凄い立派な馬車ばかりですね♡
更新いたしました。
「終わった~♡」
年次魔法研究報告の提出期限当日、メリーナとそれを手伝ったエスターテは徹夜明けで朝を迎えた。
「簡単な朝食を用意するから、メリーは最後の確認と登校の準備をしていなさいよ!」
エスターテの言葉にメリーは明るく無邪気に答える。
「はい。は~い♡」
「もーぅ!、はいは一度にして!」
「学長、失礼いたします」
セージ・アーリー教諭が学長室を訪ねてきた。
「あら、顔色が優れない様だけど」
セージは分厚い紙袋を学長に手渡す。
「本日、提出が有った一学年の年次魔法研究報告の一部です。「メリーナ・フレヴァリ」の報告書をお読みいただけませんか?」
「メリーナの報告書ですか?確かに興味がありますね」
そう言うとポーラは書類に目を通し始める。
「あまり、整った報告書ではないですね・・」
そう言いながら読み進めていくと、学長は少しずつ真剣な眼差しへと変わっていく。
「これは、今まで一つの仮説では有りましたが、あの子の中では既に一つの理として概念化されているようですね。しかも本人しか知りようのない固有ギフトを情報調査用魔法以外の方法で確認が可能だという事ですか」
「はい、しかも彼女はこれから情報調査用魔法を習得する可能性が高いのです」
「つまり、今まで情報調査用魔法でも確認のしようがなかったシークレット固有ギフトと共に全ての情報を読み取ることがメリーナには可能になるという事ですね」
ここで、セージは学長に自分自身の胸中を思わず吐きだしてしまう。
「私は、恐ろしいのです。自分の情報が彼女に全て抜き取られるのではないかと」
「これは、優秀な報告書ですが公開できませんね。進級に差しさわりの無い位の点数を付けて、非公開として私と貴方だけの秘密という事にしてもらいましょう」
「たしかに、年次魔法研究報告会などには絶対に出せませんね。もったいないとも思いますが・・」
袋からメリーナの報告書だけを抜き出すとセージに袋を手渡し、少し溜息をつきながら口を開く。
「来年の年次魔法研究報告も何が飛び出すかわかりませんね」
セージは少し顔を青くしながら「確かに」と、一言告げて学長室を後にした。
「さて、あの子の周りに高度な情報調査用魔法の使い手は居たかしらね」
そう言いながらポーラ・プティ学長は何かを思い出したように含み笑いをしていた。
年次魔法研究報告会がとり行われる最終日の朝、メリーナは、主要な自治体の首長や各ギルド長が乗り込んできた馬車の馬車停でアウラ副会長と共に交通誘導員として働いていた。
「凄い立派な馬車ばかりですね♡」
「各街を代表する明主ばかりだからな」
アウラはそう答えると再び役目を終え馬車停を捜している御者に向かって合図を送る。
「うわー!なんて立派な輓馬」
メリーナの目の前を先頭で通り過ぎる赤いたてがみの黒馬に思わず見入ってしまっていた。
お読みいただきありがとうございました。もう少しの間は毎日更新を予定しています。
もしよろしければ小説家になろうでの、評価、ブックマーク・フォロー、感想などを頂けますと幸いです。




