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第三十話

第三十話です。

 時は少し遡る。

 それは、樹がアーサーとギルに空間移動系能力者を探しに行かせてから少し経った時である。


「見つけて来たぜぇ空間移動系能力者」


「いや、早っ!いくらなんでも早すぎんだろまだ5分くらいしかたってねぇぞ。」


「別にいいじゃねぇか。助けるんだろその娘を」


「お、おうだが、どうやってこんな早く見つけてきたんだ?それに、肝心の空間移動能力者はどこにいるんだ?さっきから見えないのだが」


「説明は後だ。ここは俺に任せろ。」


 アーサーの周囲が輝きだし、足元には魔法陣が張り巡らされており、体中に強い突風のようなものをまとっている。とてつもなく派手な演出だ。

 何か始まる予感。

 アーサーは無能力者だと聞いていたが?


『能力発動、瞬間移動テレポーテーション!!!』


 !?



 目の前にギルが瞬間移動してきた。


「どうやら成功のようだな。」


 と、ギルは親指を立ててグッドのポーズをとって言うが、俺やアリシアは全くわけが分からずにいた。


「俺がカールの能力譲渡キャパシティーギフトによって空間移動系能力者になったんだ!」


「詳しい話は後で聞く。それより先にこっちをなんとかしねぇーとな。」


 アリシアが例によって現実世界に能力だけが干渉できる装置をアーサーに渡した。


「お、なんだこりゃ?」


「これをつければ現実世界への能力干渉が可能になります!」


 アーサーはアリシアから貰った装置を付け、城ヶ崎救出任務に取り掛かる。


「樹の分身に能力を使えばいいんだな?『能力発動、瞬間移動テレポーテーション』」


 辺りが眩い光に包まれた。

 気づくとそこは目的地つまり、城ヶ崎瑠奈が囚われている場所だった。

 そこは家というより廃墟に近いかもしれない。

 森の中だろう。周りに他の建物がなくボロボロの屋根や草で覆われているシミだらけの汚い壁。

 何かの工場だった場所だろうか。色々な装置や道具がある。


「ここに城ヶ崎が囚われているのか?」


「ああ、ああああああああああぁぁぁぁっあっあ!!!」


 城ヶ崎の声だ。

 場所はここで合っている模様。


 突撃する。


時間改変未来ダウン・ザ・ロード

 外壁の時間を送らせ老朽化する。


 ガラガラと壁が崩れる音がした。

 壁が崩れ中の状態が丸見えになる。

 真由美が城ヶ崎を拷問している光景が伺える。

 城ヶ崎の手は血まみれで気絶している。


 真由美がものすごい怖い顔をして、素早く俺がいる方に振り向いた。


「あーん?あんた誰よ?それになんなのよそれ?」


「この『能力』のことか?」


「能力?」


 あーそうかあくまで記憶を失っているのか。


「とりあえず、お前の記憶が戻ると厄介だからこっちで拘束する。城ヶ崎はーそうだなこのまま平穏な日常を送ってもらう。」


「は?拘束?それより、私の大事な時間を邪魔した罪は重いわよ。」


 真由美がこっちに向かってくる。


時間改変未来ダウン・ザ・ロード


 時間を飛ばし、自分の都合のいい未来に書き換えた。

 真由美が地面に落ちていた石に引っかかり、コケる。

 コケた瞬間、その石が草むらに勢いよく打ち付けられた。草むらからその石に当たった野良犬が出現し、真由美に襲いかかる。それを避けようとし、バランスを崩した真由美はよろけて樹の手の届く範囲で落ち着いた。

 真由美の腕を掴んだ。


「はい、これで捕獲完了」


 能力もここまでの未来を操ることができるようになってきた。

 だが、この辺が限界か・・・


「いや、離して!」


「いやいや別に何も痛くしねぇーよ。一旦拘束するだけだ。お説教だ。」


 そんなときだった。さっき真由美に襲いかかった野良犬が次は樹に向かって威嚇した。


 能力で黙らすか。

 と、能力を使おうとした時、何か察したのか、犬が怯えて逃げてしまった。

 一つ、樹には誤算があった。真由美の未来は操れど

 この工場という場所そのものの未来を操ることができなかった。

 アルミニウムだ。まだ、アルミニウムが残っていた。

 そこに、真由美が掴まれてない片方の腕でポケットからライターを取り出し、投げる。アルミニウムは粉塵爆発を起こした。


 周りは森で囲まれている。一瞬で木に火がつき、それが連鎖していった。

 あたり一面は炎の海に埋め尽くされた。

 この混乱に乗じて、真由美が樹の腕を振りほどいた。

 そして、真由美は城ヶ崎を盾にし、人質かのように扱った。


「そこを一歩でも、動いてみろ。この女を殺す。」


 能力のクールタイムがまだ残っている。


「あーわかったよ。わかったからその子を離せ。最低限その子を救出できればいいから。そしたら、お前は逃げてもいい。」


 ま、逃さないけど。


「あーわかった。今は私が助かりゃいい。」


 真由美は城ヶ崎を離そうとした時、これまた、たまたま、城ヶ崎の手が真由美の頭に触れた。

 さっきの真由美との接触で、記憶が一部戻りつつある城ヶ崎は無意識下で真由美に対し能力を使った。


「あぐああぁぁぁぁ!!!」


 真由美は頭を抑えて発狂する。

 なんだ。なにが起こるんだ。


「……」


 突然真由美が冷静を取り戻し無言でこちら側に近づいて来た。油断した。

 樹の肩に触れると、


「能力発動、『能力奪取キャパシティースティール』」


 能力を発動した。


 間違いない。真由美はいやネイサは今、この瞬間、城ヶ崎の手により記憶を取り戻し、能力を発動させたァァァァァ!!


 気づいたときには遅かった。

 能力の三分の一が取られていた。現実世界での能力の使用が初めてなのと久しぶりでまだ慣れていないのか幸いにも能力の三分の一程度しか奪われなかった。

 奪われたのは、時間改変未来ダウン・ザ・ロード

 時間改変過去ザ・プリビアスと、時間作成タイム・メイキングは残ったままだった。


 真由美は記憶を完全に取り戻し、元の身体能力に戻って能力を奪われた瞬間、ものすごい勢いで逃走していった。


「くっそ!時間改変未来ダウン・ザ・ロードが取られた!」


 ってそんなこと言ってる場合じゃねぇ。

 城ヶ崎だ。城ヶ崎を優先する。


時間改変過去ザ・プリビアスが残っててよかったぜ。これで、城ヶ崎の怪我をなかったことにする。そして、取り戻しつつある記憶を削除する。

 あと、病院だな。」


 能力を使って城ヶ崎の怪我や記憶をなかったことにしたが、精神的にまだ不安定だと断定し、病院に連れて行くことにした。


 そんなとき会ってしまった。

 病院にたまたま来ていた『彼』に。

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