メイド長が作ったあの焼き菓子が食べたいぞ!
ちょくちょく語り手が変わります
今回はルニカ視点ですね
そんなところも楽しんでいただけたらなぁと思います
さて、今日のおやつは何かな?などと考えながらエリスの剣を預かる
騎士団本部から王宮までは一般人の歩きで20分程度かかる
そんな道をエリスの歩幅に合わせてゆっくりと歩くため40分くらいかかるだろう
「なぁルニカぁ」
ルニカとは私の名前である
「なんでございましょうか」
呼びかけ対して失礼のないように答える
「今日のお菓子はなんだろうな!えりすはまたメイド長が作ったあの焼き菓子が食べたいぞ!」
そう元気よくしゃべるエリスの言う焼き菓子とはイチゴが乗ったクッキーのことだ
うちのメイド長はお菓子を作るのが得意であり、エリスとこっそり使用人部屋に行くと大体いつも何かを焼いている
いつからだろうか? メイド長がお菓子をよく焼くようになったのは
思い返すとエリス様が生まれてから5年が経過したころだろうか?
その頃はよくエリス様と城探検に行っていたなぁと思い出した
とてつもなく広い王城を日中ずっと歩き回った
その中でエリス様が特段気に入っていたのが私たち使用人が生活している区画だ
新米の使用人からしたらいい迷惑に感じただろう
何せ王子の一言で解雇になる可能性があるのだから
そこでメイド長がお腹をすかせたエリス様にお菓子をあげたんだったか?
そしてそれを気にいったエリス様がお菓子目的に通うようになったのか?
確かそんな感じだ!
今思うと野良猫に餌を与えてるみたいだな
んでその時食べた焼き菓子がイチゴが乗ったクッキーだったってわけだ
「なら戻ったらメイド長にリクエストしてみましょうか!きっと喜んで作ってくれますよ」
「そうだったらいいな!あいつの作るのは大体美味いからな!」
そんな話をしながら歩くこと50分
思ったよりも時間がかかったが安全に王宮に戻ってくることができた
遅くなったのは途中に枯れかかった花があり、それに水を与えていたのが原因だな
後はこの剣をばれないように私の部屋に隠してからエリス様の部屋に戻るだけだな!
と思い見つからないように使用人区画の一階にある私の部屋の窓の外まで来た時
後ろから声がかけられた
「なにをしているのですか?」
と