水溜まりと流水
掲載日:2023/07/03
かたちを持たない液体だからこそ。
流れる水を羨んだまま
ただ おのれを深く広くする
それでも海にはかなわないんだと
さみしそうに笑ったおまえには
青すぎた空がうつっていた
その場で干あがるのを待つつもりかなんて
意地悪な問いかけはやめとこう
それぞれの生きざまには それぞれの器があって
そいつを満たすのが幸せでも
そいつをあふれさせるのが幸せかどうかは
それでも傾けてこぼれ出るのが幸せかどうかは
ほかのだれかがくちをはさむことじゃない
窪みをみつけて 溜まることできずに
ただ 流れて低い地をめざす
それでも 海にはたどり着けないと
くやしそうに途切れたおまえには
かわいてく涙を思わされた
その場で干あがるよりましだろうになんて
まとはずれな慰めはいらねえか
それぞれの生きざまには それぞれの器があって
そこで涸れてくのが幸せでも
そこに鎖ざされないのが幸せかどうかを
それでも力尽きるまで歩むのが幸せかどうかを
ほかのだれもがくちを酸っぱくしてただろうから




