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私も拘束されちゃうかと思ちゃいましたよ♡

午の章最終話、更新いたしました。

 「隠ぺい魔法も使えるのか?」

半人半馬の本来の姿になったサンテラが詠唱を止め、後ろを振り向きながらメリーナを睨み叫ぶ。

「え、なんか今日から色々使えるようになったの♡」

メリーナの緊張感のない、あっけらかんとした返事にサンテラは少し納得する。

「進化途上・・、まさにインダラの言葉の通りだな」

メリーナを振り払う為に地上に急旋回しながら降り立つが、メリーナは黒いブレードを持つレイピアを馬の首元のタテガミ辺りへと突き刺し、未だにまたがり続けていた。

「いつまで、またがっている降りろ!貴様無礼だろう!」

サンテラが学園の中庭で激しく暴れ出す。


「なに、散らかしているんだい!掃除するこっちの身にもなっておくれよ!」

学園の職員、旧生徒会長のカイラが激高しながら近づいて来る。

「おばちゃん♡ごめんなさ~い」

メリーナが馬上から謝る。

「この暴れ馬にはお仕置きが必要だね」

カイラはそう言うと、手に持つ長柄のホウキに魔力をのせると、サンテラのお尻を力いっぱい叩いた。

「いったーい!」

サンテラが涙目でカイラを睨む。

「カイラ・イズメイ、水、風 、土、炎、聖、雷属性。情報調査用魔法、隠ぺい魔法、時空魔法、白魔法、黒魔法、爆裂魔法。基礎能力値99、最大能力値測定不能。貴様も化物か!」

サンテラの情報窃取の叫びにカイラは慌てる事なく言い放つ。

「最大能力値までは窃取できないのかい、まだまだだね」

そう言うと反対側のお尻も力一杯叩いた。

「いったーい!もう暴れていないだろう」

サンテラは再び涙目でカイラを睨む。


「ご苦労様。ここまでだよ、マドラスのギルド長。拘束させてもらうよ」

中庭にポーラ学長が現れると、すでに魔法陣を展開していた。

「光輪凝固陣!」

「な、やめ・・」

サンテラは光のリングに拘束されると身動きできなくされていた。

「え~、私も拘束されちゃうかと思ちゃいましたよ♡」

メリーナはサンテラから学長の前に飛び降りて、その凄さを言葉にしてから一礼をした。

「カイラもご苦労様だね」

学長の言葉にカイラは少し笑うと。

「全く、どうするんだよこれは、掃除が大変なんてもんじゃないよ」

カイラのその言葉に、三人は、ボロボロになった大講義室を、溜息をつきながらうつろな眼差しで、しばし見上続けていた。



「サンテラの部下、マドラスの首長からの報告が入ってまいりました」

地下迷宮、「夜明けの爪」本部では、一人の女性がひざまずき報告を述べていた。

「・・なんだ」

「十二魔将、ケルピーのサンテラがアルカディア魔法学園に虜囚されたとの事です」

「サンテラがみすみす虜囚されただと。・・なぜ死を選ばなかった?」

「アルカディア魔法学園の学長によって虜囚された様です」

「化物と言われた学生の詳細は不明のままか?」

「神聖魔法を使う赤髪の癖毛のショートヘア、濃いピンクの瞳、口元から小さな牙がある女学生だそうです」

「他には、ないのか?」

「・・名はメリーナ・フレヴァリ。属性、測定不能。魔法、測定不能。基礎能力値、最大能力値、共に測定不能。との事です」

「サンテラの情報調査用魔法で測定不能。・・私と同様の属性、能力値の可能性が有るという事なのか」

「次はどの様にいたしましょうか?」

「そうね。そこまで異端の者ならば、我が「夜明けの爪」に招き入れるのも良いかもしれませんね」

「ではその様にいたしましょう」

「手段は任せましょう」

「・・たしかに承知いたしました」


そう言うと、この場から女性の姿が消え、この広い地の底に再び静寂が訪れていた。




お読みいただきありがとうございました。次章、未の章より更新を水曜日、土曜日の週二回、16時前位に更新したいと思います。引き続きどうかよろしくお願いいたします。


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