私ちゃんと体育委員の勧誘やれるかな?
更新いたしました。
「何か、気づいた事が有った?」
学生寮の屋上の出窓で受験生を面白そうに眺めているメリーナにエスターテが話しかけてきた。
「うん、今のところ特には無かったよ。この姿、燃費悪いから元に戻るね。メリーチェンジ!」
「え、ネンピ??」
不思議そうにエスターテは変化するメリーナの顔をのぞき込んでくる。
「え、魔力が減るって意味だよ」
自然に口から出た「燃費」って言葉に驚くと同時にエスちゃんはこの世界の人なんだと実感し、少しだけもの悲しくなっていた。
本来はオリエンテーションは大講義室で行われていたのだが、今回は魔導訓練場を使用するしかなく、受験生の実技試験を終えてからの設営となっていたので、夕方から学校職員と教諭の一部が翌日のオリエンテーションの準備を開始していた。
「お疲れ様です」
体育委員のメリーナが台車で備品を元体育委員長のアウラと共に搬入していた。
「ありがとう。そこの入口に置いておいてくれよ」
忙しそうなカイラが場内から指示を出す。
「何か手伝いましょうか?」
アウラが声をかけると、再び中からカイラの声が響く。
「ややこしい事をしているから、搬入だけをしっかりやっておいてくれ。凄く貴重な品々もあるから、しっかり運ぶんだよ」
その言葉に、二人はあらためて手元の箱をしっかりと持ち直していた。
「もしかしたら、この箱の中身は魔道具でしょうか?」
メリーナの問いにアウラは少し困ったように答える。
「これは・・、貴重なアーティファクトとかも混ざっていそうだな」
翌朝、初日の学科、実技の試験に合格した受験生が学園入りする前に生徒会メンバーが魔導訓練場に集合し打ち合わせとリハーサルをとり行っていた。
「エスちゃ~ん♡、私ちゃんと体育委員の勧誘やれるかな?」
リハーサル中、いきなり泣き言をいうメリーナにエスターテは真顔で答える。
「あなたは、そう言いながら美味しい所を持っていくんだから。私の後に勧誘のスピーチをしてよね」
そう言いながら進行役のルシアに順番を再度確認をお願いしていた。
「え~、そんな~」
メリーナが心配そうに周りを見渡していると、役員、委員長クラスは忙しそうに役割分担についての確認に、ルシアの回りに群がっていた。
「みんなも、同じなんだ・・」
前半に学園での生活の説明を行う、文化委員長のシュシュ・フルールと広報委員長のマノン・ブルイヤールも生徒会会長のリヴィアと副会長のアウラと入念なチェックにはげんでいた。
メリーナは壇上から整然と並ぶ沢山の椅子を見下ろしながら、これから一時間もしない内に新たな仲間になる受験生たちが入場しオリエンテーションが始まることに、好奇心とそして大きな期待で胸が高鳴っていた。
お読みいただきありがとうございました。未の章より更新を水曜日、土曜日の週二回、16時前位に更新したいと思います。引き続きどうかよろしくお願いいたします。
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