第七話
第七話です。
「おい、見失ったぞ。どうしてくれんだ」
盗賊は少し困った顔をして言った。
「なんのことだ?」
「だから城ヶ崎のことだよ!さっきの俺達が追っていた女の子なんだよ!!」
「だからなんのことだ?」
おいおい嘘だろこいつ城ヶ崎とは関係ないってのか。本当にただの金目当てだったのか。
俺は突然異世界に来て相当なストレスと目標を見失ってイライラしていたのか思いっきり地面を踏み、拳に力を入れる。
「くそッ!! アリシア、もう一度だ。もう一度、あの水晶を出してくれ」
「いえ、今日なもう暗くなってきてますし一度休憩を取り明日また探しましょう。それに、少し冷静になることも必要です。」
まじかよやっとヒントになりうるものを見つけたと思ったのに
これも全てこの盗賊のせいだ。
でも、確かにアリシアの言う通り少し落ち着こう。
「おい、お前名前は何という?」
俺は少し冷静になったつもりで聞いたがまだイライラを隠せてないのか盗賊は少し怯えて答えた。
「ギル……ウォ……」
盗賊の声があまりにも小さかったので俺は聞き返した。
「え?」
「ギル・ウォーカー!!」
盗賊は黒いフードを少し乱暴に取り、聞き返したことに対して必要以上の声量で言った。
フードの下は顔を見た感じまだ、子供のようだ。
「そうか、ギルか。ギルはこの後行く宛はあるのか? もし、よかったら今晩俺達とどうだ?」
さっきまでの怯えた様子はなくむしろ俺達の仲間にでもなりたそうに目を輝かせ答える。
「え、いいのかい?」
「ああ、いいとも。その代わり少し働いてはくれないか? 俺達を襲ったんだ。もちろん無償でいいだろ?」
少し意地悪を言ってみたりする。
しかし、ギルには行く宛も仲間もいなかったのか喜んで答えた。
「ああ、もちろんだ。これからよろしく」
自己紹介を忘れ、慌てて言う
「すまん遅くなったが俺は沢城樹だ」
「樹、変わった名前だな」
現代人の名前は珍しいことを忘れていた。
そこに存在を示すかのように続けて自己紹介を行う。
「私のことを忘れないでください。私はアリシアです。今後ともよろしくお願いします。」
「ああ、そうだったなーアリシアよろしく」
少し嬉しそうに笑いながらギルは言った。
「では、自己紹介も終わったことですし、そろそろ宿、探しません?」
「それもそうだな」
「だったら俺、いい宿知っているぜ」
ギルが得意げに言った。
「おお、本当か。じゃ、案内してくれ」
「おう、ついてきな」
なんだよめっちゃいいやつじゃんかよ
「とうちゃーくー」
その宿は少しボロいがかかるお金は安すぎず、高すぎずで安定している宿だった。
俺達は受付に行き、残りちょうど二部屋空いていたので一部屋はアリシアがもう一部屋は俺とギルで使うことにした。
お金はというとここに来る前に道中で狩った雑魚モンスターの素材等を昼間に売りさばいており、そこで手に入れたお金を使った。
そして夜
寝れない!!なんかわからんけど寝れない!
「ギル、もう寝たか?」
「まだ起きてるよ。」
ギルは少し寂しそうな声をしていた。
「なんか相談なら言え。俺達はもう仲間だからな」
「ああ、わかっている
だが今はまだ・・・」
なにかあるのだろうけどこれ以上の探りはやめた。
「そうか、わかった」
気づいたら俺は眠っていた。
―――翌日
「あーー朝だ。」
俺が起きたときはすでにギルは部屋にはいなかった。
下が何やら騒がしい。
「何だ?」
下に行って見ると他の冒険者とギルが揉めていて、それをアリシアが止めているところだった。




