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ジュエルウェポンスライム

 二度目の進化を経て、オレの〖ステータス〗はこうなった。



‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

種族:ジュエルウェポンスライム

獣位:長獣

魂積値(レベル):21 UP


 スタッツ

ライフ :57/80

マナ  :32/41

パワー :45

タフネス:818

レジスト:72

スピード:25


 スキル

溶解液 自己再生 方向感覚

カバー 投擲 逃走

登攀 挑発 圧し潰し

ブロック 食い溜め 完璧の守勢

逃走本能 魅惑の輝き 不退転

柔軟運動 ウィップ 専念

コンパクトウィップ 連撃 愚行

運搬 隠密 意思理解

跳躍 回避 スラッシュ

コンパクトスラッシュ ジェスチャー 意思伝達

ウェポンボディ(NEW) 流転の武芸(NEW) 身体修復(NEW)


ユニークスキル:肥大地雷アース・グロウス・サンダーボルト

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐



 おおぉ、メッチャ強くなってる……のか?

 〖進化〗前に確認した時は〖パワー〗も〖スピード〗も17だった。


 そのことを踏まえれば〖スピード〗は上がり、〖パワー〗なんかは二倍以上に跳ね上がっているわけだが……やっぱ〖タフネス〗が突出し過ぎてて比べ辛ぇ……。

 他者の〖ステータス〗を確認する手段がありゃいいんだが、まぁ、無い物ねだりしても仕方ねぇか。


「(少なくとも消化速度は上がったしな)」


 〖溶解液〗の威力は〖パワー〗依存なので、固くて溶かしにくかったザリガニを楽に溶かせるようになった。

 これは確かな進歩である。


 昨日の自分よりも強くなれたと胸を張ろう。

 そんな感じの標語が学校にも貼ってあった気がするし。


「(次はスキルだな。どれどれ……)」



~スキル詳細~~~~~~~~~~~~~~

ウェポンボディ 常時、肉体を武器状に変形しやすくなる。自身の肉体を武器とした時、武器性能を補正。


流転の武芸 〖ウェポンスキル〗を中断しやすくなる。〖ウェポンスキル〗発動時、バランス感覚を補正。


身体修復 〖マナ〗を消費し、損傷を修復できる。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



 〖ウェポンボディ〗は〖柔軟運動〗の武器限定版って感じだな。

 今の戦法とも合致していて有用そうだ。


 『武器性能を補正』てのは抽象的すぎるが、切れ味とか強度が上がるって事でいいのか?

 まあ、補正ならマイナスにはならねぇだろう。


 二つ目の新〖スキル〗は〖流転の武芸〗。〖ウェポンスキル〗を強化する〖スキル〗だ。

 〖ウェポンスキル〗ってのは〖ブロック〗とか〖ウィップ〗とか、武器(ウェポン)を使う〖スキル〗のこと。

 まあ、オレは自分の体で発動してるから武器(ウェポン)は使ってねぇんだが。


「(〖スラッシュ〗)」


 効果のほどを確かめるため〖ウェポンスキル〗を発動。

 何度か試し、何となくこれまでとの違いが見えて来た。


 端的に言うと、体が流れにくくなった。

 これまで〖ウェポンスキル〗を使った時は勢い余ってつんのめるというか、力を込めすぎてバランスを崩してしまうことがあったのだが。

 この〖スキル〗を得てからは余分に込めた力をすぐさま消せるようになった。


 これが『中断しやすくなる』ってことなんだろうな。

 そこに『バランス感覚補正』も加わり、〖ウェポンスキル〗の連発がしやすくなったっぽい。


「(あと〖ウェポンボディ〗の性能もちょっと分かったな)」


 さっきの実験の副産物だ。

 近くの枝を切って見たのだが、その断面が今までにないくらい滑らかだった。


 〖スタッツ〗の上昇だけではこうはならない。

 切れ味上昇効果があると見て間違いねぇだろう。


「(んで、最後は〖身体修復〗ねぇ)」


 これは特に言うことは無い。便利な回復〖スキル〗だ。

 オレの〖タフネス〗を貫通してくる敵も居ることだし、能動的な回復手段があるのは良いな。


 〖ステータス〗からの確認だけじゃあどのくらいの効果量か分からねぇが、ちょうど〖ライフ〗が減っている。

 確認がてら〖身体修復〗で癒してしまおう。


「(〖身体修復〗!)」


 新たに使えるようになった能力に、慎重に〖マナ〗を注いでいく。

 手始めに〖ライフ〗を5回復させたところ、〖マナ〗は10減っていた。


「(効率は二分の一か)」


 オレの〖ライフ〗は〖自己再生〗で勝手に回復して行くし、〖ステータス〗では小数点以下が分からねぇから誤差は多少あるんだろうが、取りあえずはこの認識で良いだろう。


「(〖ステータス〗の変化はこんなとこだな)」


 だが、〖進化〗の恩恵はそれだけじゃあない。

 ジュエルウェポンスライムになったことで肉体も成長している。


 具体的には、直径が二倍以上になった。つまり体積なら八倍オーバーだ。

 その分だけ武器にできる部分も増えている。


「(二刀流!)」


 シャキーン!!

 左右から鞭を伸ばし、その先端に刃を生やす。


 〖ウェポンボディ〗の補正が掛かったその鋭利さはまるで日本刀のよう。や、日本刀見たことねぇけどイメージとして。

 こいつは振るえばたとえ樹木でさえ一刀両断に──


「(ハァ!)」


 ベキッ!

 ──少し食い込んだところで受け止められた。


「(……ちょっぴし手加減しすぎたな。〖スラッシュ〗!)」


 ベキィッ!

 今度は半ばまで刃が進んだが、一刀両断には程遠い。

 …………。


「(……今宵のオレは血に飢えてるぜ!)」


 〖魂片(経験値)〗にならねぇ試し斬りなんざ無意味だ。

 それに太陽の位置がもうそろそろ真上に来る。


 ちょうどザリガニを食べ終わったところだが、〖進化〗で体積が増えたためか満腹には程遠い。

 そういう訳で、食料兼〖経験値〗を求めてオレは森をさまよいだしたのであった。

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