ダンジョン入口で全滅した件 ~始まってすらない冒険の始まり 最終章~
勇者パーティーがダンジョンに挑んだ……と思ったら、
ドアノブカバーに阻まれ、ドアが開かないまま全滅した。
薄れゆく意識のなかで、勇者は思う。
レースのドアノブカバー、ツルっと滑るし。
短剣でこじ開けようとしたけど……短すぎて届かんかった。
刀身は1センチ。
剣をもつとこが15センチだから。
しゃーないね。
あ……ドアノブとれちゃってる……。
ダンジョン管理者の声が響いた。
「業務放送! ドアノブは弁償してくださいね~」