第三十六話
第三十六話です。
体育教師が合図を出す。
「オン・ユア・マークス、セット」
バン!
と、ピストルの音があたり一面に鳴り響いた。
無我夢中で走っているつもりだった。
これも、緊張のせいなのか。全然気づかない。
一緒に走っていた3人を抜かし、気づいたときには既にトップでゴールテープを切っていた。
別クラスまたは別学年かの体育祭実行委員の生徒に連れられ、一位と書かれている旗の場所に行った。
それぞれのレーンで走った順位を決めている。順位ごとにポイントが加算されるのでそれの精算のためだ。
それより、私があの中でぶっちぎりの一位を取れるわけがない。それに、今自分が走った記憶がないというか気づかなかっただけで記憶は確かにあった。記憶がないぐらい早いスピードでまるで風になった気分だった。
どうなっている!?
◇
少し前の異世界。
「では、こうゆうのはどうでしょう。
もう少しで、現実世界では体育祭があるそうですね。
これを利用するんです。」
「アリシア、どういうことだ?」
「体育祭、聞いた話によると生徒だけでなく、一般の方も競技には出られませんが、見る事は出来る。当然、ネイサも城ヶ崎さんと接触はしたいはず、来場者に紛れて来ると思うんです。」
「なるほど、つまり、体育祭中は城ヶ崎を援護すると言うことだな?」
「はい。」
「俺たちがやることが決定した。俺たちは各々で能力を発動し、城ヶ崎琉奈の安泰を守る。」
「「「了解」」」
そして、体育祭当日。
俺たちは、みんな、アリシアが用意した水晶に睨みをきかせ、ネイサが来るのを待った。
だが、俺自身の私情で単純に、陸上部の速水 遥が癪に障るので100m走で城ヶ崎を勝たせてやることにした。
俺自身もあまり運動できたイメージがない。苦手なんだよ運動は。ほんとああいうやつはらたつよな。
たしか、城ヶ崎は異世界に行っていた。つまり、ある程度に運動神経があるはず。でなければ到底この異世界では生きていけない。少し賭けてみるか。
「時間改変過去城ヶ崎の筋力や運動神経、闘争心の時間を異世界にいたときに戻した。」
「ちょっと、何やってるんですか樹さん!」
「なぁに少し城ヶ崎に花を持たせてやるんだよ。ほら、ぶっちぎりの一位。ということは異世界にいたときの城ヶ崎はつよつよだったということか。」




