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第三十一話

第三十一話です。

 医者に城ヶ崎の様体を見せ、一旦入院することになった。

 入院と言っても精神を安定させるためで、二、三日程度だ。

 城ヶ崎の病室を後にした俺は病院の廊下でばったり、芸能人だろうか。背が高くてイケメンででも、俺はこんな人はテレビで見たことがない。きっと、今までメディア露出が少なかっただけで俺が異世界にいる間に有名になったんだろう。


 あ、やっべぇ目が合ってしまった。


 男は樹の元へゆっくりと歩いてきた。


 やべぇこっち来たよ。


「あのー城ヶ崎さんとお知り合いで?」


 話しかけてきたーって城ヶ崎?なんでこいつが知ってるんだ?

 あー思い出した。そういえばアリシアが「城ヶ崎さんにイケメンの男の子が、これは恋の予感っ。」

 って言ってた気がする。「はいはーい」って聞き流していたけどこいつのことだったのか。


「はい。でも、なんでそうだとわかったんですか?」


「ここ―――いや、城ヶ崎瑠奈と書かれてある病室から出てきたからですよ。

 城ヶ崎さんなんかあったんですか?一応、俺、友達なんで。」


「友達……」


「はい。」


「じゃあ、早く彼女の元へ行ってあげてください。では。」




 そして、時は今。


「ってことがあったんです。」


 春夏冬君の長いエピソードが終わった。

 本来はこういう内容だったが、城ヶ崎には話を濁してある。異世界での記憶のこと。沢城樹の本当の存在。

 城ヶ崎には、真由美が途中で萎えて気絶した城ヶ崎を夜道に捨て、それを通行人(沢城樹)が病院に運び、たまたま春夏冬に会ったといった内容だ。

 指の切断は幻覚と説明し、入院もそれらの精神的不安定という理由で入院していることになっている。


 でも、待ってなんで春夏冬君そんなこと知っているの?だって、その人とは廊下でたまたま会っただけでしょ?


「春夏冬君、私に隠してることある?」


「ありません。」


 即答だった。いや、絶対ある。でないと辻褄が合わない。


「さっき私のこと友達って言ってくれたよね。それが私にとってとても嬉しかった。転校してから色んなことがあったから、それでも春夏冬君は春夏冬君だけは私を『友達』としてくれた。だから聞きたいの友達として。」


「はい。でも、今はまだ話せない。けど、いつかは話す。絶対。これだけは約束できる友達として、『神』に誓う。」


「わかったよ。でもいつかは話してね。約束通り。」


 まもなくして城ヶ崎瑠奈は退院した。

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