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わたしがメリーの顔を見間違えるわけないじゃない♡

巳の章、最終話更新いたしました。

 インダラはすでに認識していた。自分の魅了の瞳が効かない目の前にいる少女、それは・・同じ魅了を持っているか、または「格上の相手」だという事を、そのような異種な存在となっていることを・・。

「きさまのシークレット固有ギフトは「匂いフェチ」か?赤魔導士と「匂いフェチ」のギフトが合わさると、こんな化物になるのだな」

そう言いながら意を決したインダラは攻撃に入る。

その両腕の手首が伸び、紅色の蛇の様にメリーナに襲い掛かっていく。


メリーナは今、はっきりと自覚していた。ここは、味覚、嗅覚が感じられないMMOゲームとは違い、リアルな世界でのメリーナなんだと。リセマラされるような存在ではなかった事をメリーナのシークレット固有ギフトが知らせてくれた。更にその先の進化がある事を・・。


不規則な軌道で魔力を帯びて襲い掛かってくる手刀をメリーナは難なくかわしてインダラに迫っていく。

「この化物が!」

そう叫びながら、インダラの身体からさらに六本の蛇の腕が生えてきて襲い掛かってくる。

その蛇の腕をかわしながらメリーナは叫ぶ。

「ストップ!」

通常この時魔法は格下の相手でさえランダムにしか発動しない。「完璧に近い」発動は、極めて格下な相手の場合のみだ。

全身に神聖魔法の白いオーラをまとったメリーナが手刀にその力を集中させている光景を見つめながら、インダラの脳内だけはストップの魔法をわずかにだが抵抗できていた。

(私は、確実に命を絶たれる。その前に、せめてその前の僅かな時間に、この化物の存在を伝えなければ。しかもこの化物は進化の途上であることを・・)

そして次の瞬間、赤髪のメリーナにインダラは首をはね落とされていた



「ルシア、メリーナ、大丈夫か!」

ジョフリーがはった強力な結界がとけると、アウラとエスターテが声をかけた教師たちを伴って生徒会長執務室になだれ込む。

そこには、赤く染まった床に赤髪癖毛のショートヘア、濃いピンクの瞳、口元から小さな牙をもつ一人の少女がたたずんでいた。

一瞬、皆が棒立ちになるなかエスターテだけがメリーナを認識し飛びつき抱きしめる。

「メリー、無事で良かった」

「エスちゃん、私がわかるの?」

驚くメリーナにエスターテが告げる。

「わたしがメリーの顔を見間違えるわけないじゃない♡」

泣きながらそう言と、強くメリーナを抱きしめた。



「ご報告があります」

地下迷宮、「夜明けの爪」本部では、一人の女性がひざまずき返答を待っていた。

「・・なんだ」

「十二魔将、サーペントのインダラの消失を確認致しました」

「アルカディア魔法学園に向かわせていたはずだが」

「はい、最後の念話は、わずかでして。化物、進化途上、学生の三つの言葉のみでした」

「あのインダラが、それだけの情報しか残せなかったのか?」

「はい・・」

「次は、お前がお行き。そして、どの様な脅威なのかを詳しく調べてきてちょうだい」

「たしかに承知いたしました」


そう言うと、この場から姿が消え、この広い地の底に再び静寂が訪れていた。




巳の章はここ迄となります。お読みいただきありがとうございました。


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