美味しい、とっても美味しいです♡
更新いたしました。
「あれ、学生食堂のおばさん」
放課後メリーナが、いつものように台車で備品の配達をしていると学生食堂で配膳をしていた女性を見かけ声をかける。
「あら、いつも元気なお嬢さんじゃないか」
「覚えてくれていて嬉しいです。お仕事中ですか?」
メリーナがたずねるとその女性は笑いながら答える。
「風魔法で校内の掃除をしているんだよ。通路の掃除は生徒さんが講義をしている午後に済まわせるんだけどね。今日は午後にミーティングがあってね、通路も講義室も同時に放課後にしなくちゃならなくなってね。あんたも備品運びご苦労さん」
そう言いながらメリーナの後ろの通路を風魔法を使い器用にほこりやゴミを一か所に集めていた。
メリーナは邪魔になってはいけないと、会釈をすると備品の運搬作業に戻っていった。
「あー、終わった終わった」
仕事を終え校舎の裏口からメリーナが出てくると奥の焼却炉の前に先程女性がたたずんでいた。
「お疲れ様です♡」
メリーナが声をかけると女性も返事をする。
「あんたもお疲れ様、一人で仕事をこなしているのかい」
「はは・・、今、体育委員は私一人だけなんです」
「そうかい、いつの時代でも体育委員は不人気なんだね」
「そうなんですよ、今も募集中なんです・・」
そうメリーナが口に出したところでふと疑問を感じたので問いかける。
「生徒会にくわしいのですね。もしかして学園出身なんですか?」
「そうだよ、この学園で働いている教員以外の職員は皆、この学園の卒業生たちだよ」
「えー!」
「なんだい、知らなかったのかい。この学園の防犯上の決まりなんだよ」
驚きながらメリーナは再び頭を下げてわびる。
「勉強不足でごめんなさい」
「大丈夫だよ知らない生徒がほとんどだからね。だけと生徒会の人間なら知っておくべきだったね」
「最近生徒会に入ったばかりで、まだわからない事ばかりなんです・・」
「最近、入ったばかり?それで一人で体育委員を任されているのかい?」
「・・はい」
ここで突然、メリーナの腹が鳴りだすと、メリーナは一気に顔を赤くして再びうつむいてしまった。
女性はゆっくりと腰のツールバッグを開くと、紙に包まれたライスコロッケをメリーナに差し出した。
「ご苦労様、お腹がすいているんだろう。まかない料理だけど一緒に食べようね」
メリーナは包みをそっと手に取って口にした。
「美味しい、とっても美味しいです♡」
メリーナは焼却炉の片隅にあるベンチに女性と共に腰掛け、ライスコロッケを食べながら昔の学園の話を聞き入っていた。
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